■フロントスプリッターが装着、ヘッドライトの下にはカナード
ポルシェのエレクトリックサルーン「タイカン」の開発車両をカメラが捉えました。
初代となる現行型タイカンは、2015年に「ミッションE」として初公開、2019年フランクフルトモーターショーで量産モデルがワールドプレミアされ、本国で発売されています。
現在、タイカンシリーズのフラッグシップは「タイカン ターボS」ですが、近い将来それがこの「GT」バリエーションに変わる可能性がありそうです。
早朝のニュルブルクリンク付近で捉えたプロトタイプのフロントエンドには、フロントスプリッターが装着され、外側のエッジは新設計されている可能性があるほか、ヘッドライトの下にはカナードが備わるように思われます。
またフロントウインドウの上部、ルーフ先端にはかなり大きなセンサーらしきものが装着されています。
側面では、サイドスカートにエアロコンポーネントが追加され、キャビン内を覗けばロールケージ、RECAROスポーツシートが確認できます。
足回りには、5本のスポークを備えた複雑なデザインのホイールセットを装着、内部にスペースを持つスポークは、おそらく重量削減を目的としたもので、大きな黄色のキャリパーが、この車にカーボンセラミックブレーキが搭載されていることを示しています。
リアエンドでは、コンパクトなデッキリッドスポイラーに統合された固定リアウイングを装備、バンパー下部の両側には新設計されたディフューザーが備わっています。
タイカンの新しいボディキットは911 GT3 RSほど極端ではありませんが、ダウンフォースをさらに増加させるのに役立つことは間違いなく、現段階で断言はできないものの、このプロトタイプがこれまで設定されていない「GT」バリエーションである可能性がありそうです。
現在のタイカン ターボSは、最高出力761ps・最大トルク1,050Nmを発揮します。4ドアサルーンとしては十分ですが、GTモデルと仮定するとパワーアップも予想できます。
現段階で確かなのは、GTバージョンは軽量化対策と並んで、サーキットに焦点を合わせたシャシーのセットアップを特徴とし、ハンドリングとパフォーマンスの両方に利益をもたらすものになるであろうということでしょう。
2022年8月にはタイカン ターボSがニュルブルクリンク北コースで、テスラ「モデルS」の7分35秒579を抜き、7分33秒35の新記録を打ち立てました。
今後GTが登場すれば、新たなフラッグシップタイカンになるとともに、ニュルブルクリンク量産EV最速記録を更新する可能性は高いと思われます。