ホンダが世界最高峰2輪レースMotoGPの2023年シーズンにスズキのミルと契約。3年ぶり日本GPには長島も参戦

■マルケスとミルの世界王者コンビが誕生

世界最高峰2輪レース「MotoGP」に参戦するホンダは、2022年シーズンをスズキのワークスチームで闘うジョアン・ミル選手と、2023年からの2年契約を結んだことを発表しました。

ホンダがMotoGPの2023年シーズンにスズキのミルと契約
マルク・マルケス選手

2020年シーズンにMotoGPチャンピオンとなったミル選手は、スズキが2022年シーズン一杯でMotoGPから撤退することで、その移籍先が注目されていました。

これで2023年シーズンは、MotoGPで6度の年間チャンピオンに輝いたマルク・マルケス選手のチームメイトになることが確定したのです。

ちなみに、ホンダは、3年ぶり開催となるMotoGP日本グランプリ(栃木県・モビリティリゾートもてぎ、決勝2022年9月25日)のMotoGPクラスに、日本人ライダーで、ホンダのレース部門HRC(ホンダレーシング)のテストライダー長島哲太選手を参戦させることも発表。その活躍ぶりも期待できます。

●ミルの加入で強いホンダは帰ってくる?

今回、ホンダのレース部門HRCと2年契約を結んだジョアン・ミル選手は、スペイン出身の24歳です。

ホンダがMotoGPの2023年シーズンにスズキのミルと契約
ジョアン・ミル選手(写真は2021年シーズン)

2016年に、MotoGPの登竜門的クラスのMoto3にフル参戦すると、翌2017年は年間10勝をあげて同クラスのチャンピオンを獲得。

2018年には、その上位クラスMoto2に昇格。続いて2019年には、最高峰のMotoGPクラスにステップアップし、2020年には前述の通り、スズキワークスで年間チャンピオンに輝いています。

ミル選手は、2022年8月21日開催の第13戦オーストリアGP終了時点で、グランプリ通算12勝と、33回の表彰台を獲得している実力派。

ホンダがMotoGPの2023年シーズンにスズキのミルと契約
MotoGPチャンピオン獲得はスズキにとって20年ぶりだった

ところが、これも前述の通り、スズキが2022年シーズン限りで撤退を表明したことで、今回ホンダの発表があるまで、2023年以降のシートが明かになっていませんでした。

ホンダのワークスチームといえば、MotoGPで6度の年間チャンピオンに輝いたマルク・マルケス選手が所属する名門です。

ところが、エースのマルケス選手は、現在、ケガの治療などにより欠場中。また、ホンダのワークスチーム自体も、2022年シーズンはなかなかいい成績が上げられず、苦戦中の状態となっています。

そんな中、ミル選手の加入で、2023年シーズン、かつての「強いホンダ」が帰ってくるのかが注目されるところです。

●日本グランプリでは日本人ライダーの活躍も期待

一方、3年ぶりに開催される「MotoGP 日本グランプリ」でも、ホンダはホットな発表をしました。

ホンダがMotoGPの2023年シーズンにスズキのミルと契約
長島哲太選手

なんと、元Moto2ライダーで、現在はホンダのテストライダーを務める長島哲太選手が、最高峰のMotoGPクラスにワイルドカードで参戦するというのです。

ちなみに、ワイルドカードとは、世界中で開催されているMotoGPで、フル参戦するライダーに加え、開催国の選手などが1戦限りの参加をすること。今回、長島選手は、ホンダのワークス「Team HRC」からワークスマシンRC213Vを駆ってエントリーします。

長島選手といえば、2020年のカタールGPでMoto2初優勝を飾ったほどの実力者。

また、2022年8月7日に、これも3年ぶりに開催された「鈴鹿8耐(2022 FIM世界耐久選手権コカ·コーラ鈴鹿8時間耐久ロードレース 第43回大会)」では、圧倒的強さで勝ったホンダワークス「Team HRC」の一員としても活躍しました。

ホンダがMotoGPの2023年シーズンにスズキのミルと契約
鈴鹿8耐での長島選手

コロナ禍で3年ぶりの開催となった伝統の鈴鹿8耐で、高橋 巧選手、イケル・レクオーナ選手と共に、ホンダにとって、2014年以来8年ぶり、通算28回目となる快挙をもたらした立役者なのです。

ちなみに、MotoGPの日本人ライダーには、ホンダのサテライトチーム「LCRホンダ」からフル参戦する中上貴晶選手もいます。

ホンダがMotoGPの2023年シーズンにスズキのミルと契約
中上貴晶選手の走り

また、まだ正式発表はありませんが、例年であれば、ヤマハなどからもワイルドカードで日本人ライダーが参戦するケースは多いので、そちらも期待したいところ。

果たして、久々の日本グランプリで、日本人ライダーたちが、どんな活躍を見せてくれるのかも楽しみですね。

(文:平塚 直樹

この記事の著者

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平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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