ヤマハの市販モトクロッサー「YZ450F」の2023年モデルが、エンジンやフレームを刷新し5年ぶりフルモデルチェンジ

■モトクロス競技用「YZシリーズ」9機種に2023年モデル

ヤマハ発動機(以下、ヤマハ)のモトクロス競技用モデル、いわゆる市販モトクロッサーの「YZ450F」に、5年ぶりのフルモデルチェンジを受けた2023年モデルが登場。

ヤマハのYZ450Fがフルモデルチェンジ
ヤマハ・YZ450Fの2023年モデル

新型は、パワフルで扱いやすい軽量な新設計エンジンを搭載、新開発のバイラテラルビーム・フレームの採用で軽快性と安定性を高次元で両立しているのが特徴です。

また、新設計クラッチや新トランスミッションも装備するなど、各部をアップデートし、より戦闘力をアップしています。

さらに、ヤマハでは、250ccや125cc、85ccや65ccなど、そのほかのモトクロス競技用「YZシリーズ」についても2023年モデルを発表。2022年10月31日(月)から順次発売されます。

●「YZシリーズ」のトップエンドモデル

今回、フルモデルチェンジを受けたYZ450Fは、ヤマハのモトクロス競技用モデル「YZシリーズ」のトップエンドに位置するモデルです。

世界最高峰のモトクロス世界選手権や全日本モトクロス選手権に参戦するヤマハのワークスマシン「YZ450FM」のテクノロジーを投入。

ヤマハのYZ450Fがフルモデルチェンジ
ヤマハ・YZ450Fの2023年モデル

また、アメリカで最も権威があるAMAスーパークロス/モトクロスに参戦するマシンのベース車両としても使われるなど、世界のオフロードレースで大活躍しているマシンです。

その2023年モデルは、トップライダーはもちろん、休日にレースなどを楽しむエンジョイライダーに至るまで、幅広いスキルのライダーに意のままの操縦感覚を提供できるマシンとして進化しています。

●軽量な新型エンジンを採用

主な変更点は、まず、449cc・水冷4ストローク単気筒エンジンに新型を投入。燃焼室の形状と天面形状を見直し、裏面のリブ形状の最適化を施した新型ピストンの採用や、新型のクランクアッセンブリーの装備などにより、エンジン単体を従来型から1.1kg軽量化することに成功。

ヤマハのYZ450Fがフルモデルチェンジ
YZ450Fの新エンジン

また、バランサーの一新なども施すことで、ドライバビリティを向上したほか、振動の低減なども行っています。

ほかにも、吸排気ポートまわりの変更により、パワー感も向上。チタン製の吸気バルブは、従来の直径37mmから直径39mmへ拡大し、最大リフト時の吸入空気量を従来比で9%アップしています。

ヤマハのYZ450Fがフルモデルチェンジ
新設計のクラッチを採用

ほかにも、プライマリーギアとハウジングをスチール製の一体構造とすることで、軽量化などを施した新設計クラッチも採用。また、強度を高めつつ軽量化も達成した新開発トランスミッションも装備します。

さらに、トラクションコントロールシステムを初採用。走行時の後輪スリップ量変化をECUにフィードバックし、点火制御によりエンジン出力を最適に抑えることで、さまざまな路面状況に応じて、後輪のトラクションを維持することが可能に。

なお、介入度はオフを含め3段階で選択可能。スマートフォン対応の専用アプリ「パワーチューナー」を使えば、簡単にセッティングすることができます。

●俊敏な走りを生む新作フレーム

車体まわりでは、倒し込みの軽快感、自然な舵角感、ライン自由度などにも寄与する新設計バイラテラルビーム・フレームを採用。スピードを維持したままコーナーへ進入できる上、旋回中のライン自在度が広いことで、俊敏な走りに貢献します。

ヤマハのYZ450Fがフルモデルチェンジ
新設計バイラテラルビーム・フレーム

また、前後サスペンションは、減衰特性を見直すことで、トラクション感とバンプ吸収性能を向上。フロントサスには、工具不要で圧減衰調整できる手回し圧減衰アジャスタを新たに採用することで、容易なセッティング変更も楽しめます。

そして、外観も、「An Amazingly Light YZ(「驚くほど軽いYZ」といった意味)」をコンセプトとし、デザインを刷新。

ヤマハのYZ450Fがフルモデルチェンジ
ヤマハ・YZ450Fの2023年モデル

軽快感のアピールやコンパクト化に加え、ライダーが体を動かしやすくするために、フロントフェンダーやシュラウドなどのフロント周りを中心に進化・熟成を図っています。

さらに、YZの特徴ともいえる、直線的なホリゾンタル・ムーブメントのグラフィックも進化し、モトクロッサーならではのスピード感などを演出しています。

価格(税込)は115万5000円です。

●ファクトリーマシンを再現したカラーも採用

今回、ヤマハでは、そのほかのYZシリーズについても2023年モデルを発表しています。

ヤマハのYZ450Fがフルモデルチェンジ
ヤマハ・YZ250Fのモンスターエナジー・ヤマハレーシング・エディション

各モデルには、YZ450Fと同様に、シリーズの共通コンセプトである直線的なホリゾンタル・ムーブメントのグラフィックと、ヤマハブルーに異なる色域のブルーを組み合わせたカラーリングを採用。

また、「YZ250F」「YZ125」では、ヤマハのファクトリーマシンが採用するカラーリングイメージを再現した「モンスターエナジー・ヤマハレーシング・エディション(Monster Energy Yamaha Racing Edition)」も販売されます。

価格(税込)は、

「YZ250F」が91万3000円〜92万4000円
「YZ250」が78万1000円
「YZ125」が73万7000円〜74万8000円
「YZ85LW」が57万2000円
「YZ85」が56万1000円
「YZ65」が49万5000円

です。

なお、YZ450Fを含めたこれら9車種は、いずれも、「ヤマハオフロードコンペティションモデル正規取扱店」で、2022年9月13日(火)から12月25日(日)までの期間限定で予約受付中です。

(文:平塚 直樹

この記事の著者

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平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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