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■実は受注が販売企画台数(3,200台/月)を大きく上回っている?
発売後、1ヶ月間で約2.5万台の受注を獲得した新型クラウンシリーズの第1弾「クロスオーバー」。
歴代クラウンのイメージから脱却すべくアグレッシブな意匠を採用したことに加え、「高級セダン=FR」とするこれまでの図式に当て嵌まらないこともあり、巷では今夏の公開直後から賛否が分かれていたようです。
グローバルモデル化するにあたり、FFプラットフォームをベースに全グレードをハイブリッド+4WD化。ボディをリフトアップして大径21インチタイヤを採用するなど、その変貌ぶりは多くの予想を超えるものでした。
しかしトヨタ内では賛否が分かれることについて、もちろん織り込み済みだったようです。
と言うのも、従来路線のクラウンを好む顧客向けには、後に発売予定のFRと予想される「セダン」に委ねることにしていたからで、斬新なバイトーンカラーについても、今回米国に導入することもあり、当初から採用を決めていたそうです。
●新型クラウン「クロスオーバー」の売れ筋仕様は?
トヨタも当初は発売から4年が経過した先代モデルのマイナーチェンジを予定していたようですが、日米市場でSUVがもてはやされ、国内でも販売が足踏みしていたことから方針を変更。
今回の“顧客層の若返り”を狙った戦略は、結果的に同社の読みどおり進んでいるようです。
受注割合は旧来の“ロイヤル”に相当する2.5Lハイブリッド仕様が7割、2023年初旬から生産予定の2.4LターボRS仕様の受注が3割を占めている状況。
現時点の購入層はすでに従前よりやや若い50代が中心となっており、今後RS仕様の販売拡充により、年齢層がさらに下がる可能性がありそうです。
●2.5Lハイブリッドモデル(435万円~)の選択は“吉”?
半導体などの部品不足で生産がままならない中、新型クラウンを求める顧客はカタログのみでの発注を強いられている訳ですが、比較的リーズナブルな価格設定(435万円~)になっている2.5Lハイブリッド仕様の選択は結果的に“吉”と出そうです。
プレス向け試乗会での感触から判断すると、従来のハイブリッド車にありがちだった動力性能面でのネガ部分は払拭されており、ガソリン車と変わらない自然なフィーリングを獲得しています。
大電流を一気に流せる「バイポーラ型ニッケル水素電池」の採用もあり、走り出しから力強く、アクセルレスポンスも良好。
フル防振サブフレームを採用したマルチリンク式リヤサスペンションや、後輪操舵DRS(Dynamic Rear Steering)により、剛性感のある上質な乗り心地を実現。WLTCモード燃費についても22.4km/Lと、走りの良さと経済性の両立が図られています。
●気になる納期は?
一方、注目されるのは、他のモデルが半導体などの部品不足により納期が長期化する中、新型クラウンの納車がどの程度先になるのか、ではないでしょうか。
これについては、販売店やグレード選択によって半年~1年前後とバラツキがある模様で、新型クラウン「クロスオーバー」が街中で目撃され、同車の魅力が広く浸透するまでにはもう少し時間がかかりそうです。
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