ヤマハ発動機を生み出す楽器のヤマハ創業者、山葉寅楠(やまは とらくす)生誕【今日は何の日?5月20日】

■元祖EV「デトロイト号」が92年ぶりに復活

5月20日は、「電気自動車の日」に制定されています。ジーエス・ユアサの前身である日本電池の創業者のひとり島津源蔵が、1917年に米国の電気自動車「デトロイト号」を輸入、これを2009年のこの日に、ジーエス・ユアサ自身が92年ぶりに復活させたことにちなみます。電気自動車は先進的な自動車のようですが、実はガソリン車より古く、1830年代には英国で作られていました。

5月20日にはサッカーの三苫薫、俳優の永井大、タレントの光浦靖子、ミュージシャンの河村隆一、野球の王貞治、ヤマハ創業者の山葉寅楠、レッドブル創業者のディートリヒ・マテシッツ、ヒューレット・パッカード創業者のウィリアム・ヒューレットなどが生まれています。本日紹介するのは、ディートリヒ・マテシッツと山葉寅楠です。

●F1のレッドブル・レーシングを設立したディートリッヒ・マテシッソが誕生

ディートリッヒ・マテシッツは1944(昭和19)年5月20日、オーストリアのシュタイアーマルク州サンクト・マレイン・イム・ムルスタイルで両親が教師の家庭に生まれました。1972年にウェルタンデル大学(現ウィーン経済ビジネス大学)を卒業。マーケティングの学位を取得後、ブレンダックスに入社して歯磨き粉に関わるマーケティング業務に従事します。

ディートリッヒ・マテシッソ自画像(C)Creative Commons
ディートリッヒ・マテシッソ自画像(C)Creative Commons
ホンダ製PU搭載 RB15 (C)Creative Commons
ホンダ製PU搭載 RB15 (C)Creative Commons

タイに出張した際に、タイ人チャリアオの会社が開発したエナジードリンクに注目し、それを販売するレッドブル社をチャリアオとともに設立。そのエナジードリンクを「レッドブル」と名付け、独創的なCMや広告活動で世界的なブランドになるまで育て上げ、レッドブルはオーストリアを代表する会社に成長します。

2021年ドライバーズチャンピオンに輝いたフェルスタッペン
2021年ドライバーズチャンピオンに輝いたフェルスタッペン

その後、モータースポーツが好きなマテシッツは、ザウバーやジャガーレーシングチームなどの買収を経て、2005年に「レッドブル・レーシング」を立ち上げF1に参戦。その後も買収を続けながら、有力ドライバーを獲得して短期にチーム戦力を上げ、F1の有力な新興チームへと成長します。2010年から2013年にかけては、ドライバーズとコンストラクター両部門4連覇を達成し、2019年からはホンダのエンジンを搭載。2021年には、「レッドブル・レーシング・ホンダ」が、ホンダにとって30年ぶりの総合優勝をもたらしました。

●オルガンの製造によって日本楽器製造(ヤマハの前身)を設立した山葉寅楠が誕生

山葉寅楠(C)Creative Commons
山葉寅楠(C)Creative Commons

山葉寅楠(やまは とらくす)は1851年5月20日、紀州藩の下級武士の三男として生まれました。父親が天文係であったこともあり、幼少のころから機械いじりに没頭。20歳の時、長崎で英国人のもと時計の修理を学び、1884年に静岡県浜松で医療器械を中心とした機械全般の修理業を始めます。またオルガンに興味を持ち、1888年に日本最初の本格的オルガンの製造に成功。1889年に「山葉風琴製作所」を設立し、1897年には、「日本楽器製造」に改組して社長に就任します。その後、ピアノの製造にも成功して様々な楽器やオーディオ機器の製造にも取り組み、楽器メーカーとしての地位を確立しました。

ヤハマ初の2輪車「YA-1」(通称、アカトンボ)
ヤマハ初の2輪車「YA-1」(通称、アカトンボ)

山葉寅楠は1916年にこの世を去りますが、戦後の1953(昭和28)年、4代目社長の川上源一社長が2輪車事業への参入を決断。1955年、日本楽器製造から分離独立する形で「ヤマハ発動機」を設立しました。バイクとは一見関係ない楽器製造から分離独立したヤマハ発動機ですが、音楽は文化であり、趣味としての2輪も定着したものです。ヤマハは2輪車でも世界トップクラスのメーカーに成長、トヨタに高性能エンジンを供給していることでも有名ですね。

毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかも知れません。

Mr.ソラン

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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