80年代の最強2スト「RZ」風カラー!ヤマハのスポーツヘリテージ「XSR700 ABS」に2022年モデル登場

■伝説の「ナナハンキラー」カラーを復刻!?

ヤマハ発動機は、2月24日(木)、同社スポーツヘリテージ「XSR」シリーズで、688cc・直列2気筒エンジンを搭載した「XSR700ABS」をマイナーチェンジし、2022年モデルとして4月8日(金)に発売することを発表しました。

ヤマハXSR700ABSに2022年モデル
XSR700のラジカルホワイト仕様

注目は、1980年代に一斉を風靡した2ストロークマシン「RZ250/350」を彷彿とさせる車体色を採用したこと。

筆者を含め、当時を知るライダーには、まさに涙モノのグラフィック&カラーです!

●2スト250ccブームの火付け役

XSR700は、往年のスポーツバイクをイメージさせるネオレトロなスタイルを持ったヤマハ「XSR」シリーズの700ccモデル。

兄弟車には、845cc・直列3気筒エンジンを搭載する「XSR900」もあり、いずれも、丸目1灯ヘッドライトなどによるビンテージ感溢れる外観が魅力です。

スポーツネイキッドモデルの「MT-07」をベースに開発されたXSR700は、最高出力73psを発揮する688cc・直列2気筒エンジンを搭載。

扱いやすく、スポーティな出力特性とスタイリッシュなフォルムも相まって、街乗りから長距離ツーリングまで、幅広いシーンでリラックスかつカジュアルに楽しめるバイクです。

その2022年モデルでは、新色として「ラジカルホワイト(白×青)」と、「ブラックメタリックX(黒×金)」を採用。

ヤマハは、これら車体色について「往年のヤマハスポーツバイクを想起させるグラフィック&カラー」としか言及していませんが、昔からのバイク好きなら、ピンと来た人も多いでしょう。

ヤマハXSR700ABSに2022年モデル
XSR700のブラックメタリックX仕様

そうです、あの1980年代に爆発的な人気を誇った「RZ250/350」です。XSR700に施された新しいカラーリングは、まさに伝説的2ストロークマシンの車体色を彷彿とさせるのです。

ちなみに、RZとは水冷2ストローク2気筒エンジンを搭載し、レーシングマシン譲りの高い動力性能と軽量な車体により、俊敏な走りが魅力だったマシンです。250cc版のRZ250が1980年に登場、350cc版のRZ350は1881年に発売されました。

RZが出てくる前の高性能バイクといえば、ホンダ「CB750F」などの750cc・空冷4ストロークエンジン搭載車、通称「ナナハン」。

ヤマハXSR700ABSに2022年モデル
XSR700(ラジカルホワイト仕様)の左サイドビュー

ところが、RZは直線こそパワフルなナナハンにはかなわなかったものの、ワインディングなどのコーナーでは軽い車体を活かし、まさに750ccバイクを追い回すほどの速さを披露。当時、「ナナハンキラー」と呼ばれ大ヒットしました。

そして、このRZの成功にホンダやスズキ、カワサキも追従し、各社はこぞって2スト250ccマシンを市場投入。

1980年代半ばから1990年代初頭に一大ブームを巻き起こした、2ストのフルカウルマシン「レーサーレプリカ」へと続きます。

●ブレーキなどもアップデート

そんなRZを彷彿とさせるのがXSR700の新色。黒×金の方は、当時のRZではタンクに入れられた「YAMAHA」ロゴのバックが赤でしたから、若干パターンは違いますが、白×青の方はかなり当時の配色に近い感じがしますね。

ヤマハXSR700ABSに2022年モデル
XSR700(ブラックメタリックX仕様)の左サイドビュー

なお、ほかにも2022年モデルのXSR700では、

・エンジンを平成32年排出ガス規制適合化
・快適性とスポーツ性能を兼ね備えた新タイヤ採用
・フロントブレーキディスクの大径化
・ヘッドランプ、ポジションランプ、フラッシャーランプのLED化
・ネガポジ反転LCDメーター採用

などの改良が施され、走行性能や使い勝手などが向上しています。

価格(税込)は、93万5000円です。

(文:平塚 直樹

この記事の著者

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平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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