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■ひと目でカウンタックとわかる圧倒的な存在感を放つ外観デザインは不変
●スーパーカーブームの主役はランボルギーニ・カウンタック
1970年代前半に起こったスーパーカーブーム。50代前半の筆者にとっては、新幹線より速い乗り物が世界にはあるのだ!ということを幼心に刻みつけられました。
自分にとって、スーパーカーブームの中心的存在、“キングオブスーパーカー”といえば、ランボルギーニ・カウンタックでした。
●1971年のLP500から歴史が始まった
ランボルギーニ・カウンタックは1971年3月に開催されたジュネーブモーターショーで「LP500」がワールドプレミアされました。
社内コード「LP-112」と呼ばれたカウンタックLP500は、1974年から生産される量産モデルとは頃なる部分があります。
外観ではシザードアは採用していますが、エンジンを冷却するためのエアインテークはサメのエラのような形でした。また、フレームが鋼管組み立てでないこと。そして搭載する12気筒エンジンはワンオフでした。
●カウンタックLP400は150台のみ生産
そして、1974年にカウンタック初の市販モデルとして登場したのがLP400です。
5L V12気筒エンジンの開発が間に合わなかったため、ミウラに搭載されていた4L V12エンジンを搭載しています。ボディサイズは全長4,140mm×全幅1,890mm×全高1,070mmで約150台が生産されたそうです。
●LP400Sは当時最大のタイヤサイズ
1978年からLP400Sが販売されます。前後にオーバーフェンダーを装着し、装着するタイヤはフロントが205/50R15、リアは345/35R15というサイズ。リアタイヤは当時の市販車用で最も幅広のサイズだったと言われています。
装着するホイールサイズが大きくなったことで、ブレーキディスクも大型化し制動力もアップしました。また、オプションでV型のリアウイングが設定され、高い装着率を記録しています。LP400Sは237台生産されました
●LP500Sは4.8L V12で375ps
1982年のジュネーブモーターショーで最高出力375ps・最大トルク41.8kg-mを発生する4.8L V型12気筒エンジンを搭載したLP500Sがデビューします。
外観やタイヤサイズなどはLP400Sを踏襲していますが、フロントウィングがオプションで設定されているのが特徴です。リアエンブレムには5000Sと表記されています。
●5000クアトロバルボーレは5.2Lへ
1985年には搭載するV12エンジンの排気量を5.2Lに拡大すると同時に4バルブ化した5000クアトロバルボーレが登場します。ウェーバーのキャブをエンジンの側面から上部に移動したことで、エンジンフードが膨らんだデザインとなっています。
1988年からはオプション装備としてブレーキダクト付きのサイドスカートが設定されています。搭載されているV12エンジンはキャブレター仕様とインジェクション仕様があります。
●アニバーサリー仕様も続々
1988年9月のパリサロンで、ランボルギーニ創立25周年記念モデルとして、25thアニバーサリーが発表されました。
パワートレインなどはクアトロバルボーレを継承していますが、デザインを担当したパガーニによって全体的に丸みを加えて、オーバーフェンダーなどの突起部分が自然な形に馴染むように細部の形状を変更しています。
特にウィンドウ後方のエアダクトは横方向から縦方向に走るフィンストレーキに改良。これにより、ラジエターからの空気の流れが良くなり冷却性能が向上しました。
ボディデザインの変更により、装着するタイヤサイズはフロント225/50R15・リア345/35R15となっています。カウンタックのファイナルバージョンとして、最高速度295km/hを記録し、シリーズ最多の約650台が製造されました。
カウンタックの社内コードだった「LP-112」にちなんで、112台が製造されたカウンタック50周年記念モデルがLPI-800-4です。ボディサイズは全長4,870mm×全幅2,099mm×全高1,139mmとLP400と比べるとかなり大きくなっています。
搭載するパワートレインは、最高出力780ps・最大トルク720Nmを発生する6.5L V型12気筒自然吸気エンジンに最高出力34ps、最大トルク35Nmを発生する48Vのマイルドハイブリッドを装着しています。
カウンタックの後継車として、ディアブロ、ムルシエラゴ、アヴェンタドールがランボルギーニのフラッグシップモデルとして登場しましたが、やはりカウンタック直系のモデルは迫力や存在感が違います。
(文:萩原 文博/写真:アウトモビリ・ランボルギーニ、萩原 文博)