上野~浅草間に地下鉄開通/豊田自動織機に自動車部門/英国メディアがホンダ2代目NSXをスクープ【今日は何の日?12月30日】

■日本初の地下鉄が運行開始

東京メトロ銀座線・浅草駅
東京メトロ銀座線・浅草駅

1927(昭和2年)の12月30日、日本初の地下鉄が東京上野駅~浅草駅(現在の東京メトロ線)で運行を始めました。運行距離約2.2km、所要時間4分50秒、運賃は10銭だったそうです。当時の1銭は約6円なので、現在の価値で約60円と意外に安いですね。黄色の車体に自動ドアを装備、車内は最新の間接照明、10銭を入れるとバーが開く自動改札など最新の鉄道技術と珍しさもあって、初日には大行列ができたとか。ちなみに世界初の地下鉄は、1863年開業の英国ロンドンで、蒸気機関車が客車をけん引するタイプでした。

さて、クルマ界の今日は何があったのでしょう?

●豊田自動織機が自動車事業へ参入

トヨタ初の乗用車、1936年発売のAA型
トヨタ初の乗用車、1936年発売のAA型

1933年(昭和8年)のこの日、トヨタの創業者・豊田喜一郎氏が豊田自動織機内に自動車部門を設立することを取締役会に要請して、承認されました。豊田喜一郎が目指したのは、完全オリジナルの国産車の製造と日本の自動車産業の発展でした。その後、わずか1年半後の1935年には、自社技術だけで製造した「G1型トラック」と「AA型乗用車」が完成。翌年販売を始めましたが、最初はトラブル続きで修理に追われて大変だったそうです。終戦後に再スタートして、1955年に日本初の本格乗用車「クラウン」を発売。続いて「コロナ」、「パブリカ」、「カローラ」と次々にヒット商品を生み出し、日本自動車メーカーのトップへと躍進したのです。

●英国メディアがホンダNSXの後継モデルを報じる!

2011(平成23)年のこの日、英国の自動車メディア「Auto EXPRESS」が、翌年開催されるデトロイトモーターショーで公開予定の次期ホンダNSXコンセプト」について言及。”NSXコンセプトは、最大出力400PSの4WDハイブリッドを搭載”と報じました。記事では、「ハイブリッドシステムは3.5L V6エンジンを補うモーターだけでなく、2基のインホイールモーターを追加し、4輪を駆動する4WDシステムである」と予想しています。

2012年1月10日のデトロイトモーターショーで次期NSXを紹介する伊東社長
2012年1月10日のデトロイトモーターショーで次期NSXを紹介する伊東社長
2代目NSXの採用の「スポーツハイブリッドSH-AWD」パワーユニット
2代目NSXの採用の「スポーツハイブリッドSH-AWD」パワーユニット

翌年2012年1月のデトロイトモーターショーで、予定通り「アキュラNSXコンセプト」が公開されました。騎士の鎧を彷彿させるようなフロントマスクに、キャビンの背後にパワーユニットを配したフォルムは、まさしくスーパーカーそのものであり、多くのメディアの目を引きました。パワートレインは英国メディアの報道の通り、前輪2基、後輪に1基のモーターを組みわせた「スポーツハイブリッドSH-AWD」。ただしこの時点ではデザインを含めてまだ流動的だという説明でした。

2017年に日本デビューした2代目NSX。スタイリングは、デトロイトショーの時点から大きく変わってない。
2017年に日本デビューした2代目NSX。スタイリングは、デトロイトショーの時点から大きく変わっていない

最終的に次期NSXは、デザインのリファインと「スポーツハイブリッドSH-AWD」のチューニングによって最高出力581PS、最大トルク645Nmにパワーアップして、北米は2016年、日本では2017年にデビューしました。

話題となった2代目NSXでしたが、標準グレードの販売はすでに終了し、2022年12月をもって生産を終えることが決まっています。ホンダブランドであっても、2000万円を超えるスポーツカーの世界で、ポルシェやベンツ、BMWと競うのは、さすがに厳しいのでしょうか。

毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかも知れません。

Mr.ソラン

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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