新開発CVTを設定した新型ハイゼット・カーゴ、アトレー、ハイゼット・トラックはどう進化した？

公開日 2021/12/22 07:03
著者塚田勝弘

■年々、快適性が重視される軽バン、軽トラの世界

ダイハツは、2021年12月20日に軽商用バンのハイゼット・カーゴ、アトレー、ハイゼット・トラックを約17年ぶりにフルモデルチェンジし、発売しました。後述しますが、ハイゼット・トラックは、ビッグマイナーチェンジになります。

新型ダイハツ・アトレーのエクステリア

新型では、従来設定されていた5ナンバーのアトレーワゴンが廃止され、4ナンバーのアトレーのみとなっています。5ナンバーのニーズが少なくなっていて、さらに、ダイハツではウェイクという超スーパーハイトワゴンなどにニーズが移行しているという事情があるようです。

新型ハイゼット・カーゴの外観

さらに、このクラスは、乗用ニーズであっても後席まで人が乗る機会は少なく、2人までという方が大半なのでしょう。5ナンバーにすると、後席側面にもエアバッグを張り巡らせる必要があり、せっかくの広大なスペースがその分狭くなってしまうといった事情もあるとのこと。

新型ハイゼット・カーゴ　のラゲッジスペース

さて、今回は新世代プラットフォームであり、新しいもの作りの考え方である「DNGA」がハイゼット・カーゴ、アトレーに初めて適用され、フルモデルチェンジになります。

ハイゼット・トラックは、先代の車体を踏襲しながらも「DNGA」の考えに基づき、新開発された小型FR用CVTや最新の「スマートアシスト」などが投入されています。

新型ハイゼット・カーゴのインパネ

この記事では、3モデル共通の進化ポイントをチェックします。「DNGA」化により、パワートレーン、4WD、ボディやシャーシ、先進安全装備が大きく進化。小型化された新開発CVTは、軽商用車の床下に収まるようになり、パッケージングの面で有利になるだけでなく、燃費や発進性、静粛性などを大幅に向上したとしています。

ビッグマイナーチェンジを受けたハイゼット・トラックのエクステリア

軽バンは、函館や横浜、神戸や長崎などの急な登り坂が多い地域でもしっかりしたトラクションが必要になります。この点も新開発CVTは、レシオカバレッジ（変速比幅）の拡大により、発進時のローギヤ化が図られていて、こうした地域での実際のテスト走行でも実証ずみだそう。

燃費は2022年度から小型貨物車に新たに適用される商用CAFE規制の基準値をクリアします。

薄型化された新開発CVT

さらに、年々ニーズが高まる2ペダル車がCVT化されただけでなく、同CVTにクラス初の電子制御式4WDが採用され、スイッチ操作で2WD、4WDオート、4WDロックの3モードから選べるようになったのも朗報です。

4WDロックにすれば、雪上や泥濘路でも高い走破性を確保しながら、ドライ路面でのタイトコーナーブレーキング現象を抑制。ほかにも、電動格納式リモコンドアミラー、プッシュ式エンジンスターターも設定。

「スマートアシスト」の作動イメージ

さらに、「スマートアシスト」が最新バージョンになり、軽乗用車やコンパクトカーで採用されている最新のステレオカメラになり、新型3モデルに搭載。衝突被害軽減ブレーキなどの対応速度を向上させ、車両と歩行者だけでなく、オートバイ、自転車、夜間の歩行者検知も可能になっています。さらに、ペダル踏み間違い事故を防ぐ装備（前後）をMT車にも用意されています。