アウディ電動化戦略のキーモデル・BEVのQ4 e-tronシリーズ発表。エントリーモデルは599万円から

■SUVとスポーツバック全5グレードは後輪駆動を採用

2022年1月17日(月)、アウディジャパンはアウディのEV(電気自動車)第3弾モデルとなる、コンパクトSUVのQ4 e-tron/Q4 e-tron スポーツバックを発表しました。2022年秋以降に発売予定です。

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Q4e-tronとマティアス・シャーパース氏

Q4 e-tron/Q4 e-tron スポーツバックは、e-tron/e-tronスポーツバック、e-tron GT/RS e-tron GTに続くモデルで、今後のアウディの電動化戦略のコアモデルとなります。

Q4 e-tron/Q4 e-tron スポーツバックの車両本体価格は、エントリーモデルのQ4 40e-tronの599万円~Q4スポーツバック40e-tron Sラインの716万円となっています。

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ブランドディレクターのマティアス・シャーパース 氏

Q4 e-tron/Q4 e-tron スポーツバックの発表に先だって、マティアス・シャーパースブランドディレクターは、2021年を総括。

半導体不足に苦しみながらも対前年比プラスだったこと、ハイパフォーマンスモデルのRSモデルが対前年比250%を記録し販売記録を作ったこと、EVのRS e-tron GTが2022年生産予定台数を完売したことを報告しました。

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Q4e-tronのフロントスタイル

そして、アウディは2025年に内燃エンジンを搭載した最後のニューモデルを生産。

2026年以降に発表するすべてのモデルはEVにすること。そして、2033年に内燃エンジン生産を停止(中国を除く)という明確なロードマップを発表しました。

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Q4e-tronのサイドビュー

また、日本市場におけるe-tron戦略も発表。注目は急速充電器の拡充で、現在90kWが8基、50kWが42基の計50基となっています。

2022年3月からは150kWという急速充電器を54基順次設置していき、インフラを整備していきます。

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Q4e-tronのリアスタイル

さらにアウディジャパン+VWグループで250店舗以上という急速充電ネットワークを構築していく予定です。

外出先でのACチャージャーの充電スポットを充実させるために、ホテルやホテル場などと提携し、デスティネーションチャージャーを実現する予定と話をしてくれました。

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Q4e-tronのリアビュー

発表されたQ4 e-tron/Q4 e-tron スポーツバックはEV専用のプラットフォーム“MEB”を採用。

ボディサイズは欧州仕様で全長4.59m、全幅1.87mとQ3とQ5の中間となるコンパクトなボディです。しかし、インテリアの全長はQ5を超えていて、リアシートのゆとりあるニースペースや、520L(スポーツバックは535L)というラゲッジ容量を実現しています。

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空力性能向上させる形状のホイールを装着

ボディタイプは、存在感のあるフォルムのSUV とスタイリッシュなクーペSUVのスポーツバックの2つのタイプを設定。

外観は短いフロントオーバーハング、筋肉質なフェンダー、美しいルーフラインが特徴です。また、最新のアウディQファミリーに共通する8角形のシングルフレームグリルを採用し、一目でアウディのEVとわかります。

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液晶パネルを多用したインパネ

インテリアは、センタークラスターがドライバーに向けられたドライバーオリエンテッドなデザインを採用。特徴的なセンターコンソールと専用デザインのシフターを装備。

メーターパネルには10.25インチのアウディバーチャルコックピット。センターパネルには11.6インチのMMIタッチディスプレイを配置することによって、フルデジタルのコックピットを形勢しています。

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Q4e-tronに搭載されるパワートレイン

搭載するパワートレインは、システム電圧400Vのテクノロジーを使用した総容量82kWh(実容量77kWh)の駆動用バッテリーを、前後アクスル間の床下に搭載。リヤアクスルに1基の電気モーターを搭載し、後輪を駆動させます。

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Q4e-tronのフロントシート

駆動用電気モーターは最高出力150kW・最大トルク310Nmを発揮。0-100km/h加速は8.5 秒。一充電走行距離は516km(欧州値)と高い実用性を誇ります。

200Vの普通充電は標準は3kWで、オプションとして最大8kWまで対応。急速充電はCHAdeMO(チャデモ)規格の125kWに対応しており、たとえば125kWで5%から80%までが38分で充電可能(理論値)です。

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Q4e-tronのリアシート

運転支援システムは、最新の安全技術とアシスタンスシステムを搭載。フロントカメラをはじめ、車体前後に中距離レーダーと超音波センサーを、また車体前後と左右ミラーに計4つの360度周辺環境カメラを内蔵しています。

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ラゲッジスペースはひとクラス上の容量を実現

従来のアダプティブクルーズコントロールとアクティブレーンアシストを統合したアダプティブクルーズアシストをはじめ、死角を並走する車両を検出するアウディサイドアシスト、後方から近づく自転車や車両をセンサーで監視するエグジットワーニングなど充実した機能を誇っています。

アウディは今回発表したQ4 e-tron/Q4 e-tron スポーツバックから、電動化戦略を加速していくという決意が、価格面だけでなくインフラ面にも表れています。

(文・写真:萩原 文博

この記事の著者

萩原 文博 近影

萩原 文博

車好きの家庭教師の影響で、中学生の時に車好きが開花。その後高校生になるとOPTIONと中古車情報誌を買い、免許証もないのに悪友と一緒にチューニングを妄想する日々を過ごしました。高校3年の受験直前に東京オートサロンを初体験。
そして大学在学中に読みふけった中古車情報誌の編集部にアルバイトとして働き業界デビュー。その後、10年会社員を務めて、2006年からフリーランスとなりました。元々編集者なので、車の魅力だけでなく、車に関する情報を伝えられるように日々活動しています!
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