■美麗なアーバンSUV
マツダ「CX-5」は都会的で、アウトドアイメージのないクルマ。ボクは現行型のデビュー以来ずっとそう思っていた。
でも、それはボクが勝手に感じていたというよりも、マツダ自身が戦略的にそういうイメージを作り上げてきたからではないだろうか。
クルマ自体の雰囲気はもちろん、カタログに使われている写真も、テレビで流れるコマーシャルも徹底的に土の匂いを排除し、アーバンな絵作りをしていることからもよくわかる。
CX-5はSUVだけど、アクティブというよりはエレガント。それが世間一般のCX-5のイメージであり、マツダの戦略はしっかりと世の中に浸透したと思う。
いずれにせよ、CX-5のデザインの美しさは、数あるSUVのなかでもトップクラスだ。
でも、それだけならボクはCX-5を選ばなかったと思う。
なのに、どうしてCX-5を選んだか。それは、マイナーチェンジで追加された新グレード「フィールドジャーニー」を見た瞬間に「これだ!」と思ったから。
●いい具合のフィールドジャーニー
「フィールドジャーニー」の特徴はとにもかくにも、これまでのCX-5のイメージを打破するアクティブな雰囲気だ。車体下部にアクセントとしてアンダーガード風のアクセントが入り、普通のCX-5よりもちょっとだけ武骨。この“ちょっとだけ”というのがいい塩梅で、CX-5のスタイリッシュさを失わずにアウトドアテイストを感じることができる。
「大人っぽい存在感のクルマだね。私は派手なデザインが好きだけど、こういうエレガントな雰囲気も悪くないかな」
「フィールドジャーニー」はアウトドアレジャーが大好きな彼女にもマッチングのいい仕様だと思う。
フロントグリルとインテリアに添えた、ライムグリーンのアクセントも、アウトドアウェアのようにいい感じにカジュアルで楽しくなってくる。
それにしても、アウトドアの雰囲気を嫌っていたとすら思えるマツダが、どうして「フィールドジャーニー」のようなグレードを追加するような方向転換をしたのだろう。そこが気になる今日この頃だ。