■驚きのインテリア
ずいぶんと立派になったもんだな。
愛車となった最新の「ゴルフ」をみて、つくづくそう思う。
古い話をしても仕方がないけれど、「ビートル」の後継モデルとして、1974年に発売された初代ゴルフの車体はコンパクトで、全長はわずか3.7m×全長1.6mしかなかった。軽自動車よりひとまわり大きいくらいでしかない。
いっぽうでゴルフの現行モデルは、全長4.3m×全幅1.8m。今どきのクルマとしては大きくはないけれど、初代に比べるとずいぶん大きい。
だけど、もし初代ゴルフが発売された時代を過ごしている半世紀も前の人が最新のゴルフを見たら、車体のサイズ以上に驚くのはインテリアではないかと思う。
メーターは指針が1本もない10インチのフル液晶式で、センターにも10インチのタッチディスプレイが組み込まれている。エアコンやヘッドライトのオン/オフさえ物理スイッチがなくすべてタッチ操作なのだから新しい。
半世紀前どころか10年前だって、ゴルフのインテリアがこうなるとはまったく想像していなかったに違いない。
●「私は気にならない」
「最近のクルマってこうなんだね。iPadが置いてあるみたい!」
そんな彼女の印象は、おそらく世間一般の捉え方と大きく違わないだろう。スマホやタブレット端末に慣れ親しんだ世代にとっては、違和感なく馴染めるのかもしれない。彼女も、さっそくセンターディスプレイを操作している。
いっぽうで、アナログで育った世代としてはデジタルな操作系には戸惑う部分もなくはない。今まで通りにスッと操作できないとか、タッチスイッチは操作中に使いにくいとか、「う~ん」と思うことはゼロではないのだ。
でも、ボクは思う。
クルマだって時代に合わせて変化するし、ドライバーだってそれに適応しないといけないんじゃないだろうか。
「昔はよかった」なんていうのは単なる懐古主義でしかない。時代は着実に変化しているのだ。
「私は気にならないな」
そんな彼女がちょっとうらやましい。今はクルマを運転しない彼女だけれど、もしかしたら将来は運転するかもしれない。
でも彼女はきっと、新型ゴルフのようなデジタルコクピットを素直に受け入れることだろう。なぜなら、アナログなコクピットを知らないのだから。