「R32GT-R」発売当時は445万円!…高騰中の旧車価格、日産車のデビュー当時の価格や仕様を「公式」で判明するサイト発見

■海外勢から熱い視線が注がれる国産ヤングタイマー

RMサザビーズのサイトイメージ
RMサザビーズで「GT-R」を検索すると、歴代モデルがずらりヒットする

国産旧車の市場価格が高騰しています。1970年代以前のオールドタイマーはもちろん、1980〜90年代のヤングタイマーの人気もうなぎのぼり。とりわけ、北米や中国、中東、そして欧州ではR32やR34、スープラ、ランエボ、シビックタイプR、RX-7、インプレッサといったスポーツセダンに熱い視線が送られています。

実際、競売大手「RMサザビーズ」のサイトを覗いてみると、次のような出品リストがずらりヒットします。

・2002年型日産R34 スカイラインGT-R(Vスペック II ニュル)
=落札見積額12万〜16万ポンド(邦貨約2045〜2727万円)

・1994年製トヨタ スープラ(ツインターボ、タルガトップ)
=落札額17万3600ドル(約2575万円)

・2002年製FD マツダRX-7(スピリットR タイプA)
=落札見積額7万〜10万ポンド(約1193万〜1704万円)

・2008年製ホンダ S2000 CR
=落札額8万5250ドル(約1264万円)

ユニークなところでは、5万750ドル(約767万円)で落札された1991年製日産フィガロという例も。

●日産が1961〜1998年のリリースをすべて電子データ化

沸騰する中古車価格を眺めていると、やはり気になってくるのが「新車当時の販売価格」や「新車当時の仕様」です。デビューから数十年を経て、いくらのプレミアがついたのか、価値がどれだけ高まったのか、はたまたオリジナルはどんなクルマだったのかを知るには、原点を振り返る必要があります。

日産グローバルニュースルームのリリースページイメージ
日産グローバルニュースルームのリリースページイメージ

そんなときに役立つのが、日産の「グローバルニュースルーム」。本来の目的は、報道機関やジャーナリスト向けに情報を提供するためのものですが、一般の方でも閲覧は可能(資料のダウンロードや使用は報道の目的のみに限定されます)。2022年9月に行った大規模アップデートで、車内に現存する1998年以前のリリースをすべてスキャンして電子データ化。日産に広報部が設立された1961年から1998年までのリリースをアーカイブとして公開しているのです。

●R32のデビュー時新車価格は445万円

日産グローバルニュースルームのリリースページイメージ。1989年5月22日の日産スカイラインのニュースリリース
日産グローバルニュースルームのリリースページイメージ。1989年5月22日発信の「新型スカイライン発売」ニュースリリース

発行当時に印刷されたリリースの様式で掲載しているので、当時の雰囲気をそのまま感じることができるのが当該サイトの特徴。

1989年5月22日に発表された日産スカイラインのフロントビュー
1989年5月22日に発表された日産スカイライン

たとえば、1989年5月22日の「新型スカイライン発売」のリリースには、R32型の販売目標台数から製品諸元、価格、NISMOモデルでの全日本ツーリングカー選手権への出場計画まで様々な情報が網羅されています。ちなみに、GT-Rの希望小売価格は東京・名古屋・大阪地区で445万円、福岡地区で447万6000円でした。最近の中古車価格からすると激安に感じられますし、全国統一でなかった、というのを知らなかった人も多いのでは?

古くは1961年の「第八回全日本自動車ショー いよいよ開幕」や「巨人軍 晴れの優勝パレード」(日産はダットサン・フェアレディとセドリック オープンカーを提供)など、広報が発信していた懐かしのニュースが満載。旧車好きならずとも、ちょっとしたタイムトラベル気分でいくらでも時間を潰すことができそうです。

三代やよい

【関連リンク】

日産自動車「グローバルニュースルーム」ニュースリリース一覧 https://global.nissannews.com/ja-JP/all-news-archive-j

この記事の著者

三代やよい 近影

三代やよい

自動車メーカー勤務後、編集・ライティング業に転身。メカ好きが高じて、クルマ、オートバイ、ロボット、船、航空機、鉄道などのライティングを生業に。乗り継いできた愛車は9割MT。ホットハッチとライトウェイトオープンスポーツに惹かれる体質。
生来の歴女ゆえ、名車のヒストリーを掘り起こすのが個人的趣味。
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