トヨタの歩行領域モビリティで立ち乗りの「C+walk T(シーウォークティー)」は誰でも容易に乗れる簡単操作が魅力

■立ち乗りにすることで、健康への配慮も

新聞などの一部報道によると、警察庁は電動キックボードのヘルメット装着義務を努力義務にするなど、法改正を検討している模様です。

最高速は20km/h以下(現在の最高速度制限は30km/hまで)、免許は不要になるものの、16歳未満の運転は不可。今までと同じようにナンバープレート装着、自賠責保険への加入も必要になります。

トヨタ C+walk T
トヨタの歩行領域モビリティで立ち乗りの「C+walk T」

走行区分は従来どおり車道になるものの、6km/h以下なら自転車通行帯なども走行できるようになる模様です。また、試案では、従来どおり「交通反則告知書」、いわゆる青切符の対象になるようです。

そんな中、現在、公道では走行できないトヨタの歩行領域における新モビリティで立ち乗りの「C+walk T(シーウォークティー)」に乗る機会がありました。

トヨタ C+walk T
1人プラスアルファ分くらいのスペースしか占有しない

以前お伝えしたように、空港や大きな倉庫など公道以外での走行がメインになりますが、まさに歩行程度の速度で移動することで、多くの人に移動する自由を提供するタイプ。

電動アシスト自転車のようなバッテリーを搭載し、満充電は約2.5時間で、連続走行距離は約14km。

トヨタ C+walk T
アクセサリーでフックなどを用意する

また、警告の上、約2km/hまで減速する障害物検知機能が備わるほか、操舵角を検知して速度を抑制する旋回速度抑制機能も用意。傾斜地では、速度により自動減速する急斜面検知機能も採用されるなど、周囲の人も含めた安全への配慮が施されています。

トヨタ C+walk T
短いレバーがアクセルレバーで、オレンジのボタンはリバース用スイッチ

操作は容易で、ハンドルの左右にあるアクセルレバーを使い、発進から加速、減速、停止まで操作できます。もちろん、ブレーキも備えていて、左右のハンドルからブレーキレバーが伸びています。

ブレーキの操作は、急に制動する必要がある際や、坂道などで停止する際など、あるいは慣れるまではブレーキをかけてもOK。自転車に乗れれば、誰でも運転できるでしょう。

筆者も初めてでも簡単に乗ることができました。最高速度は、2、3、4、5、6、10km/hから設定可能で、10km/hは熟練者用となっています。自転車と異なるのは、立っているため慣れるまでは重心が高く、安定しない感じもしましたが、すぐに慣れます。

トヨタ C+walk T
メーターパネル

慣れると曲がる際に荷重移動もできる感じで、速度を3km/h、4km/h、5km/hと徐々に上げて慣れれば、コーナー時も含めて思いのほか安定しています。

トヨタが歩行領域のモビリティと位置づけているように、将来的には歩道も含めた公道走行もできるようになると、よりその価値は高まりそう。もちろん、いろいろな人が歩く歩道では、配慮や制限は必要になるでしょう。先述した電動キックボードと「C+walk T」は、似ているように思えますがユーザーは異なるはず。

トヨタ C+walk T
フロントに周辺検知センサーを備える
トヨタ C+walk T
両側に備えるブレーキペダル

後者は高齢者も含めて、現在のセニアカーくらいしかない選択肢に新たな移動手段をもたらすだけでなく、歩行できる人の足も拡張する役割も担うこともできます。

(文・写真:塚田 勝弘

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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