●コペン誕生20周年の記念日に20周年記念モデルが発表
遡ること20年前の2002年6月19日、軽2シーターオープンカーのダイハツコペンが登場しました。初代コペンは2012年まで約5万8000台が生産され、約2年のインターバルをおいて2014年6月19日に2代目となる現行型コペンが登場しました。
「Dフレーム」と呼ばれる骨格を採用。切れ目のないフロア構造によって剛性を向上させ、ドアを除くボディの外板パーツを樹脂化しました。
その結果「ドレスフォーメーション」というボンネットやフェンダー、バンパーなどの樹脂製パーツを自由に交換可能なカスタマイズができるようになっています。
2014年6月の「ローブ」を皮切りに、SUVテイストの「エクスプレイ」、丸目のヘッドライトを採用し、初代モデルのデザインを継承した「セロ」の3グレードを設定。
さらにそれぞれに、ビルシュタイン製ダンパーやレカロシートといった豪華なパーツを採用したSグレードを設定しています。
2019年10月にはボディに補強を加えて、走行性能を向上させたコペンGRスポーツを追加。ラインナップの強化と商品力の向上を図り、現在まで約3万5000台を販売しています。
現行型コペンが搭載しているエンジンは660ccの直列3気筒ターボとなり、組み合わされるトランスミッションは5速MTとCVTとなります。
コペンはこれまでアニバーサリーモデルは、初代モデルの時に2003年7月に1周年記念車、2004年に2周年記念車。そして、2012年4月に販売された10周年記念車があります。
2014年に登場した現行型コペンでは、発売5周年を記念した200台限定のコペンクーペのみでした。
そして2022年6月19日、コペン誕生20周年の記念日に9月発売予定の20周年記念モデルが発表されました。
6月20日より、全国一斉先行受注が始まる20周年記念車は1,000台限定販売。しかしボディカラーやトランスミッションなどによる縛りはなく、ユーザーが欲しい仕様を1,000台販売するというもの。
ベースとなるのは、初代を想起させる丸目のヘッドライトを採用したセロ。1台1台職人が手作りで創り上げるコペンの上質さを際立たせる特別装備として、2代目コペンでは初めて本革製のスポーツシートを採用しています。
コペン20周年記念車の特別装備は、インテリアでは、ヘッドレスト部分にコペンのロゴが型押しされたアイボリーの本革シートをはじめ、MOMO製本革巻きステアリング、自発光式3眼メーター、本革巻きシフトノブ。20周年エンブレム付きインパネガーニッシュ、運転席側シリアルナンバー付きのスカッフプレートといった専用パーツを装着しています。
外観では、ブラックエクステンション加飾されたヘッドランプをはじめ、メッキアウターハンドル、フロントダイハツマーク、リアには初代の書体ロゴ&20周年記念ロゴ。そしてコペン専用デザインの16インチBBSアルミホイールを装着します。
さらに、フロントブレースによるボディ補強。5速MT車にはフロントLSDが装着されます。発表会では価格は公表されませんでしたが、驚くような価格にはならないとのことです。
20周年記念車は、2014年の現行型コペン登場時に情報発信基地として開設された、コペンローカルベース鎌倉で開催されました。
オンラインとリアルでの発表会となり、会場には武田裕介ダイハツ工業株式会社取締役営業CS本部長と南出洋志ダイハツ工業株式会社くるま開発本部製品企画部部長が出席されました。
冒頭の挨拶で、武田裕介ダイハツ工業株式会社取締役営業CS本部長は「20年間コペンを愛してくれた多くのユーザーに感謝の言葉を述べ、その感謝を形にしたものが、この20周年特別仕様車です」と話してくれました。
質疑応答では、コペンは今後も販売継続するのかというメディの質問に「もちろん。そのために法規対応を進めています」という力強い言葉。強いコペン愛を感じました。
発表会が行われたコペンローカルベース鎌倉は6月26日に、その役割を終えて閉店となります。日程は未定ですが、大阪府池田市のダイハツ町1丁目1番地にあるダイハツ本社にその機能を移すそうです。
コペンの聖地となった鎌倉から、ダイハツの聖地である本社にコペンローカルベースが移転するとなれば、そこはまさにユーザーにとっては聖地巡礼したくなる場所になるでしょう。
最後に、南出洋志・ダイハツ工業株式会社くるま開発本部製品企画部部長に「これだけ多くのファンに愛されているコペン。メーカー主導によるレストアなどのプランを考えているか」を聞くと、「今後もオーナーの皆さんが安心してコペンに乗っていただけるように、そのようなプランも考えて行かないといけない」という前向きな言葉を頂きました。
様々な法規対応など険しい道はありますが、ダイハツの皆さんのコペン愛はオーナーたちにも負けていないので、きっと乗り越えてコペンの名前は残っていくでしょう。
(文、写真:萩原文博)