ヤマハ発動機の小型船舶用の次世代電動操船システム「HARMO」、電動トライアルバイク「TY-E 2.0」、自動搬送サービス 「eve auto」がグッドデザイン賞を受賞

■「HARMO」は「グッドデザイン・ベスト100」にも選出

ヤマハ発動機は、小型船舶用の次世代電動操船システム「HARMO(ハルモ)」、電動トライアルバイク「TY-E 2.0」、自動搬送サービス 「eve auto(イヴオート)」が、「2022年度グッドデザイン賞」を受賞したと発表しました。

このうち「HARMO」は、とくに高い評価を得たデザイン100点に与えられる「グッドデザイン・ベスト100」にも選出されています。

ヤマハ発動機 HARMO
ヤマハ発動機の次世代電動操船システム「HARMO」

高く評価された、次世代電動操船システム「HARMO」は、環境負荷の低い電動推進器ユニット、船の動作を制御するリモートコントロールボックス、直感的な操作を可能とするジョイスティックなどから構成された小型船舶用次世代操船システムです。電動ならではの静粛性や低振動、直感的かつ容易な操作が可能だそう。

デザイン賞の評価では、「既存の船外機をそのまま電動化するのではなく、リムモーターという画期的な技術を使うことで、従来はエンジンが収まっていたトップカウルを小さくスマートにまとめることができています。さらに、スクリューの向きを自在に変えることで、圧倒的な小回り性能を実現。ジョイティックで直感的に操作できるようにするなど、デザインとテクノロジーが一体となったものづくりが行われています」というコメントを得ています。

ヤマハ発動機 電動トライアルバイク
ヤマハ発動機の電動トライアルバイク「TY-E 2.0」

電動トライアルバイク 「TY-E 2.0」は、内燃機関を上回る楽しさが追求された意欲作。自然の中を走り抜けるトライアル競技のフィールドは、長い航続距離性能は必要されないものの、高い運動性能が要求されます。内燃機関との出力差は、電動ならではの高度なモーター制御技術により補完。2022年の夏には、内燃機関搭載車と電動車の混走の世界選手権に参戦しています。

審査員からは、「企業内の自主研究制度から生まれたイノベーションという点が興味深い上に、モーターサイクルメーカーの豊富な知見を生かしてライダー、観客、環境問題の三方良しを実現した、プロジェクトチームの意欲的な活動成果が高く評価できます。電動トライアルバイクのパイオニアとして、性能、スタイリングの進化に留まらず、競技フィールドの変革(室内競技としての可能性)、バランス感覚を養う新たな健康競技への発展など、新たなビジネスチャンスの創造を期待したいところです」と高く評価されています。

ヤマハ発動機 eve auto
ヤマハ発動機の自動搬送サービス 「eve auto」

そして、自動搬送サービスの「eve auto」は、搬送の自動化を実現するソリューションです。工場内だけでなく、屋外の走行も可能な小型設計が特徴です。一定の段差や傾斜にも対応できる走破性、天候や周辺物などの変化に対するロバスト性を備え、牽引、積載能力も併せ持っています。複雑な自動運転機能を簡単に扱えるパッケージ、導入、運用しやすい構造で、無人、有人どちらの操作も可能。慢性的な人手不足に悩む生産現場などでの活躍が期待され、すでに実証実験も行われています。

審査員からは「工場は、ものづくり国ニッポンの生命線ですが、人員の慢性的な不足、予見の難しい人為事故が課題になっています。同システムは、搬送工程に着目し、実績ある既存技術と新技術を掛け合わせながらコストを抑えています。企業の導入ハードルを下げる努力をしている点、無人と有人を両立させた汎用性も秀逸です。同システムの導入で、安定した搬送維持と運用が見込め、稼働の効率化が図れるはずです。将来は、システム全体を海外に売り込むことも可能なはずです」とコメントされています。

(塚田 勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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