ヤマハ発動機が電気やモーターを「知る・体感する」教室を地元小学校で開催

■企業との交流をキャリア教育にも活かす

地域社会の一員として、キッズ向け体験イベントの「カンドーキングダム」などさまざまなイベントを開催しているヤマハ発動機。同社の製品はもちろん、製品以外の活動などが広報グループによって「ニュースレター」として発信されています。

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「身近な企業との交流をキャリア教育にもつなげたい」と話す大須賀先生(写真左)

今回は、地元小学校で行われた電気を「知る・体感する」教室で、企業との交流をキャリア教育にも活かす狙いがあるそうです。

同社のグループ社員が講師を務める体験型授業「電動乗りもの教室」が開催されました。静岡県袋井市の今井小学校で、エナメル線を巻いた手づくりのコイルが勢いよく回り出すと、「あ、回った!」という声と共に、理科室に受講した6年生の笑顔が広がったそう。

ヤマハ発動機グループの講師は、「これがモーターの原理です。くるくる回転する軸にタイヤを取り付ければ、それが電気で走るクルマ、EVになります」と解説。今回の授業では、1円玉と10円玉、食塩水、キッチンペーパーなど身近なものを使って電気をつくる実験、電磁石の力で回転を生み出すモーターの仕組みなどを学んでいます。

6年生担任の大須賀勇太先生は、「感染防止対策で、子どもたちの学校生活も大きな影響を受けています。人と人との距離はもちろんですが、リアルなモノに触れる機会も少なくなりました。ですからこうした実体験を伴う活動はたいへん貴重なもので、子どもたちも楽しみにしていました」と、とても有意義な授業になったようです。

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身近なもので電気を生み出す「11円電池」の実験の様子

さらに、大須賀先生は、「6年生の理科には、電気とわたしたちのくらしという単元があります。まさにその目的にぴったりの授業で、親しみのある会社の専門家にしていただけたことはとても意義がある」と続けています。

体験型授業「電動乗りもの教室」開催のきっかけは、地域の小中学校の先生たちが集まる教育研究会の研修の場だったそうです。同社の社員有志・OBたちがボランティアで実施する「ウインドカー工作教室」を大須賀教諭が自ら体験し、「身近な企業との交流を持つことでキャリア教育にもつながる」と体験授業を企画。

理科室で電気のつくり方とモーターの仕組みを学んだ後は、体育館で電動車いすと電動アシスト自転車の体験試乗も行われました。学んだばかりの電気やモーターが、人びとの暮らしにどのように役立てられているのかを体感すると、「スイッチを切った車いすは(操作が)大変だけど、モーターを使うとスイスイ走る」「電動アシスト自転車は、自分の自転車とは全然違う。坂道でも試してみたい」といった声が上がったそうです。

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電気やモーターを電動の乗りもので体感した児童達

学校の授業でも地球温暖化の原因やその影響、二酸化炭素を削減するための社会のさまざまな取り組みなどを学んでいるはず。こうした中で高まっている電気やモーター技術への期待など、2時限・90分の講座で中身の濃い授業になったそうです。

ヤマハ発動機では、こうした出張授業をはじめ、企業ミュージアム「コミュニケーションプラザ」でのキッズ向けイベントなど、子どもたちの好奇心を刺激し、可能性を大きく広げる「カンドーキングダム」などの各種体験型イベントや教室を開催しています。

塚田 勝弘

【関連リンク】

ヤマハ発動機 カンドーキングダム
https://global.yamaha-motor.com/jp/showroom/kids/

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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