来春2023年発売予定の新型SUV ホンダ「ZR-V」はシビックの“いいとこどり”?

■ZR-Vは「走り」を追求したシビックベースのSUV

新型「ZR-V」のフロントビュー

ホンダが今秋正式発表、来春2023年の発売を予定している新型ミドルサイズSUV「ZR-V」。

昨年9月発売のシビックをベースにしたSUVで、ボディ先端を絞り込んだフロントマスクは、どことなくジャガーのSUV「F-PACE」に通じるものがあります。

ZR-Vと雰囲気の似たジャガーのSUV「F-PACE」

7月14日には「ZR-V」のティザーサイトをオープン。

販売店では来春の発売(当初は今秋)に先立ち、9月8日から先行受注を開始しており、日本全国のHonda Carsや大型ショッピングセンター等で実車を展示するなど、販促活動を展開しています。

●ヴェゼルとCR-Vの中間サイズ

北米では6月から新型“HR-V”として発売しており、日本では未発表の車体サイズも明らかになっています。

新型「ZR-V」のサイドビュー

それによると、全長4,570mm×全幅1,840mm×全高1,620mmでホイールベースが2,665mmと、ヴェゼルより大きくCR-Vより小さいミッドサイズのSUVとなっています。

見晴らしの良い新型「ZR-V」のインテリア

シビックのプラットフォームをベースにしていますが、サスペンションは新たに開発。ロール量を抑制するなど、操安性能にこだわって開発されており、ステアリングフィールの良さと相まって安心感のある走りを実現しています。

パワートレーンは、シビックのエンジンをベースにしたガソリン仕様とハイブリッド(e:HEV)仕様を設定。両パワートレーンにFFと4WDをラインナップ。

ガソリンモデル用の1.5L VTECターボエンジン

ガソリンモデルについては、シビックよりも車重が重く大径タイヤを履いていることから、エンジンのトルク特性やスロットルの応答、CVTのギアレシオなどが専用にセッティングされています。

またe:HEV仕様は、エンジンを主に発電用に使用してモーターで走行しますが、エンジン回転とモーターの同調制御により、あたかもエンジン駆動モデルのような感覚を持たせており、発進時にはモーターがV6 3.0Lエンジン並みのトルクを発生。

4WD仕様では後輪の駆動力アップにより、雪上路などでの発進・登坂性能向上を実現しています。

スペック的には、ガソリンモデル用の1.5L直4直噴VTECターボエンジンが178ps/24.5kgmを発生。e:HEV用の2.0L直4直噴エンジンの出力は141ps/18.6kgmで、モーター出力が184ps/32.1kgmとなっています。

●内外装の見どころはココ

個性的な新型「ZR-V」のフロントマスク

北米仕様のラジエターグリル意匠はハニカムタイプになっていますが、国内仕様はより迫力のあるバーチカル(縦型)タイプを採用。

新型「ZR-V」のリヤビュー

ランプ類では、流れるタイプのシーケンシャル式フロント・ウインカーが目を惹きます。

ヘッドランプはL字型DRL(デイタイムランニングランプ)付きのフルLEDタイプで、リヤランプ類も同様に全てLED仕様になっています。

10.2インチのフル液晶デジタルメーターを採用
ソフトパッド採用のセンターコンソール

インテリアでは、水平基調でワイド感のあるインパネや10.2インチのフル液晶デジタルメーターを採用。インパネやコンソール部にはボリューム感のあるソフトパッドが奢られています。

また、エアコンの風向き調整用ルーバーはシビック同様、ハニカム調のパンチングメタル内に収められており、見た目にスッキリしています。

スッキリと収められたエアコンルーバー
見晴らしの良い新型「ZR-V」のインテリア

シビックと同様のデュアルピ二オン式ステアリングの採用などにより、低速時のステアリング操作性を向上させており、Zグレードにはパドルシフトも装備。

後席天井には触れるけで消点灯が可能なタッチ式ルームランプを装備するなど、気の利いたアイテムが充実。

●空力に拘った設計

個性的な新型「ZR-V」のフロントマスク

機能面では、フロントバンパーサイドのインテーク部が背後のホイールハウス内に通じており、フェンダーライナーに設けたスリット孔から放出された気流で前輪側方の乱流発生を抑制。

またボディ下面には、空力向上を目的に広範囲に渡ってフロアアンダーカバーが装着されており、床下をフラット化するとともに、不整地走行時の飛び石・砂等による打音についても抑制しています。

●気になる車両価格は?

設定グレードは、スタンダードのXと上級Zの2種類で、ガソリン仕様が約295万円(FF)~約377万円(4WD)、ハイブリッドのe:HEV仕様が約330万円(FF)~約412万円(4WD)となっています。

【ガソリンターボ仕様】
X:2,949,100円(FF)/3,169,100円(4WD)
Z:3,548,600円(FF)/3,768,600円(4WD)

【e:HEV仕様】
X:3,298,900円(FF)/3,518,900円(4WD)
Z:3,899,500円(FF)/4,119,500円(4WD)

最近はどこの自動車メーカーもそうですが、半導体などの部品不足の影響で納車が非常に長引く傾向で、この「ZR-V」も完成度の高さから同様の状況が予想されるだけに、今後の市場動向が注目されます。

Avanti Yasunori

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【関連リンク】

ホンダ ZR-V ティザーサイト
https://www.honda.co.jp/ZR-V/new/

この記事の著者

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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