ヤマハ「YZF-R25」にクイックシフターをオプション設定した2022年モデル。伝説の「白赤ストロボ」限定車も登場

■300ccの「YZF-R3」にもWGP60周年記念車を設定

ヤマハ発動機(以下、ヤマハ)は、250ccクラスのスーパースポーツ「YZF-R25 ABS」(以下、YZF-R25)をマイナーチェンジし、新排気ガス規制に対応したエンジンの搭載や、新色を採用した2022年モデルを発表しました!

ヤマハのYZF-R25に2022年モデルとWGP60周年記念車
YZF-R25 ABS WGP 60thアニバーサリー

また、YZF-R25および兄弟車の320ccモデル「YZF-R3 ABS(以下、YZF-R3)」には、WGP(ロードレース世界選手権)参戦60周年記念カラーを施した「YZF-R25 ABS WGP 60thアニバーサリー」および「YZF-R3 ABS WGP 60thアニバーサリー」を設定し、それぞれ240台限定で発売することも明かにしました。

●毎日乗れるスーパーバイク

YZF-R25は「毎日乗れるスーパーバイク」をコンセプトに開発され、高次元な走行性能とスタイリング、さらに日常での扱いやすさも兼ね備えた250ccのスポーツモデルです。

エンジンには、最高出力35psを発揮する249cc・直列2気筒を搭載。レスポンスの良さと低燃費を両立する最適マッピングのフューエルインジェクション、軽量かつ高温強度に優れるアルミ鍛造ピストン、オールアルミ製DiASilオフセットシリンダーなど、最新テクノロジーを惜しみなく投入。

ヤマハのYZF-R25に2022年モデルとWGP60周年記念車
YZF-R25 ABSのオレンジ

低・中回転域の扱いやすさと高回転域の高揚感を高次元でバランスさせることで、市街地からワインディングまで、軽快な走りが楽しめます。

また、フロントカウルのM字ダクトや肉抜き加工されたハンドルクラウンなど、ヤマハの1000ccスーパースポーツ「YZF-R1」を彷彿とさせるスタイリングや装備も採用。

2輪最高峰レース「MotoGP」などから技術をフィードバックしたYZF-R1と同様に、高揚感あるフォルムも魅力です。

ヤマハのYZF-R25に2022年モデルとWGP60周年記念車
YZF-R25 ABSのブラック

ちなみに、兄弟車には同様の車体に最高出力42psを発揮する320cc・直列2気筒エンジンを搭載したYZF-R3も設定。YZF-R25が持つ扱いやすさはそのままに、高速域でのゆとりあるパワーを実現します。

●YZF-R25にはカジュアルなオレンジなど3色を設定

そんなYZF-R25とYZF-R3ですが、今回はYZF-R25にマイナーチェンジを施した2022年モデルが登場しました。

ヤマハのYZF-R25に2022年モデルとWGP60周年記念車
YZF-R25 ABSのブルー

主な変更点は、まず、エンジン。パワーなど性能はそのまま維持しながらも、平成32年排出ガス規制に適合させています。

また、LEDフラッシャーランプを前後に採用。さらに、クラッチ操作なしでシフトアップが可能なクイックシフターを、YZF-R25として初めてオプション設定しています。

なお、今回の仕様変更に合わせ、車体色も変更。高いパフォーマンスを感じさせる「ブルー」、ダークトーンでモダンな「ブラック」、スポーティかつカジュアルな「オレンジ」の3色を設定します。

ヤマハのYZF-R25に2022年モデルとWGP60周年記念車
YZF-R25 ABSのオレンジ(サイドビュー)

なお、価格(税込み)は66万8800円。2022年5月25日に発売される予定です。

●キングケニーのマシンがモチーフ

そして、YZF-R25とYZF-R3の両方に設定された限定車、WGP 60thアニバーサリー。これは、各モデルをベースに、2輪最高峰レースMotoGPの前身、WGP(ロードレース世界選手権)にヤマハが参戦して60周年を記念したカラーを採用した仕様です。

1961年のフランスGPからWGPに参戦したヤマハは、今まで数々の栄冠に輝いており、2021年シーズンのMotoGPでも、ワークスマシン「YZR-M1」を駆るファビオ・クアルタラロ選手が年間チャンピオンを獲得。ヤマハにとって2015年以来、18回目のタイトルをもたらしたことは、記憶に新しいところですね。

ヤマハのYZF-R25に2022年モデルとWGP60周年記念車
YZF-R3 ABS WGP 60thアニバーサリー

今回の60周年記念車は、そんなヤマハの栄えあるワークスマシンたちのうち、1980年に活躍したワークスレーサー「YZR500」をモチーフとしたカラーを採用したものです。

白いボディに赤のストロボライン、ファンには「白赤ストロボ」の愛称で親しまれているこの車体色は、ヤマハが昔からレーシングマシンに採用してきた伝統のカラーリングです。

ちなみに、1980年のYZR500といえば、伝説のアメリカ人レーサーで、「キングケニー」の愛称で知られるケニー・ロバーツ選手が、WGPで1978年から3年連続で年間チャンピオンを獲得した時のマシンです。

元々、YZF-R25とYZF-R3は、10代や20代の若いライダーを中心に人気があるモデルですが、このカラーであれば、当時を知るベテランライダーもきっと大注目すること間違いなしですね。

ヤマハのYZF-R25に2022年モデルとWGP60周年記念車
YZF-R25 ABS WGP 60thアニバーサリー(サイドビュー)

なお、WGP 60thアニバーサリーでは、ほかにもWGP参戦60周年記念エンブレム、ゴールドカラーのホイール、ブラック仕上げのブレーキレバー・クラッチレバー、イエローのリアサスペンションスプリングも装備。より特別感を演出しています。

WGP 60thアニバーサリーの価格(税込み)と発売日は、YZF-R25が69万800円で2022年7月12日の発売予定、YZF-R3が72万3800円で、2022年6月15日の発売予定です。

(文:平塚直樹

この記事の著者

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平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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