ジャガーが最新のバッテリーEVのバーチャル・レーシングカー「Vision Gran Turismo Roadster」を発表

■「Vision Gran Turismo Roadster」の発表を記念し、デザイナー特別仕様リバリーを製作

2022年3月4日にリリースされた「グランツーリスモ7」の発売に合わせて、ジャガーはバッテリーEVの新型バーチャル・レーシングカー「Vision Gran Turismo Roadster(ビジョン・グランツーリスモ・ロードスター)」を発表しました。

ジャガー Vision Gran Turismo Roadster
3台が揃ったジャガーのバーチャルレーシングカー

2019年に初めて発表された「Vision Gran Turismo Coupé(ビジョン・グランツーリスモ・クーペ)」、2020年登場の究極の耐久レーシングカーである「Vision Gran Turismo SV(ビジョン・グランツーリスモ・エスブイ)」に続く第3弾です。

ジャガー Vision Gran Turismo Roadster
ジャガー「Vision Gran Turismo Roadster」

「Vision GT」シリーズ3部作が勢ぞろいしたことを記念し、ジャガーのデザインチームは、新しいビスポークのリバリーを開発しています。ブラックとグレーの特別なペイントと繊細なグラフィックが施され、ドラマチックで美しいデザインが強調されています。

今回の「Vision Gran Turismo Roadster」は、数々のレースで実証されてきた「Vision Gran Turismo Coupé」のパワートレインと、ジャガーを象徴するモデル「D-TYPE」にインスピレーションを得たというシングルシーターのバッテリーEV。

ジャガー ジャガー Vision Gran Turismo Roadster
ジャガー「Vision Gran Turismo Roadster」のサイドビュー

「Vision Gran Turismo Roadster」は、3つのモーターが搭載され、最高出力750kW/1020PS、最大トルク1200Nmを発揮します。0-60mph(0-60マイル)加速はわずか2秒未満。最高速度は200mphを超え、卓越した乗り心地とハンドリング、俊敏性を備えているそう。

エクステリアは、初代、2代目の「Vision GT」レーシングカーの流れるようなサーフェイス、流麗なライン、完璧なプロポーションを受け継ぎつつ、展開式キャノピーからスウェプトバックのエアロスクリーンに変わっています。

また、「ル・マン」で3度の優勝を飾った「D-TYPE」の代名詞ともいえる後方のテールフィンが現代風にアレンジされています。最新の数値流体力学解析ツールを駆使して空力的に最適化され、加速により瞬時に展開されて空気抵抗を最小限に抑え、安定性を向上しています。

●前後重量配分50:50に近い理想的なレーシングカー

カーボンファイバー複合材と先進のアルミニウム合金が組み合わされた、軽量、高剛性のモノコックボディに、最先端のリチウムイオンバッテリーを可能な限り低い位置に配置されています。これにより、卓越したドライビングダイナミクスに欠かせない低重心と低ロールセンター、50:50に近い重量配分を実現しているそう。

ジャガージャガー Vision Gran Turismo Roadster
ジャガー「Vision Gran Turismo Roadster」の走行シーン

このテールフィンは、「Vision Gran Turismo Roadster」の随所に見られる美しいディテールのひとつで、ジャガーのモノグラム・パターンで構成されたユニオンジャックをフィンそのものにエッチング加工されています。

ジャガー Vision Gran Turismo Coupé
「Vision Gran Turismo Coupé」のイメージ

デザインテーマは、フロントフェンダーに配されたハンドクラフトのレザーストラップ、象徴的なフロントグリルの丸型ライトにも共通するものです。

軽量設計のインテリアは、ラグジュアリーな素材と仕上げ、精巧なディテールが組み合わされています。オープンコクピットならではの全方位に広がる視界、優雅に流れるような長いボンネットを眺めながら、プレイヤーはゲームに没頭することが可能だそう。

ジャガー Vision Gran Turismo Roadster
どことなくクラシカルな雰囲気も漂う「Vision Gran Turismo Roadster」

また、バッテリーからの電力は、ジャガー・レーシングのフォーミュラEの経験を活かして開発された軽量、パワフルかつコンパクトな3つのモーターから供給されます。フロントアクスルに1つ、リヤアクスルに2つのモーターが搭載され、システムトータル最高出力は750kW/1020PS、最大トルクは1200Nmに達します。

2022年3月4日発売の「PS4」および「PS5」用ゲームソフト「グランツーリスモ7」では、ポリフォニー・デジタルが開発した新機能により、レース体験がさらに進化しています。

ポリフォニー・デジタルの代表取締役社長・山内一典氏は、「グランツーリスモ7に登場するジャガーのVision GTシリーズ3部作の完結となるVision Gran Turismo Roadsterを発表できたことを嬉しく思います。ジャガーのデザイン・チームと一緒に仕事ができたことは素晴らしい経験でした。今回の新作で多くの方にバーチャルのハンドルを握っていただけることを楽しみにしています。3台ともグランツーリスモ7がお届けするエキサイティングで新しいユーザー体験に完璧に応えてくれるマシンです」と期待を寄せています。

ジャガー Vision Gran Turismo SV
2020年登場の究極の耐久レーシングカーである「Vision Gran Turismo SV」

なお、新しく発表された「Vision Gran Turismo Roadster」に加えて、「Vision Gran Turismo SV」も初めてプレイできるようになっています。

2020年12月に発表され「グランツーリスモ7」で登場予定だった「Vision Gran Turismo SV」は、究極のパフォーマンス、トラクション、高速安定性を実現すべくジャガーがデザイン。ジャガーSVチームがエンジニアリングを担当したバーチャル電動耐久レーシングカーとなっています。

ジャガー・レーシングが開発した最高出力1400kW/1903PSを発揮するモーターが4つ搭載され、0-60mph(0-100マイル)加速はわずか1.65秒、最高速度255mphという驚異的なパフォーマンスを誇っています。

「Vision Gran Turismo Roadster」「Vision Gran Turismo Coupé」「Vision Gran Turismo SV」は「グランツーリスモ7」でプレイできますので、気になる方は要チェックです。

塚田 勝弘

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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