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■2021年12月20日に補正予算成立、EV補助金の増額が確定。補助金の上限は80万円
電気自動車の新車購入(自家用車)において政府から補助金が出るという話はよく知られています。カーボンニュートラルを目指す日本政府が、さらなる電気自動車の普及を狙って、その補助金を倍増させました。
しかし、最大額は80万円というニュースが独り歩きしていて、各モデルによって補助金の上限が異なるという話はあまり知られていないようです。
2021年12月20日、国会で令和3年度補正予算が成立したことで、あらためて電気自動車の補助金増額について整理していきたいと思います。
基本として補助金の上限は、登録車で80万円、軽自動車で50万円となります。そして、すべての登録車が80万円の補助金が見込まれるわけではありません。
現時点で補助金見込み額が80万円とされているのは、以下の3モデルだけです。
日産アリアB6
日産リーフe+
レクサスUX300e
ちなみに、軽自動車については50万円の対象モデルは現時点では存在していません。
●外部給電機能がないと上限60万円
なぜ、80万円の補助金が国産車に限られているように見えるのでしょうか。それは補助金の条件に外部給電機能の有無があるからです。
家電が使えるコンセントを持っていないクルマは、補助金の上限が60万円に制限されてしまうのです。
ですから、アウディe-tron、ジャガーI-PACE、テスラの各モデル、BMWの各モデル、メルセデス・ベンツEQA、BYD e6などは60万円の補助金にとどまります。
さらに航続距離などの条件も含めて補助金は計算されますから、たとえばプジョーe208は50万4000円となりますし、ポルシェ・タイカンも48万7000円~60万円とグレードによって補助金は異なります。
いずれにしても、外部給電機能によって最大20万円も補助金が異なるわけですから、輸入車を選ぶときはその点を承知しておく必要があります。タイミングが許せば給電機能を備えるまで待つというのも手ですが、それまで補助金が残っているという保証はありません。
●航続距離によっても補助金は変わる
航続距離も補助金の算出では考慮されます。たとえば、国産EVでも航続距離の短いマツダMX-30は46万6000円の補助金見込み額にとどまっています。
ホンダeの場合、航続距離の長い廉価グレードの補助金見込み額が66万1000円、一方で上級グレードは50万5000円の見込み額となります。ホンダeのメーカー希望小売価格はエントリーグレードで451万円、上級グレードは495万円です。
それぞれ車両価格から補助金見込み額を引くと、エントリーグレードは380万円程度で買えることになりますが、上級グレードは440万円ほどとなり、かなりの差が出ることがわかります。
補助金見込み額が全グレードで同額のモデルであっても比率で考えると廉価グレードを選ぶ方が比率としてのお買い得が上がるのは同様です。
ほかにも、日産リーフの場合、バッテリー搭載量が40kWhのグレードの補助金見込み額は73万6000円です。冒頭で記したように62kWhのバッテリーを積むe+グレードの補助金見込み額は80万円です。
補助金だけ見ると62kWhのほうがオトクに見えますが、車両価格に対する補助金の割引率で考えると、40kWhの標準モデルを選ぶほうが買い物としては賢いかもしれません。
なお、走り重視で航続距離が短くなっているリーフNISMOの補助金見込み額は48万1000円、スポーティグレードはタイヤの転がり抵抗などから航続距離が短くなる傾向にありますが、補助金を考慮するとEVスポーツカーを買うというのは贅沢な選択になるのかもしれません。
なお、補助金については商品改良などに合わせて随時更新されるということですから、購入検討をする際はしっかりチェックしたいものです。