キャデラックなのにコンパクトなSUV「XT4」を選ぶなら、都会派ラグジュアリーの「PLATINUM」?それともアクティブな「SPORT」?

■内装もラグジュアリーなキャデラック「XT4 PLATINUM」と走りもスポーティな「XT4 SPORT」

Cadillac XT4 PLATINUM
Cadillac XT4 PLATINUM

●アメリカの象徴、大統領専用車と言えば「キャデラック」

Cadillac XT4
Cadillac XT4

自動車大国アメリカ。そんなアメリカにおいて「エアフォースワン」が頂点に立つ航空機、「マリーンワン」が同国を代表するヘリコプターであるように、自動車大国アメリカにおける自動車の象徴的な存在といえば、なんといっても大統領専用車でしょう。

突然ですが、ここでクエスチョンです。

現在、アメリカの大統領専用車として愛用されている車両のブランドはどれでしょうか?

Cadillac XT4 SPORT
Cadillac XT4 SPORT

正解は「キャデラック」。GMのハイエンドブランドで、もちろん日本にも正規輸入されています。キャデラックはなんと、1993年以来、30年弱にわたって大統領専用車として選ばれ続けているブランド。それは言い換えれば、キャデラックがアメリカを代表するプレミアムブランドということにほかなりませんよね。

●キャデラックには意外にもコンパクトSUVもラインアップ

Cadillac XT4
Cadillac XT4

そんなキャデラックだけに、ラインナップするのは古典的な高級セダンばかり……と思ったら大間違い。2021年末現在、アメリカ本国では7つのモデル(ボディでカウント)を用意していますが、そのうちセダンは2モデルのみ。残り5モデルはSUVなのです。

しかも、「キャデラックが大型車のブランド」というのも過去の話。もっともコンパクトなSUVで日本にも輸入されている「XT4」のボディサイズは、トヨタ「RAV4」ほど。意外に小さいんです。そう聞くと、一気に身近に感じられてくるのは気のせいではないでしょう。これなら日本でも無理なく乗れそうなサイズですよね。それにエンジン排気量はわずか2.0Lだから、燃費も毎年の自動車税も国産車感覚。そのうえ価格も570万円からと、インポートのプレミアムブランドとしては想像以上にフレンドリー。実はキャデラックって、イメージ以上に身近な存在なのです。

Cadillac XT4×藤木由貴
Cadillac XT4×藤木由貴

そんなキャデラックXT4の日本仕様は、「PREMIUM(プレミアム)」「PLATINUM(プラチナム)」、そして「SPORT(スポーツ)」と3つのグレードで展開。今回は人気のグレード「PLATINUM」と「SPORT」のキャラクターに迫りつつ、そしてどんな人とマッチングがいいかを探ってみましょう。

●キャデラックらしさが光り輝く「XT4 PLATINUM」

Cadillac XT4 PLATINUM×藤木由貴
Cadillac XT4 PLATINUM×藤木由貴
Cadillac XT4 PLATINUM×藤木由貴
Cadillac XT4 PLATINUM×藤木由貴

キャデラックらしい煌びやかさを求めるなら、なんといっても「PLATINUM」。エクステリアはサイドウインドウ周囲のクロームをはじめ、車体下部やルーフレールにシルバーをあしらっていかにも高級車然としたスタイル。ドアノブにもクロームを入れるなど細部までこだわりが貫かれ、これぞまさにキャデラックといったオーラです。

インテリアは丹念に仕上げられた肌触りのいいレザーシートはもちろん、本杢目のウッドパネルをコーディネート。この本杢目のパネルと本物の金属による細部の飾りが織りなすコラボレーションは、まさにアメリカンラグジュアリーらしい贅沢さの真骨頂ですね。

Cadillac XT4 PLATINUM×藤木由貴
Cadillac XT4 PLATINUM×藤木由貴

また、後席頭上までガラスとする大開口部かつ電動チルト&スライドで開放できるサンルーフを標準採用するなど、上級装備でも他のグレードをリード。まさに最上級仕様です。

Cadillac XT4 PLATINUM×藤木由貴
Cadillac XT4 PLATINUM×藤木由貴

そんな「PLATINUM」がどんなキャラクターかといえば、豪華絢爛。贅を尽くしていたかつてのキャデラックらしさを現代に受け継ぐスタイルといっていいでしょう。まるでアメリカ大統領が大統領専用車の移動で味わっているような、アメリカンラグジュアリーの世界にどっぷり浸りたい人におススメです。まさに『これぞ迷いなきキャデラックの本流』ですね。都会の夜によく似合う。

●もはやサスペンションもソフトなだけではない!

ところで、キャデラックといえばいかにもアメ車らしいソフトなサスペンションでスポーティとは無縁。そう認識している人も少なくないでしょうね。

Cadillac XT4 PLATINUM
Cadillac XT4 PLATINUM

でも、実はそうじゃない。近年のキャデラックは、ドイツにある過酷なサーキットでスポーツカーの聖地ともいわれる「ニュルブルクリンク」で走行テストを行うほど走行性能を磨き、ドライバーが積極的に運転を楽しめるようなスポーティテイストも盛り込んでいます。

Cadillac XT4 SPORT
Cadillac XT4 SPORT

そんな新しい風はしっかりとXT4にも注がれていて、乗り心地の犠牲なくシャープに走れるハンドリングが自慢。それが、単にラグジュアリーなだけではないキャデラックの新しい表情といっていいでしょう。

●新時代のキャデラックの象徴「XT4 SPORT」

Cadillac XT4 SPORT×藤木由貴
Cadillac XT4 SPORT×藤木由貴
Cadillac XT4 SPORT×藤木由貴
Cadillac XT4 SPORT×藤木由貴

「SPORT」はまさに、そんな新時代のキャデラックを象徴する仕様。従来のきらびやかなキャデラックとはひと味もふた味も違うのです。

たとえばエクステリア。メッキの装飾はフロントグリルの縁取りなど最小限とし、サイドウインドウの周囲やルーフレールなど「PLATINUM」ではクロームやシルバーとしている部分までブラックアウトして引き締まった雰囲気。テールランプのレンズも「PLATINUM」のレッドに対して「SPORT」はクリアタイプとするなど、「そんなとこまで?」というくらい細かく作り分けているこだわりに驚きます。

Cadillac XT4 SPORT
Cadillac XT4 SPORT

ブレーキキャリパーはいかにもスポーツモデルらしさを主張する赤とし、軽快な5スポークデザインのホイールと合わせて足元をスポーティに演出。かつての価値観でいえばキャデラックとは思えない仕上げですが、これこそ今のキャデラックを象徴する仕様といえるかもですね。

●内装の違いも「SPORT」の証

Cadillac XT4 SPORT×藤木由貴
Cadillac XT4 SPORT×藤木由貴

インテリアもレッドのステッチを入れたレザーシートにカーボンのパネルをコーディネートし、パンチングレザーのステアリングやアルミニウム製スポーツペダルを組み合わせるなど、かつてのキャデラックでは考えられなかったようなスポーティさ。フロントシートは背もたれのサイドサポートの形状(サイドボルスター)を電動で調整できるなど、機能的にもスポーツドライビングを支える装備を搭載。見た目だけではないのです。

見た目だけじゃないと言えば、走りを支える足回りには「リアルタイムダンピングサスペンション」と呼ぶ路面に応じて減衰力をリアルタイムで調整するダンパーを組み込んでいるのも特徴。他のグレードよりも路面をしっかりとらえつつ、乗り心地も犠牲にしない「SPORT」だけの高度なメカニズムを搭載しているのも、そのキャラクターを語る上で欠かせないところです。

Cadillac XT4 SPORT
Cadillac XT4 SPORT

付け加えると、XT4のインパネは全モデルともセンターが乗員側へ張り出していて、ドライバーの手がスイッチに届きやすく操作しやすいのも好印象。装備や走りをスポーティにするだけではなく、クルマ全体としてドライバーズカーの理想を求めていることが理解できます。いいじゃないですか。こういうキャデラックなら乗りたい、という人も実は多いのではないでしょうか。

Cadillac XT4 SPORT×藤木由貴
Cadillac XT4 SPORT×藤木由貴

もしかすると、「SPORT」グレードやXT4のドライバーズカーとしての理念を見て「そんなのキャデラックじゃない!」と思う人もいるかもしれません。だけど、高級ブランドだって伝統を守るだけでなく時代に応じた進化が大切。こうして新しい方向にも目を向けることで、今の時代にあわせた『好まれるブランド』に進化しているのです。

●どちらもキャデラック。迷うこと無い「PLATINUM」と「SPORT」

Cadillac XT4 PLATINUM
Cadillac XT4 PLATINUMのタイヤ&ホイール
Cadillac XT4 SPORT
Cadillac XT4 SPORTのタイヤ&ホイール

さて、キャデラックXT4は「PLATINUM」と「SPORT」のどちらがいいか?

それはユーザーの好み次第。そして方向性が大きく違うので選びやすいと言えるでしょう。

そして間違いないのは、どちらを選んでもキャデラックらしさを存分に味わえること。日本でも扱いやすいサイズ、ハンドリングを語れるドライバビリティ、上質な仕立て。そんな基本はXT4全車に共通する魅力。そのうえで、キャデラックの正統派といえる「PLATINUM」にするか、それとも新しい扉を開いた「SPORT」にするか。選ぶのはあなた次第です。

Cadillac XT4×藤木由貴
Cadillac XT4×藤木由貴

キャデラック XT4 主な特徴】
フロントオートマチック歩行者対応ブレーキ/新世代キャデラックユーザーエクスペリエンス8インチカラーインフォメーションディスプレイ/オートマチックパーキングアシスト/Bose®サラウンドサウンド 13スピーカーシステム/Bose®アクティブノイズキャンセレーション/AM/FMラジオ、Bluetooth®(電話/オーディオ接続機能)、SMS機能/Apple CarPlay®、Android Auto®対応/ハンズフリーパワーテールゲート

●PLATINUM(主な特徴に以下が追加)
リアオートマチックブレーキ/アダプティブクルーズコントロール/ワイヤレスチャージング機能/空気イオン化・除菌機能/運転席・助手席マッサージ機能/カラー表示ヘッドアップディスプレイ/ウルトラビューパノラミック電動サンルーフ(サンシェード付)

●SPORT(主な特徴に以下が追加)
アルミホイール(20インチ ツイン5スポークダイアモンドカット チタンサテンフィニッシュ)/レッドブレーキキャリパー/グロスブラックルーフレール・グロスブラックメッシュグリル/アルミニウム製スポーツペダル/スポーツフィニッシュフロントシルプレート/スポーツレザーステアリングホイール/バリアブルリアルタイムダンピングサスペンション

【SPECIFICATIONS】
車名:Cadillac XT4 PLATINUM/SPORT
全長×全幅×全高:4605×1875×1625mm
ホイールベース:2775mm
車両車重:1780kg(PLATINUM)/1760kg(SPORT)
乗車定員:5名
エンジン:水冷4サイクル4気筒直列/LSY
エンジン排気量:1997cc
ボア×ストローク:83.0×92.3mm
最高出力:169kW(230ps)/5000rpm
最大トルク:350Nm(35.6kgm)/1500〜4000rpm
燃料:61L/無鉛プレミアムガソリン
駆動方式:全輪駆動(選択式)
トランスミッション:9速AT
ステアリング形式:ラック・ピニオン式(電動倍力式)
サスペンション (前/後):マクファーソン式/マルチリンク式
ブレーキ (前/後共):ディスク
タイヤサイズ (前/後共):245/45R20 99V
ホイール:アルミホイール 20インチダイナミック9スポーク ダイアモンドカットミディアムアンドロイドフィニッシュ(PLATINUM)/アルミホイール 20インチ ツイン5スポーク ダイアモンドカット チタンサテンフィニッシュ(SPORT)
車両本体価格(税込):6,700,000円〜(PLATINUM)/6,400,000円〜(SPORT)

(文:工藤 貴宏/写真:田村 弥/Model:藤木 由貴/取材協力:PICAリゾート PICA富士吉田 )

【キャデラックXT4公式ページ】https://www.cadillacjapan.com/suvs/xt4

●キャデラックXT4 × 藤木由貴 画像ギャラリー

●キャデラックXT4 PLATINUM × 藤木由貴 画像ギャラリー

●キャデラックXT4 SPORT × 藤木由貴 画像ギャラリー

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この記事の著者

工藤貴宏 近影

工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。現在の愛車はルノー・ルーテシアR.S.トロフィーとディーゼルエンジンのマツダCX-5。
AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。
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