GT-Rも復活。日産のR32型スカイラインがクルマ好きの心をわしづかみ【今日は何の日?5月22日】

■世界一高い東京スカイツリーの開業に観客殺到

2012(平成24)年5月22日、高さ634mの世界一高い電波塔「東京スカイツリー」が開業しました。展望台に昇れたのは同日正午からでしたが、その入場チケットは実に335倍の倍率でした。さらに開業から2ヶ月先までのチケットは完全予約の抽選で、初日は運のよい約9000人が訪れ、同時に開業した東京ソラマチには約22万人が殺到するなど、大変な賑わいでした。

さて、5月22日には、スピードスケートの高木美帆、女優の田中麗奈、青色LED発明の中村修二、テニスのノバク・ジョコビッチ、モデルのナオミ・キャンベル、俳優のローレンス・オリビエ、作曲家のリヒャルト・ワーグナーなどが生まれています。本日紹介するのは、中村修二です。

●青色発光ダイオード(LED)でノーベル物理学賞を受賞した中村修二が誕生

中村修二 (C)Creative Commons
中村修二 (C)Creative Commons

中村修二は1954(昭和29)年5月22日、愛媛県西宇和郡伊方町で生まれました。中・高校時代から数学と物理が好きで、1972年に徳島大学電子工学科に進学。大学院終了後の1979年に、蛍光製品製造業の日亜化学工業に入社します。

1988年に窒化ガリウムの結晶を大量生産する方法を開発し、1993年に窒化ガリウム結晶を用いた高輝度青色LEDの実用化に世界で初めて成功します。1997年にブルーレイディスクに用いられる紫色半導体レーザーを開発した後、1999年に日亜化学を退社。2000年に、カルフォルニア大学サンタバーバラ校の材料物性工学科の教授に着任します。渡米直後から、日亜化学から営業秘密漏洩で提訴され、逆に中村も特許譲渡および特許対価の増額を求めて訴えるなど、「青色LED訴訟」と呼ばれた裁判が繰り広げられました。結局、日亜化学が約8億4000万円を中村に支払うことで和解が成立しましたが、会社の一技術者の特許報酬に関して世間の大きな関心が集まりました。

青色LED発見から20年経った2014年、中村修二は赤崎勇、天野浩とともにノーベル物理学賞を受賞しました。

さて、クルマ界の今日は何があったのでしょうか?

●日産から8代目スカイラインが登場

1989(平成元)年5月22日、モデルチェンジによって8代目の日産スカイライン(R32型)」が登場しました。1957年にデビューした初代スカイラインですが、3代目の「ハコスカ」、4代目の「ケンメリ」と爆発的な人気を獲得し、その後もモデルチェンジを続けて、長く憧れのスポーツセダンとして君臨していました。

1989年に登場した8代目スカイライン
1989年に登場した8代目スカイライン
8代目スカイラインのリアビュー。伝統の4灯丸目リアランプは継承
8代目スカイラインのリアビュー。伝統の4灯丸目リアランプは継承

そして登場した8代目スカイラインは、走りを重視して先代よりもスリム化されました。4ドアセダンと2ドアクーペのやや丸みを帯びたフォルムで、先代に対して全長と全高を縮小。パワートレインは1.8L直4SOHC、2.0L直6SOHC、同DOHC、同DOHCターボエンジンの4種エンジンと、5速MTおよび4ATの組み合わせ。駆動方式はFRでした。ボディのスリム化・軽量化に加えて、サスペンションを4輪マルチリンクに変更することによって、8代目は一段と優れた走りを実現しました。

1989年に16年ぶりに復活した高性能GT-R
1989年に16年ぶりに復活した高性能GT-R

さらに同年8月には、16年ぶりに4WDの高性能「GT-R」が復活。最高出力280PS/最大トルク36kgmを発揮する2.6L直6DOHCツインターボを搭載し、日本国内のみならず海外のレースでも大活躍しました。

いっぽう、もともとのスリム化という狙いが裏目に出て、後席の車室空間が狭くなったことによってファミリーユースが減り、販売台数は意外に伸びませんでした。ユーザーは贅沢なので、走りと居住空間のバランスを取るのは、なかなか難しいですね。

毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかも知れません。

Mr.ソラン

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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