スズキMotoGPワークスのリンス選手がLCRホンダへ移籍。最高峰クラス日本人唯一のライダー中上選手の行き先は?

■実力派ライダーのリンス選手が加入

2輪の世界最高峰レース「MotoGP」にホンダのサテライトチームとして参戦する「LCRホンダ」は、7月19日、スズキのワークスライダーとして活躍するアレックス・リンス選手と2023年シーズンから2年契約を交わしたことを発表しました。

スズキMotoGPワークスのリンス選手がLCRホンダ移籍
アレックス・リンス選手とLCRホンダCEOルーチョ・チェッキネロ氏

リンス選手は、MotoGPクラスに昇格して以来、スズキのワークスライダーとして活躍してきましたが、スズキが2022年シーズン限りで撤退を表明。2023年以降のシートが決まっていませんでした。

LCRホンダには、日本人唯一のMotoGPライダー中上貴晶選手も所属し、今シーズンも参戦していますが、まだ契約更新については未発表。

果たして、2023年シーズンのLCRホンダは、中上選手とリンス選手でMotoGPを闘うことになるのでしょうか?

●グランプリ15勝、表彰台55回を獲得

リンス選手は、バルセロナ出身の26歳。世界選手権グランプリであるMotoGPでは、2012年に最高峰クラスの登竜門、250ccマシンで争う「Moto3」クラスにホンダのライダーとしてデビュー。その後、上位クラスの「Moto2」クラスに昇格、2017年にはスズキのワークスライダーとして最高峰のMotoGPへステップアップしました。

スズキMotoGPワークスのリンス選手がLCRホンダ移籍
リンス選手(右)は、ジョアン・ミル選手(左)とスズキワークスで長年活躍

2020年にはMotoGPクラスで年間ランキング3位を獲得。また、グランプリの全クラスで現在15勝(うちMotoGPクラス3勝)、表彰台には55回(うちMotoGPクラス15回)も上がっている実力者です。

そして、2022年シーズンも、スズキのワークスライダーとしてMotoGPで活躍しているリンス選手ですが、スズキが前述の通り、2022年限りで撤退を表明。そのため、2023年以降のシートが注目されていましたが、今回、ホンダのサテライトチームであるLCRホンダとの契約が決まったのです。

●リンス選手のパートナーはどのライダーに?

リンス選手は、今回の契約について以下のようなコメントをしています。

「LCRホンダと契約できて非常に嬉しく思います。チームとバイクを変えることは、容易ではありませんが、100%の力を出して、今までMotoGPで培ってきた実力を発揮しようと思います。

スズキMotoGPワークスのリンス選手がLCRホンダ移籍
アレックス・マルケス選手の走り

(LCRホンダの)チェッキネロCEOとホンダ、ならびにHRCの信頼があったからこそ、このチームと2023、2024年を戦おうと決心しました。このチャンスをいただけたことに感謝しています」

ちなみに、LCRホンダは、2022年シーズン、2名のライダーを擁してMotoGPに参戦しています。ひとりはホンダワークスチームに所属するマルク・マルケス選手の弟、アレックス・マルケス選手。そして、もうひとりが日本人ライダーの中上選手です。

スズキMotoGPワークスのリンス選手がLCRホンダ移籍
中上貴晶選手

そして、2023年シーズン、LCRホンダでリンス選手のパートナーとなるライダーはまだ発表されていないことが気がかりです。しかも、マルケス選手は他のチームへ移籍するという噂がでている一方、中上選手についても契約更新はまだ未発表です。

一説には、中上選手の代わりに、現在Moto2クラスでランキング2位と大活躍中の小椋藍選手が昇格するという噂もあり、その動向が注目されています。

(文:平塚 直樹

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平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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