目次
■俊敏で足着き性も抜群な軽量スポーツ
風を感じて走るのに最適なバイクといえば、やはりカウルレスのネイキッド。
街にもマッチするスタイリッシュなデザインを持つタイプも多く、スーパースポーツなどと比べると、ポジションが楽で長距離走行でも疲れにくいことが魅力です。
また、ハンドルがよく切れることで、狭い駐車場などでも取り回しがしやすく、普段使いでも扱いやすいことも特徴です。
なかでも、排気量が250ccのモデルなら、車検もなくて維持費が安いうえ、大型バイクに比べると車体が軽いため、初心者や小柄な女性でも気軽に乗ることができます。
そこで、ここでは、初心者や女子ライダーにおすすめしたい、ネイキッドの250ccバイクをピックアップして紹介します。
●ホンダ・レブル250
まずは、ネイキッドのなかでも、クルーザーとよばれるスタイルを持つホンダの「レブル250」。
大きな魅力は、690mmという超低いシート高と、車両重量170kgという比較的軽量な車体により、体格や性別、年齢を問わず、幅広い層に人気を誇るモデルです。
前後タイヤに16インチの極太タイプを履かせたスタイルは、存在感も満点。エンジンには、最高出力26psを発揮する水冷4ストローク単気筒を搭載し、小気味よい鼓動感と、高回転までスムーズに吹け上がるエンジンフィールを実現します。
ブラック塗装のシンプルなマフラー音から放たれる排気サウンドも、パルス感が満点。スロットルを開ける時のワクワク感を、いっそう盛り上げてくれます。
また、4眼インナーレンズ式LEDヘッドライトは、レブル250のクラシカルなフォルムに、現代的なテイストも加味し、より個性を演出します。さらに、独特の形状を持つ燃料タンクは、小ぶりに見えるデザインながら容量11Lを確保し、ツーリングなどの長距離走行でも使い勝手が抜群です。
41mm径の正立フロントフォーク、窒素ガス封入式ダンパーユニットを採用したリヤ2本サスなどにより、優れた乗り心地と路面追従性も実現します。
なお、車体サイズは全長2205mm×全幅820mm×全高1090mm。車体カラーには、マットジーンズブルーメタリック、マットアーマードシルバーメタリック、マットフレスコブラウンの3色を設定します。価格(税込)は59万9500円です。
また、ミニカウル付きの「レブル250Sエディション」もあります(税込価格63万8000円)。
●ホンダ・CB250R
軽さという意味では、車両重量144kgのホンダ「CB250R」は、まさにクラストップ級の軽量かつコンパクトなバイクといえるでしょう。
シート高も795mmとレブル250ほどではありませんが、比較的低めに設定。軽快かつ俊敏な走りと、街乗りなどでの扱いやすさを両立したスポーツモデルです。
1950年代から続くホンダ伝統の「CB」シリーズに属し、その新世代機種として2018年4月から販売されているのがこのモデル。
最高出力27psを発揮する水冷4ストローク単気筒エンジンは、どのエンジン回転数からでも、スロットル操作に対するリニアな加速感を得られる出力特性が魅力。
全長2020mm×全幅805mm×全高1045mmというコンパクトで超軽量な車体と相まって、市街地走行からツーリングまで、スムーズで力強い加速を感じられます。
足まわりでは、バネ下重量の低減を両立させた41mm径の倒立フロントフォークを採用。前輪に高い路面追従性を持たせるとともに、軽量アルミホイール、ラジアルタイヤと合わせることで、上質な乗り心地も実現します。
また、前後サスペンションの初期作動性を最適化することで、さまざまな路面状況に対応。市街地はもとよりツーリング時などでも快適な走りを味わえます。
加えて、前述した795mmという低いシート高により、身長165cmの女性でも、両足が路面にピッタリと着く足着き性のよさも魅力です。
ほかにも、ラウンドシェイプのライトガイドを配した薄型LEDヘッドライトは、スタイリッシュなフォルムに貢献。フルデジタル液晶メーターには、シフトアップインジケーターやタコメーターのピークホールド機能なども備えることで、スポーティな走りをより楽しめるギミックが施されています。
車体カラーは、ブラック、マットパールアジャイルブルー、キャンディークロモスフィアレッド、マットクリプトンシルバーメタリックの4色。価格(税込)は56万4300円です。
●ヤマハ・MT-25
ここからは、ネイキッドのなかでも、ストリートファイターとよばれるモデル3台を紹介。いずれも、アグレッシブでスポーティなスタイルや出力特性を持ちつつも、アップライトなポジションなどにより初心者にも乗りやすく、日本だけでなく海外でも高い人気を誇るモデルばかりです。
まずは、ヤマハの「MT-25」。こちらのモデルもはやり、車両重量169kgという軽くてコンパクトな車体が魅力。しかも、搭載する水冷4ストローク直列2気筒エンジンは、最高出力35psを発揮することで、よりパワフルな走りが楽しめます。
また、エンジンは、低中速域で扱いやすく、中高速域では高揚感ある出力特性をセットアップ。街乗りでの高い安心感はもちろん、ワインディングでもスポーティな走りを楽しめる味付けが施されています。
外観の特徴では、まず、2眼LEDポジションランプと、その真下中央の超小型LEDヘッドにより、精悍なフロントフェイスを実現。
大型バイクを彷彿とさせるフォルムを持つ燃料タンクには、ボリューム感とフィット感を両立したデザインの樹脂製タンクカバーも装備することで、ライディングスタイルとの一体化を具現化します。
車体サイズは、全長2090mm×全幅755mm×全高1070mm。フロントサスペンションには、高剛性の37mm径インナーチューブの倒立式を装備することで、旋回時や制動時などでの良好なフロント接地感に寄与します。
また、アップライトなバーハンドルを採用。マウント部には、アルミ鋳造製ハンドルクラウン・スチール鍛造製アンダーブラケットを装着することで、扱いやすく、自然な操舵フィーリングに貢献します。
なお、シート高は780mmと、こちらも足着き性は抜群。精細なバーグラフタイプのタコメーターを装備したフル液晶マルチファンクションメーターは、幅広いシーンで使いやすく、ライディングに集中できる見やすさなどを備えます。
車体カラーは、パステルダークグレー(グレー)、ディープパープリッシュブルーメタリックC(ブルー)、マットダークグレーメタリック8(マットダークグレー)の3色を設定。価格(税込)は、62万1500円です。
ちなみに、兄弟車には、MT-25と同じ車体に、排気量を249ccから320ccにアップしたエンジンを搭載した「MT-03」もあります(税込価格65万4500円)。
こちらは、最高出力42psを発揮しつつも、車両重量は169kgのままですから、より力強い走りが楽しめますし、運転もMT-25と同様に普通自動二輪免許でOK。ただし、MT-03は車検が必要なので、維持費はやや高めになります。
気軽に所有できるMT-25と、ツーリングなどでより余裕あるMT-03、どちらを選ぶか迷ってしまいますね。
●カワサキ・Z250
お次は、カワサキの「Z250」。アグレッシブで俊敏なイメージを与える独自の「Sugomi」デザインを採用、1000ccや900cc、650ccや400ccなど、豊富なラインアップを誇るカワサキのスーパーネイキッド「Z」シリーズに属する250ccモデルです。
このモデルも、車両重量は164kgと超軽量。最高出力37psを発揮するパワフルな水冷4ストローク並列2気筒を、高剛性でスリムなトレリスフレームに搭載することで、市街地からワインディングまで、幅広い道路状況で扱いやすく、俊敏な走りを体感できます。
車体サイズは、全長1990mm×全幅800mm×全高1060mm。外観の特徴では、まず、新設計のLEDヘッドライトやLEDテールランプの特徴的なデザインにより、シャープなイメージを演出します。
また、燃料タンクはニーグリップがしやすいスリムな形状としながらも、容量14Lを確保することで、優れた航続距離も実現します。
さらに、「アシスト&スリッパークラッチ」を装備するのも注目点です。これは、大型スーパースポーツなどではおなじみの機構で、急なシフトダウンなど過度なエンジンブレーキが掛かった際にスリッパー機構が作動。
スリッパーカムがクラッチプレートの圧着を弱めてバックトルクを逃がすことで、リヤタイヤのホッピングやスリップを低減します。これにより、ブレーキング時などに車体姿勢を安定させることが可能となり、高い安全性や走行安定性に寄与します。
シート高は795mmとこちらも低く、スリムなシート形状と相まって足着き性も良好。フロントシートはリヤシート下にあるケーブルを引くだけで簡単に外れるため、バッテリーへのアクセスがとっても楽で、高いメンテナンス性にも貢献します。
車体カラーは、メタリックスパークブラック×メタリックマットグラフェンスチールグレーの1色を設定。価格(税込)は、61万500円です。
●スズキ・ジクサー250
最後はスズキの「ジクサー250」。こちらも、車体重量154kgと超軽量で、爽快で軽快な走りが楽しめるモデル。しかも、250ccクラスのなかでは、かなりの低価格を実現していることも魅力です。
最高出力26psを発揮するエンジンは、4ストーク単気筒SOHC4バルブを採用。冷却方式に油冷を採用することで、高出力でありながら軽く、小さく、シンプルなユニットを実現します。
軽量なエンジンは、スリムな車体と相まって、高い運動性能に寄与。また、低回転域で粘りのあるトルク感は街乗りでも扱いやすく、中高回転域の心地よい加速感により、ワインディングなどでも走りが楽しいパワー特性を実現します。
さらに、WMTCモード値で37.7km/Lという優れた燃費性能をもつことで、ツーリングなどにも対応する航続距離も実現します。
車体サイズは、全長2010mm×全幅805mm×全高1035mm。外観の特徴で注目なのは、まず、ヘッドライト。上下3分割式のコンパクトなLEDタイプを採用することで、近未来的で個性的なフェイスデザインに寄与します。
また、ハンドルには、アップライトなポジションを実現するバータイプを装備。800mmという低いシート高により、足着き性も抜群です。
ほかにも、フル液晶ディスプレイを採用した多機能メーターを採用。バータイプのタコメーター、デジタルスピードメーター、オドメーター、ギヤポジションインジケーター、デュアルトリップメーター、燃料計、時計をわかりやすく表示することができます。
車体カラーは、トリトンブルーメタリック(YSF)、マットブラックメタリックNo.2(YKV)の2色を用意。価格(税込)は、44万8800円です。
兄弟車には、フルカウル仕様の「ジクサーSF250」もあります(税込価格48万1800円)。
(文:平塚 直樹)