日本初走行のBMW M4 GT3。その印象をドライバー・荒聖治選手にきいてみた【SUPER GT 2022】

■BMW Team Studie、驚きのドライバーラインナップ

2月7日(月)に富士スピードウェイでシェイクダウンを行った、BMW Team StudieのBMW M4GT3。

このマシンは同チームがSUPER GTGT300クラスで2022シーズンを戦うために日本にやって来たマシンで、日本初導入。そして、このシェイクダウンが日本初走行となります。

BMW M4 GT3
BMW M4 GT3

シェイクダウンに先立ってオンラインで行われた参戦発表では、ドライバーラインナップも紹介されましたが、その内容は驚きのものとなりました。

荒聖治選手
荒聖治選手

まずBMW Team Studieのエースと言えば、荒聖治選手。

2014年に単独チームとなったBMW Sports Trophy Team Studieの頃から、このチームのドライバーとして活躍しています。2004年のル・マン24時間レースで総合優勝を果たした経歴から、「世界の荒」とも呼ばれています。

近藤翼選手
近藤翼選手

今回のシェイクダウンに参加したもう一人のドライバーである近藤翼選手は、2016年と2018年にポルシェカレラカップジャパンでチャンピオンを獲得。

また、2017年ではTOYOTA GAZOO RACING 86/BRZ RACEのプロクラスでチャンピオンを獲得するなど、主にワンメイクレースで大活躍をしてきました。2020年にはSUPER GTのGT300クラスでHitotsuyama Audi R8 LMSを5年ぶりに優勝(第6戦・鈴鹿)に導いたドライバーとしても知られています。

2021年は、スーパー耐久シリーズの最高峰であるST-XでD’STATION RACINGをシリーズチャンピオンへと導きました。

SUPER GT 2022シーズンはCドライバーとして登録されるようですが、Bドライバー(※後述)が来日できない際には代わりにドライブすることとなります。

アウグスト・ファルフス選手
アウグスト・ファルフス選手

注目のBドライバーには、BMWのワークスドライバーとしてDTMシリーズで活躍したアウグスト・ファルフス選手がやってきます。2016年と2017年の鈴鹿1000kmでBMW Team StudieのCドライバ-としてやって来たこともあるので、覚えている方も多いと思います。

アウグスト・ファルフス選手は2018年のMacau FIA GT3 WORLD CUPの優勝者
アウグスト・ファルフス選手は2018年のMacau FIA GT3 WORLD CUPの優勝者

FIA GT3カテゴリの世界統一戦ともいえる「インターコンチネンタルGTチャレンジ」でBMW M6 GT3に乗り、2020年のチャンピオンとなるなど、本当に世界で大活躍をするBMWの使い手と言えます。

この3名のドライバーが、2022年、BMW M4 GT3に乗りSUPER GTを戦うこととなります。ただし、アウグスト・ファルフス選手に関しては、日本政府が定める感染症対策の隔離期間の兼ね合いから、全戦参加は不透明となっています。

●荒選手にBMW M4 GT3の第一印象を聞いてみた

そんなドライバーラインナップの中、シェイクダウンで一番多くの時間を乗っていた荒聖治選手に、BMW M4 GT3の第一印象を聞いてみました。

BMW M4 GT3
BMW M4 GT3

「これからセッティングを出していくところなので突っ込んだ話はできませんが、M6 GT3と比べるとすべてがシャープ、という印象です。エンジンもボディもすべてがシャープ。手応えは感じますね」と第一印象を語る荒選手。

「クルマオタクとして言わせてもらえるならば、直列6気筒エンジンのフィーリングがすごくいい。さすがBMW伝統のシルキー6という感じで、回転のバランスというかスムースさというか、そういったものがV8エンジンに比べて洗練されている感覚です」。

荒聖治選手
荒聖治選手

ボディが大きいといわれていたM6 GT3よりもさらに大きいボディとなっていますが、大きさを感じることはありますか?

「ボディが大きいとは言うけれど、M4 GT3は全ての重心がドライバーに近いところにあるので大きさを感じることは全くないですね。BMWの設計思想通りの重量配分のおかげです」。

このM4 GT3はストレート派ですか? それともコーナーリング派?

「基本的にはコーナーリングマシンだと思いますよ。今日の段階でもその感触は出ています」。

チーム代表兼監督の鈴木康昭氏
チーム代表兼監督の鈴木康昭氏

また、今日のシェイクダウンの印象をチーム代表の鈴木康昭さんにもうかがいました。

「午前、午後ともに30分ずつの走行でしたが、想定されるメニューは全てこなしました。今日のデータを基に、マシンづくりを詰めていきます。GTアソシエーションの公式テストの前に何度かテスト走行をして、セッティングを詰めていくことになります」。

M4 GT3は今年デリバリーが始まったばかりということですが、性能調整も比較的緩い状態なのですか?

「全く逆で、ヨーロッパのGT3カテゴリをまとめるSRO(SRO Motor Sports Group)は、新型車の一番最初に思いっきり厳しい性能調整を入れてきます。その性能調整で勝てなければ緩くしていく、みたいな感じになっているので、むしろ新型車であるM4 GT3は厳しい調整が入ると思います。そのSROのデータを参考に、日本のGTアソシエーションが性能調整を決めるのですが、どれだけのものが来るのかは全くわからないですね」。

BMW M4 GT3
BMW M4 GT3

荒選手も鈴木代表もシェイクダウンの手ごたえは良好なようで、すでに開幕戦を見据えてセットに取り掛かろうとする意欲に満ちている印象。開幕戦の前に行われる公式テストは3月12日~13日の岡山国際サーキットと、3月26日~27日の富士スピードウェイ。それが終わればすぐに、開幕戦の岡山となります。

その開幕戦は4月16日~17日。BMW M4 GT3の活躍に期待しましょう。

(写真・文:松永 和浩

この記事の著者

松永 和浩

松永 和浩 近影
1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。