■情熱を象徴するブルーの炎、カーボンニュートラル燃料を象徴するグリーンの炎がモチーフ
トヨタ、マツダ、SUBARUは、カーボンニュートラル燃料でレースに挑み、昔から「走る実験室」といわれるモータースポーツの場で脱炭素社会への試みを探っています。
スバルは、2022年3月19日(土)~20日(日)に行われる「スーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankook 第1戦 SUZUKA 5時間耐久レース」に、SUBARU BRZをベースとしたカーボンニュートラル燃料を使う車両で参戦すると発表しました。
スバルは、内燃機関を活用した燃料の選択肢を広げる挑戦として、カーボンニュートラル燃料を使う車両で「スーパー耐久シリーズ2022」に参戦。
トヨタと協調し、競いながら、モータースポーツで求められる短いサイクルで仮説と検証を繰り返すというアジャイル(迅速)な開発を通じてエンジニアを育成する狙いです。
「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」を進めるとともに、カーボンニュートラル社会の実現を目指すとしています。エコだけではなく、レースを通じてよりよいクルマを目指す構えです。
スバルが開発してきた参戦車両の開発では、同社の技術本部エンジニアが100名以上参加。若手社員を中心に、部署の垣根を越えて、ひとつの目標に向けてチャレンジする風土が醸成されているとのことです。
参戦車両の特徴は、SUBARU BRZベースのカーボンニュートラル燃料を使うスーパー耐久仕様車です。
スバル技術本部のエンジニアが中心になり製作され、量産車技術の延長線上でレースにどこまで対応できるかを試すため、改造は最小限にとどめられているそうです。また、レース車両として必須の装備であるロールケージは、将来的にアイサイトのステレオカメラを活用することも視野に入れた形状になっています。
ボディのカラーリングは、SUBARUエンジニアの情熱を象徴するブルーの炎と、カーボンニュートラル燃料を象徴するグリーンの炎がモチーフになっています。
今回、スバルが使用する燃料は、二酸化炭素と水素、そのほか、一部非食用のバイオマスなどを由来とした成分をガソリンのJIS規格にマッチさせるように合成して製造された燃料です。いわれる「合成燃料」といわれている燃料です。
燃焼時の二酸化炭素の排出量は、プラスマイナスゼロになると考えられていて、カーボンニュートラル実現のための手段のひとつとして注目されている燃料です。
原料になる各成分をすべて再生可能エネルギー由来のもので作られていて、製造や輸送過程でのCO2排出をゼロとした場合、完全なカーボンニュートラル燃料と呼ぶことができます。
今回、使用される燃料は、製造、輸送過程でのCO2排出があるため厳密にはカーボンニュートラルではないそうですが、将来的には製造、輸送過程でのCO2排出を含めた完全なカーボンニュートラル燃料を目指しているそうです。
●チーム名:「Team SDA Engineering」
●参戦車両名称:「Team SDA Engineering BRZ CNF Concept」
●参戦車両:SUBARU BRZ(カーボンニュートラル燃料仕様)
●クラス:ST-Qクラス
●監督:本井雅人(スバル研究実験センター長)
●チーフエンジニア(ボディ設計部)
●ドライバー:廣田光一(車両運動開発部)、井口卓人、山内英輝
(塚田 勝弘)