目次
■「CRF」シリーズ全7機種に2023年モデル登場
ホンダは、2022年8月23日(火)、モトクロス競技専用車の「CRF450R」と「CRF250R」、エンデューロ競技専用車「CRF450RX」と「CRF250RX」の2023年モデルを発表しました。
450ccマシンのCRF450RとCRF450RXでは、エンジン吸気系の仕様やサスペンションのセッティングを変更したほか、カラーリングも一新。
しかも、CRF450Rには「CR」ブランド誕生50周年を記念したカラーリングが施され、最新技術とレトロな雰囲気が融合したスタイルを採用することが明らかになりました。
さらに、子ども(※もちろん、免許のないお子さんは公道走行不可!)から大人まで楽しめるオフロード走行専用車「CRF50F」「CRF110F」「CRF125F」についても、グラフィックデザインを変更。CRFシリーズ全7機種の2023年モデルが登場します。
●世界で闘うオフロード競技専用車
CRF450Rは、排気量449.7ccの水冷4ストロークOHC単気筒エンジンを搭載するホンダのモトクロス競技専用車。アメリカのAMAやFIMモトクロス世界選手権といった世界的レースに出場するマシンのベースとなっているほか、全日本モトクロス選手権など、国内レースでも活躍しているバイクです。
また、CRF450Rの250cc版ともいえるのがCRF250R。排気量249.4ccの水冷4ストロークDOHC単気筒エンジンを搭載し、こちらも日本をはじめ、北米や欧州など世界中のレースで活躍するマシンです。
そして、エンデューロ競技専用車のCRF450RXとCRF250RX。CRF450RXはCRF450Rをベースに、CRF250RXはCRF250Rをベースとし、いずれもナックルガードやサイドスタンドを標準装備。
さらに、燃料タンク容量を増量(6.3L→8.0L)させるなどで、長距離の悪路や長時間で競うエンデューロ競技に対応させた仕様です。
●CRF450RとCRF450RXはエンジンや車体などをアップデート
今回発表された2023年モデルでは、まず、CRF450RとCRF450RXがエンジンの吸気系を仕様変更。
スロットルボアの小径化や、ファンネルの伸長に加え、バルブのスプリングレートやポート形状、バルブタイミングを変更しています。これらの変更に合わせFIセッティングも最適化することで、低中速域の出力ならびにトルクの向上も実現しています。
また、車体まわりも改善。フレームダウンチューブ部分のフロントジョイントとリヤクッションアッパーブラケットのアルミ肉厚を増すことで、フレーム剛性を最適化しています。
さらに、シリンダーヘッド部のエンジンマウント素材をアルミからスチールへと変更し、形状を最適化とすることでフロントタイヤの安定性に貢献。
足まわりも、フレーム剛性最適化に合わせ前後サスペンションのセッティングを変更することで、優れた走破性や操作性を実現しています。
●1980年代レーサーをイメージしたカラー採用
そして、注目なのが、CRF450Rのカラーリング。ホンダのモトクロス競技専用車は、1972年に登場した市販モトクロスレーサー「エルシノアCR250M」が元祖。
排気量248ccの2ストローク単気筒を採用したこのマシンは、その後、さまざまなレースで活躍する2ストモデルの「CR」シリーズに受け継がれていきます。
現在は、排ガスの問題などで、4ストロークエンジン搭載車のみとなったため、シリーズ名は「CRF」となっていますが、いずれにしろ、50年以上続くホンダ製モトクロス競技専用車の血統を受け継ぐモデル群であることは確かです。
そんな記念の年に発売されるのが、シリーズのフラッグシップといえるCRF450Rの2023モデル。1980年代のモトクロスレースシーンで活躍した、往年の「CR」を想起させる特別な配色のカラーリングを採用することで、最新技術が盛り込まれたマシンながら、どこかレトロな雰囲気も漂わせます。
なお、CRF450RX、CRF250R、CRF250RXには、いずれも、ホンダ製オフロードモデルの力強さと情熱を表現するエクストリームレッドを採用。
CRF250とCRF250RXでは、ラジエーターシュラウド側面のグラフィックデザインも変更されています。
価格(税込)は、CRF450Rが103万4000円、CRF450RXが105万6000円、CRF250Rが84万7000円、CRF250RXが86万3500円です。
いずれも、2022年10月31日(月)までの受注期間限定で(受注状況により受注期間終了前に受付を中断、または終了する場合あり)、発売日は10月13日(木)の予定です。
●CRFシリーズの入門用モデルも新カラー
さらに、ホンダでは、子どもから大人まで楽しめるオフロード走行専用車「CRF50F」「CRF110F」「CRF125F」についても、グラフィックデザインを変更した2023年モデルを発表しました。
49.5cc・空冷4ストロークOHC単気筒エンジンを搭載するのがCRF50F。109cc・空冷4ストロークOHC単気筒エンジンを搭載するのがCRF110F。124.9cc・空冷4ストロークOHC単気筒エンジンを搭載するのがCRF125Fです。
いずれも、コンパクトで取り回しやすい車体サイズに、力強く扱いやすい特性のエンジンを搭載。
小さい子どものオフロード入門用として、50cc→110cc→125ccと排気量のステップアップができるラインアップなのはもちろん、CRF125Fなどは大人でも気軽に楽しめるバイクです。
これら3モデルの2023年モデルでは、いずれも車体側面に配したグラフィックに、躍動感あふれる新デザインを採用。スペックなどには変更はありません。
価格(税込)は、CRF125Fが34万6500円、CRF110Fが27万5000円、CRF50Fが19万8000円。
こちらは、9月30日(金)までの受注期間限定で(受注状況により受注期間終了前に受付を中断、または終了する場合あり)、発売日は9月15日(木)の予定です。
(文:平塚 直樹)