洗車の日/フェルッチオ・ランボルギーニ生まれる/日産の前身を作った橋本増治郎誕生【今日は何の日?4月28日】

■“良(4)いツ(2)ヤ(8)”の語呂合わせで「洗車の日」

4月28日の「洗車の日」は、クルマに触れる機会を増やし、クルマに愛着を持ってもらうことが目的で、自動車用品小売業協会によって制定されました。クルマがきれいだと気分がいいのは確かですが、筆者のようにほとんど洗車をしない人と、毎週のように洗車をする人に2極化しているようですね。

4月28日には、女優の江口のりこ、タレントのひょっこりはん、漫画家の篠原とおる、快進社を創業した橋本増治郎、ランボルギーニの創業者フェルッチオ・ランボルギーニ、大戦下にユダヤ人を救ったオスカー・シンドラーなどが生まれています。本日紹介するのは、橋本増治郎とフェルッチオ・ランボルギーニです。

●ランボルギーニ社を設立したフェルッチオ・ランボルギーニが誕生

フェルッチオ・ランボルギーニ(C)Creative Commons
フェルッチオ・ランボルギーニ(C)Creative Commons

フェルッチオ・ランボルギーニは1916(大正5)年4月28日、イタリア・ボローニャのレナッツオの裕福な農家に生まれました。小さい頃から機械いじりが好きで工科大学に進み、卒業後の一時期は整備兵として徴兵されます。兵役を終えると、軍放出のトラックを改造したトラクターの販売を始め、1949年にトラクター製造会社ランボルギーニ・トラットリーチ社を設立、実業家として成功を収めます。

ランボルギーニ・カウンタック
ランボルギーニ・カウンタック

1960年にボイラーと空調機の会社を設立。その3年後の1963年にアウトモビーリ・ランボルギーニ社を設立して、自動車の製造・販売をスタートさせます。日本でもスーパーカーブームを巻き起こした名車ミウラ(1966年)やカウンタック(1971年)によって、ランボルギーニの名は世界中に轟きます。順調に会社は成長しましたが、ボリビアのクーデターにからむトラクターの大量キャンセルによって会社は経営危機に。1974年にはオイルショックで大きな打撃を受け、フェルッチオはやむなく会社を売却して、自動車業界から引退しました。

その後、ランボルギーニ社は経営者が数回代わりますが、現在はアウディの傘下に収まっています。

●日産の前身である快進社を設立した橋本増治郎生まれる

橋本増治郎は1875(明治8)年4月28日、愛知県岡崎市で生まれました。東京工業学校(現、東京工業大学)を卒業後、農商務省海外実業練習生となり、1902年に渡米。蒸気機関製造工場のマッキントッシュ社で働いていましたが、日露戦争勃発によって帰国して東京砲兵工廠技術将校となります。

橋本増治郎(C)Creative Commons
橋本増治郎(C)Creative Commons
快進社自動車工場(1914年頃) (C)Creative Commons
快進社自動車工場(1914年頃) (C)Creative Commons

終戦後、九州炭鉱汽船崎戸炭鉱所長を経て、1911年、36歳の時に東京で快進社自動車工業を創業。快進社は、当初輸入車の組立・販売・修理を行っていましたが、橋本は自動車の研究に没頭し、1914年に乗用車の第1号「ダット」を完成させます。ダットは2気筒10馬力のエンジンを搭載し、車速32km/hで走行することが可能でした。その後、ダット41型乗用車の製造・販売を始め、ダット自動車商会を設立しますが、まだ自動車が一般的でない時代だったので、厳しい経営状況が続きました。ちなみにダットとは、橋本を支援した田健治郎、青山禄郎、竹内明太郎という3人の頭文字「D」「A」「T」をつなげたものです。

日産コンツェルンの創始者・鮎川義介(C)Creative Commons
日産コンツェルンの創始者・鮎川義介(C)Creative Commons

その後、1926年にダット自動車商会は大阪のダット自動車製造と合併、橋本は専務に就任しますが、1931年に同社が鮎川義介の戸畑鋳物の傘下に入った時点で、自動車業界を引退します。戸畑鋳物が新たに自動車製造株式会社を設立して、その名称を1939年に変更する形で誕生したのが、日産自動車でした。

毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかも知れません。

Mr.ソラン

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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