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■クロスオーバーモデルをベースに、エンジンガード付きで転倒ダメージも軽減
ホンダは「大型二輪免許」および「AT(オートマチック・トランスミッション)限定大型二輪免許」の教習車として、「NC750L(MT教習車仕様)」と「NC750L(AT教習車仕様)」を全国の自動車教習所を対象に発売することを発表しました。
745cc・2気筒エンジンを搭載するクロスオーバーモデル「NC750X」をベースに、2輪教習に適した特殊装備や特性変更などを施したモデルを2022年7月21日(木)からリリースします。
●オンとオフの要素を備えるクロスオーバーモデル
NC750Lは、ホンダが大型2輪教習向けに発売しているモデルです。
従来は、ネイキッドモデルの「NC750S」がベースでしたが、現在はラインアップから外れているため、今回新たに登場したモデルは、NC750Xがベースとなっています。
NC750Xは、ホンダがクロスオーバースタイルと呼ぶ大型ツアラー。前後17インチホイールなどを採用することで高いオンロード性能を持たせると共に、オフロードでの走破性にも優れるアドベンチャーモデル的なデザインも採用した仕様です。
2021年にフルモデルチェンジを受けたNC750Xは、745cc・2気筒エンジンをアップデート。
ピストン裏面の肉抜きなどで軽量化を施すとともに、新設計のエアクリーナーなども採用することで、吸気ダクト断面積を拡大させ吸気抵抗を低減させています。
また、スロットルボア径を拡大させるなどにより、パワーの向上と力強いエンジンフィールを実現。最高出力は58ps/6750rpm・最大トルクは7.0kgf-m/4750rpmを発揮します。
さらに各部の軽量化などで運動性能を高めた新設計フレームや、前後サスペンションセッティングの変更により、よりしなやかで快適な乗り心地も確保。
ラインアップには、6速MT仕様と、独自の自動変速機構「DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)」を採用したAT仕様を用意し、ライダーの幅広いニーズに対応しています。
●エンジンをより扱いやすい特性に変更
そのNC750Xをベースにしたのが、新型のNC750L。
外観では、フロントのウインドシールド周辺に教習生の運転状況を教習指導員へ視覚的に伝える表示ランプを装備。転倒時に体などのダメージを軽減させるエンジンガードやバンパー類も採用されています。
さらにエンジン特性も、教習車としての用途を考慮した変更を実施。教習時に頻繁に使用する極低速域での操作性や低中速域での扱いやすさを図り、最高出力を37ps/5500rpm・最大トルクは5.8kgf-m/3500rpmに設定しています。
ベース車のNC750Xと比べパワーこそダウンしていますが、より低い回転数で出力が出る特性とすることで、大型バイク初心者がさらに乗りやすい仕様となっているのです。
このように教習車らしく、見た目以上に様々な変更が施されている「NC750L」、カラーはパールグレアホワイトの1色で、価格(税込み)はMT教習車仕様が110万円、AT教習車仕様が121万円となっています。
(文:平塚 直樹)