■新型フェアレディZを抑えていきなりの優勝!
トヨタ自動車が日本時間4月1日、米カリフォルニア州ロングビーチでワールドプレミアした新型「GRカローラ」が当初の予想より早い段階で公開され、早速モータースポーツファンの注目を集めています。
翌日にはロングビーチでフォーミュラドリフト開幕戦への出場を控えていたことから、ドリフトファンへのアピール効果を狙ったものと思われ、開幕戦ではRYAN TUERCK選手が駆る競技仕様の「GRカローラ」が早くも初優勝を果たしました。
ちなみにフォーミュラドリフト(Formula Drift)は、市販車をベースにした改造車によりドリフト走行を競うモータースポーツで、通称「フォーミュラD」と呼ばれています。
ドリフトの美しさやライン取りの正確さ、角度、スピード、走りのインパクトや切り返しのスムースさなどについて評価。1台ずつ走行する”単走”と2台が同時に走行する”追走”の双方で得点を争います。
今回出場したGRカローラはエンジンが300hp→1,000hpまで増強されており、同じく1,200hpに増強された新型フェアレディZを抑えて優勝。
タイヤから濛々と白煙を吹き上げながら自在にドリフトする様子からは、同車のコントロール性の良さが窺えます。
そんな競技車のベースとなった新型GRカローラは、大方の予想どおり、GRヤリス風の大型ラジエターグリルを備え、ワイドフェンダーや別体式のリヤオーバーフェンダーを装備。
前後トレッドが拡幅されており、軽量化に寄与するカーボンファイバー製ルーフの採用や、大型リヤスポイラー、ベンチレーション追加、3本出しマフラー装備と相まって、迫力ある外観が特徴となっています。
パワートレーンについては、GRヤリス用の1.6L直3ターボエンジン(G16E-GTS)をベースに、排気効率向上やピストン等のエンジンパーツ強化により出力アップ(304ps/37.7kgm)を図っており、6速MT(iMT)とスポーツ4WDシステム(GR-FOUR)を組み合せています。
また駆動配分を制御する4WDモードと、アクセル応答性やステアリングなどを制御するドライブモードを分け、ドライバーの好みや走行環境に応じた選択を可能にするとともに、ブッシュのピロボール化、スプリング、アブソーバー、アライメントの最適化により、GR-FOURの駆動力を余すことなく路面に伝達。
●「GRカローラ」からマイチェン仕様が見えた!
一方、代わり映えに効果的なランプ類の意匠は、新たにヘッドランプ内に装備したコの字型DRL以外は現行モデルと大差無いように見えます。
今秋10月にカローラシリーズの“ビッグマイナーチェンジ”が噂されていたこともあり、GRカローラはマイチェン後の大幅に刷新された意匠を纏ってデビューするものと予想されていました。
それだけに、やや拍子抜け感が拭えませんが、よく見ると、ランプの外形には変化が無いものの、電球類が撤廃され、全てLED式に置き換わっているようです。
カローラは仕向け別にフロントマスクの意匠が差別化されており、ランプ類の外形まで変えると、世界レベルで変更が伴い大掛かりになるため、マイチェン仕様についても今回のGRカローラのように、内部構成の変更に留められている可能性がありそうです。
これは現行カローラのユーザーにとって、嬉しい内容と言えるかもしれません。
インテリアにおいてもインパネ造形には変更が無いものの、メーターパネルのフル液晶化が図られており、マイチェン時に反映されるものと予想。またPKB(パーキングブレーキ)についてはドリフト走行など、スポーツ走行での使用を想定して電動タイプからハンドブレーキ式に変更されています。
今回発表された米国仕様のGRカローラには標準モデルと、より装備を充実させたサーキットエディションの2グレードが設定されていますが、年内発売予定の国内仕様の場合、どのような設定になるのかが、引き続き注目されます。
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