バイクで人気の「原付二種」と「軽二輪」。免許や交通ルール、税金の違いを比較

■「原付二種」と「軽二輪」の違いは排気量だけじゃない

最近人気の「原付二種」と「軽二輪」。初心者からベテランライダーまで幅広い層に支持を受けていますし、街乗りからツーリングまで、さまざまな用途に使われています。

原付二種と軽二輪の免許や交通ルール、税金の違い
軽二輪も原付二種も街乗りでの扱いやすさも魅力(写真は軽二輪のホンダ・フォルツァ)

そんな原付二種と軽二輪ですが、たとえば運転できる免許や交通ルール、税金などには違いもあります。

そこで、ここでは、バイク初心者などに向けて、改めてどんな違いがあるのか紹介しましょう。

●排気量・運転免許・ナンバーの違い

軽二輪は普通自動二輪のカテゴリーに属し、エンジンの排気量が126cc〜250ccまでのバイクです。

運転するには、普通二輪免許(スクーターなどAT車の場合はAT限定普通二輪免許)以上が必要で、取得できる年齢満16歳以上です。

ちなみに、普通二輪免許では400ccまでのバイクを運転できますが、250ccまでなら車検は不用なのに対し、251cc〜400ccのバイクは車検が必要となります。

ナンバーは白地で、251ccの車検があるバイクではプレートの周囲に緑の縁があるのに対し、軽二輪のナンバーにはありません。

原付二種と軽二輪の免許や交通ルール、税金の違い
軽二輪のナンバープレート例(写真はBMW・CE04)

一方、原付二種は、原動機付自転車のカテゴリーに属し、エンジンの排気量が51cc〜125ccのバイク。

正式には「第二種原動機付自転車」と呼ばれ、50cc以下の「第一種原動機付自転車」と区別されています。

運転するには、小型限定普通二輪免許(スクーターなどAT車の場合はAT小型限定普通二輪免許)以上が必要。取得できる年齢は、こちらも満16歳以上です。

50cc以下のバイクが学科試験のみやクルマの普通免許と一緒に取得できる原動機付自転車免許で運転できるのとは違い、運転免許試験場で適性検査・学科試験・技能試験などに合格する必要があります(公安委員会認定の教習所を受講する場合は技能試験が免除)。

なお、原付二種も車検は不用。ナンバーは51cc〜90ccが黄色、91cc〜125ccがピンク色になります。

●交通ルールの違い

次に、公道を走る場合の交通ルールなどの違いについて。原付二種と軽二輪では、主に以下のような特徴があります。

・「2段階右折」:どちらも不用
・「2人乗り」:(一般道なら)どちらも可
・「一般道の法定速度」:どちらも60km/h
・「高速道路・自動車専用道路の走行」:原付二種は不可、軽二輪はOK

原付二種と軽二輪の免許や交通ルール、税金の違い
原付二種は高速道路や自動車専用道路は通行不可

50cc以下の原付バイクでは二車線以上ある道路などを右折する場合に2段階右折をする必要がありますが、同じ原付でも原付二種は不用。当然、軽二輪もする必要はありません。

一般道ではどちらも2人乗りができ、法定速度はいずれも60km/h。大きな違いは、高速道路や自動車専用道路で、軽二輪は走行できますが、原付二種は通行不可。

原付二種と軽二輪の免許や交通ルール、税金の違い
2人乗りは軽二輪、原付二種ともにOK

特に、原付二種のライダーが気をつけたいのが自動車専用道路。

高速道路は一般道とはっきり分離され、インターチェンジから出入りするため分かりやすいですが、自動車専用道路は一般道走行中に突然「自動車専用」の標識が現れるケースもあります。

ついうっかり入ってしまたところを警察に見つかり、違反キップを切られることもあるので注意しましょう。

●自賠責保険料や税金の違い

次は、税金や自賠責保険料など、お金関連について。まず、バイクを取得した場合に必要な自動車重量税については、

・「軽二輪」:届出時に4900円
・「原付二種」:不用

となります。

また、毎年支払う軽自動車税種別割については

・「軽二輪」3600円
・「原付二種」:51cc〜90ccが2000円、91cc〜125ccが2400円

となっています。

原付二種と軽二輪の免許や交通ルール、税金の違い
毎年支払う軽自動車税種別割は原付二種の方が安い

さらに、車検がなくても自賠責保険は加入が義務付けされており、保険料は1年間の一括払いの場合で

・「軽二輪」:7540円/1年
・「原付二種」:7070円/1年

です。

原付二種と軽二輪は、いずれも車検がなく税金も比較的安いため、維持費的にリーズナブルなことも魅力ですが、こうやって比較すると、原付二種の方がやや安いですね。

その分、軽二輪は高速道路や自動車専用道路も走行できるため、ツーリングなどで、ちょっとした遠出をする際には便利です。

ただし、原付二種バイクでも最近は一般道をノンビリと走って遠出するライダーも増えています。また、通勤や通学、買い物など、街乗りメインの普段使いであれば、軽二輪も楽ですが、より車体がコンパクトな原付二種の方が使いやすいともいえます。

原付二種と軽二輪の免許や交通ルール、税金の違い
カワサキ・ニンジャZX-25R SE

このように原付二種と軽二輪では、維持費や交通ルールの面で、同じ点と違う点があます。

車体価格でも、国内4メーカーの場合で、原付二種は30万円台〜40万円台が多い一方、軽二輪は30万円台〜90万円台まであり、意外と高価なモデルもあります。

ラインアップ的には、どちらもスクーターやネイキッドはありますが、スーパースポーツは軽二輪の方がモデルが充実。

ホンダ「CBR250RR」やヤマハ「YZF-R25」、カワサキ「ニンジャZX-25R」やスズキ「GSX250R ABS」など、各社が250ccモデルを揃えています。

原付二種と軽二輪の免許や交通ルール、税金の違い
ホンダ・クロスカブ110

一方、原付二種には「スーパーカブ110」や「クロスカブ110」「ダックス125」など、昭和レトロの雰囲気を持つモデルがあり、こちらも近年人気です。

そう考えると、原付二種と軽二輪のどちらを選ぶかは、予算や維持費などはもちろんですが、自分がどういった使い方をするのかや、どんなモデルに乗りたいかも重要ですね。

(文:平塚直樹

この記事の著者

平塚 直樹 近影

平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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