■予選結果も出てランオーダー(決勝出走順)も決定
パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムが2022年大会で100回目の記念大会となります。
その決勝を前にレースウィークは6月21日(月)の公開車検からスタートし、3日間の練習走行(と予選)、そして任意の練習走行が1日あり、全エントラントが並ぶダウンタウンでのファンフェスタの後、決勝日を迎えることとなります。
パイクスピークとは、標高4301mのパイクスピークに上るための取り付け道路である観光登山道路パイクスピーク・ハイウェイを封鎖して行なわれるヒルクライムイベント。1916年の開催から今回ついに100回目を数える記念大会となります。スタート地点の標高も2862mと高く、そこから1439mの標高差を20kmのコースで走り抜けることとなります。
過去の最速タイムは2018年にフォルクスワーゲンが持ち込んだI.D.R(ドライバーはロマン・デュマ)の出した7分57秒148となっています。
走行については、決勝では1台ずつがスタートからゴールまでを1本走行するわけですが、練習走行は、その決勝の20kmのコースを3つに分け、さらにエントラントも3グループに分けてその各セクションを順繰りに走行するものです。
3ブロックの内の一番標高が低く、その距離も長いロアセクションでのベストタイムが予選タイムとなります。
6月21日(火)は「タイムアタック1」と「ポルシェ・パイクスピーク・トロフィ」。22日(水)は「アンリミテッド」と「エキシビジョン」、23日(木)が「オープンホイール」と「パイクスピーク・オープン」という各クラスが予選を行い、その結果が出ました。
今回最も速かったのは、昨年のこの大会の覇者(コースは山頂部分の悪天候のため短縮されています)であるロビン・シュート選手(#49 2018年式Wolf TSC-FS/Unlimited/3分24秒519)。2番手にコーディ・ワショルツ選手(#18 2013年式Ford Open/Open Wheel/3分47秒825)、そして3番手にリース・ミレン選手(#67 2016年式E-Motion Porsche GT3R TT/Pikes Peak Open/3分48秒079)と、いずれもパイクスピークのベテラン選手たちが顔を並べることとなりました。
今回参戦している日本人ドライバー2名の内、エキシビジョンクラスに参戦しているアメリカ在住の吉原大二郎選手はテスラモデル3(#89 2018年式 Tesla Model 3)を駆り4分12秒874という総合20番手のタイムでした。
「(今回も昨年に引き続いてモデル3で参戦ですが)パワーは変わらないのですが、今回はカラーリング、それとタイヤがヨコハマに替わったので、それが一番の変化です。あとフロントのエアロを換えているんでフロントのダウンフォースが掛かるようになっています。ラップタイム的には変わらないんですけど、運転するほうとしてはクルマ自体大きくよくなっている感じです。
(これまでの練習走行について)今年はすこぶる調子が良く、クルマも完璧で、僕の運転も、何のトラブルもなく、すべて順調にコトが進んでいていい感じです。かといって、これが本番に活かせるかどうかは、こればかりはパイクスピークなのでわかんないですけどね(笑)」ということでした。
また、日本から参戦しているチーム「SAMURAI SPEED」の「#234 2021年式日産リーフe+改」を走らせる大井貴之選手(アンリミテッドクラス/5分05秒511)は、総合64番手のタイムとなりました。
「パイクスピーク ヒルクライムは、出来れば一度は走ってみたい!と思っていたイベントでした。その記念すべき100回記念の年にドライバーとして参加できたというのは本当に幸せな出来事。チーム、そして、チームの活動を支援してくださっている皆様に感謝します。
このコースは去年、観光道路として営業しているタイミングで走った経験がありますが、制限速度無し!反対車線までコース幅を100%使って良いヒルクライム競技となると、その印象は大きく変わります。最高にチャレンジングで、最高に気持ち良いコースです。本番の日曜日は天気が崩れる予報が出ていますが、精一杯このチャレンジを楽しもうと思います」とコメントしています。
今回のランオーダーは「エキシビジョン」「ポルシェ・パイクスピーク・トロフィ」という二つのクラスの走行(こちらはタイムの遅い順)の後に、各クラス入り乱れ予選タイムの速い順での出走となります。そのため、吉原選手は「エキシビジョン」クラスのため11番目に出走。大井選手は67番目に出走となります。
100回記念大会のパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムの決勝は6月26日(日)午前7時半スタートの予定です。ただ、前夜から当日にかけて雨の予報があり、フルコースでの開催となるかは微妙です。
(文/写真:青山義明)