目次
■「技術の日産」を具現化して大ヒットした3代目ブルーバード
1967(昭和42)年8月14日、日産から3代目「ブルーバード」がデビューしました。トヨタの「トヨペットコロナ」とともに、日本の小型乗用車のパイオニアとして人気を博したブルーバードの中でも名車と称えられる3代目。特に1600SSS(スリーエス)は、日産とブルーバードを世界の舞台に押し上げた立役者です。
●小型乗用車のパイオニアとして人気を獲得した初代ブルーバード
日産から初代ブルーバード「ダットサン・ブルーバード」がデビューしたのは、1959年のこと。当時は、日本のモータリゼーションに火が付いた自動車黎明期、日本にもようやく自家用車のニーズが高まり、トヨタからは1957年に初代「トヨペットコロナ」が発売されていました。
初代ブルーバードは、親しみのある丸みを帯びたフォルムの4ドアセダンのみを設定。パワートレインは、4気筒OHCの1.0Lおよび1.2Lエンジンと3速MTの組み合わせ、駆動方式はFRでした。
初代のデビューは、大々的な発表会を行ったこともあり、1ヵ月で約8,000台を受注する大ヒットを記録。ライバルのコロナとは、市場を二分して熾烈な販売合戦、いわゆる「BC戦争」が繰り広げられましたが、初代ブルーバードはコロナを圧倒、連続64ヵ月間、小型乗用車のトップに君臨し、小型乗用車のパイオニアとして輝かしいデビューを飾ったのでした。
●ブルーバードの中でも特に人気が高い名車と呼ばれた3代目
好調な初代ブルーバードに続いて、1963年に2代目がデビューしましたが、1964年に登場したトヨタの3代目コロナに首位の座を譲ることに。そこで首位奪還のために登場したのが、3代目ブルーバードでした。
3代目ブルーバードは、プラットフォームやエンジンなどを一新。高性能時代にふさわしいスーパーソニックラインと呼ばれるシャープなフォルムに、新開発の1.3L&1.6L OHCエンジンを搭載し、当時としては先進の4輪独立サスペンションなどを採用した革新モデルでした。
特に、1.6L高性能エンジンを搭載した「ブルーバード1600SSS」は、その俊敏な走りによって多くのファンを魅了、今も伝説の名車として語り継がれています。1968年には、さらにスポーティなクーペも追加されて人気は爆発、2代目でコロナに奪われた小型乗用車の首位の座を再び奪回しました。
●ブルーバードSSSの名が世界に轟いたサファリラリー制覇
ブルーバード1600SSSは、一見ごく普通のセダンでありながら、優れた走りで国内外のモータースポーツ界を席巻。1966年に2代目「ブルーバード1300SS(スポーツ・セダン)」は、南アフリカのケニアで開催されたサファリラリーで、日本車初のクラス優勝を飾っていますが、3代目の「ブルーバード1600SSS(スーパー・スポーツ・セダン)」は、1970年についにサファリラリーの総合優勝を果たしました。
ブルーバードのサファリラリー制覇は、日産だけでなく、日本車の優秀さを世界にアピールする重要な役割を果たしたのです。
1960年代から1970年代にかけて、自動車メーカーは自社のクルマの性能と信頼性をアピールするため、世界ラリーに積極的に挑戦しました。当時は、ラリーやレースで勝つことがクルマのステータスを上げ、販売に直結したのです。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかも知れません。
(Mr.ソラン)