■M2、M3、M4などで提供しているMTは、2030年までは存続
BMWは、2030年までマニュアルトランスミッションを存続させることが濃厚であることがわかりました。
同社は2022年10月12日、高性能2ドアスポーツ「M2」新型を発表しましたが、オプションで6速マニュアルトランスミッションが提供されたことにファンは熱狂していることでしょう。
先日、南アフリカのキャラミ・グランプリサーキットで開催されたBMW Mフェスティバルにて、メディアがこんな質問を投げかけました。
「電動パワートレインに切り替わった場合、パフォーマンス部門内ではマニュアルトランスミッションの将来はあると考えているのか」
この問いに対し、Mのボスであるフランク・ヴァン・ミール氏は、「今後何十年もマニュアルトランスミッションが生き残ることはありません。しかし、M2、M3、M4などで提供しているMTは、2030年までは存続する予定です」と答えたようです。
これには、さまざまな自動車メーカーに、マニュアルトランスミッションを保持するよう求める、オンラインの嘆願書がファンから届いているという事情が影響しているようです。
販売担当副社長であるティモ・レッシュ氏は、エンジニアが「オートマチックの方が速いのに、なぜマニュアルトランスミッションが必要なのか」と尋ねた所、「ファンがそれを求めていた」と答えたといいます。しかし、BMWの幹部にマニュアルトランスミッションの承認を求めるのは簡単なことではなかったようで、数年間の時間を要したといいます。
フルエレクトリック化にともない、いずれ消滅するマニュアルギアですが、BMWはEVにおける新たな「駆け抜ける歓び」を模索しているに違いありません。