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■欧州仕様と同仕様で150psを発揮
スズキは、欧州などで先行発売していた1000ccの新型スポーツツアラー「GSX-S1000GT」を、2022年2月17日より国内発売することを発表しました。
基本的な仕様や装備は欧州仕様と同様とし、日本独自の専用装備として、ETC2.0車載器を標準装備することなどを明らかにしました。
●タンデム走行時の快適性なども向上
GSX-S1000GTは、フルカウルのストリートバイク「GSX-S1000F」を全面改良し、長距離ツーリングなどでの快適性や安定性を追求した新コンセプトのスポーツツアラーです。
2021年9月に世界同時発表し、欧州などではすでに発売中でしたが、ついに日本でも国内仕様が導入されるのです。
従来モデルのGSX-S1000Fは、ストリート仕様ながらアグレッシブな走りを追求したフルカウル仕様。対するGSX-S1000GTには、長距離走行でより疲労度を低減するフロントスクリーンやアップライトなポジションなどを採用。
また、タンデム(2人乗り)走行時の快適性や荷物の積載性なども考慮した数々の装備により、さらにツーリングでの使い勝手や走りが向上しているのが特徴です。
エンジンには、スズキが誇るスーパースポーツ、2005年式「GSX-R1000」用の999cc・水冷4サイクル4気筒を採用します。
元来、ワインディングやサーキットで威力を発揮するパワフルな特性を、低速域からでも使いやすいスムーズなトルク特性に変更することで、全回転域で高揚感のある加速性能を実現。
パワーは欧州仕様とほぼ同様で、国内仕様では最高出力110kW(150ps)/1万1000rpm、最大トルク105N・m(10.7kgf-m)/9250rpmを発揮します。
また、このエンジンを軽量で剛性感のあるダイヤモンドタイプのフレームに搭載。市街地などでの扱いやすさと、ワインディングや高速道路などでの高い操縦安定性を両立します。
なお、車体サイズは全長2140mm×全幅825mm×全高1215mm、ホイールベースは1460mmで、シート高810mm。装備重量は226kgです。
●電子制御システムでより高次元の走り
新型GSX-S1000GTには、数々の電子制御システムも採用することで、より高次元の走りや安全性にも貢献します。
たとえば、独自の「S.I.R.S.(スズキ・インテリジェント・ライドシステム)」の採用。これは、ライダーの走行経験レベル、路面の変化や乗り手の好みなどに応じたパフォーマンス特性を最適化する電子制御システムの総称です。
具体的には、街中からツーリング、2人乗りなど様々なシーンで、ライダーの操作に忠実なスロットルフィーリングを実現する「電子制御スロットル」、ライダーがクラッチやスロットル操作をせずにシフトアップ/ダウンが可能な「双方向クイックシフト」などを搭載。
また、「STCS(スズキトラクションコントロールシステム」の搭載により、路面の状況やライダーの経験値などに合わせ、5段階(+OFFモード)からトラクションコントロールの介入レベルを選ぶことができます。
さらに、スロットルの操作不要で設定速度を維持する「クルーズコントロールシステム」も装備。高速道路などでのライダーの疲労軽減にも貢献します。
●メーターはスマートフォンとの連携も可能
GSX-S1000GTは、ツーリングなどでの利便性が高いことも魅力です。特に、注目はメーターで、6.5インチフルカラーTFT液晶マルチインフォメーションディスプレイを採用します。
傷が付きにくく、明るい光の下での視認性を向上したこのディスプレイは、スズキ2輪車で初採用の専用アプリ『SUZUKI mySPIN(スズキマイスピン)」に対応。
スマートフォンにアプリをインストールしバイクと連携させれば、メーターに運転状況などの情報に加え、地図やアドレス帳などといったスマートフォンの情報を映し出すことが可能となります。
なお、アプリはiOS用とアンドロイド用があり、インストールは無料。どんなスマートフォンにも対応し、気軽に使うことができます。
さらに、前述の通り、国内仕様では、専用装備としてETC2.0車載器を標準装備し、ツーリング時の利便性をより高めています。
ほかにも、防風性能を向上させたハイスクリーンやグリップヒーター、樹脂サイドケースセットなど、豊富な純正アクセサリーが用意されていることも魅力。ライダーの好みや使い方に応じたカスタマイズを可能とします。
カラーバリエーションは、「トリトンブルーメタリック(YSF)」「リフレクティブブルーメタリック(QT8)」「グラススパークルブラック(YVB)」の3色。
価格(税込)は159万5000円です。
(文:平塚 直樹)