■ブラック・バッジはロールス・ロイスがおススメするカスタムプランの1つ
ロールス・ロイス・モーター・カーズは、2021年11月17日にブラック・バッジ・ゴーストを発表すると同時に、国内受注を開始しました。
ゴーストはロールス・ロイスサルーンの中でコアモデルという位置づけで、先代モデルは10年間のモデルライフにおいて、116年の歴史の中で最も多くの販売台数を記録したモデルとなっています。
現行型ゴーストは、アルミ製のスペースフレームアーキテクチャーを使用。さらに、スペースフレームの二重構造のバルクヘッドとフロア構造のパッケージングも大幅に改良されています。
さらに、4WDシステム、4WSシステム、そして、設計を一新したプラナー・サスペンション・システムを搭載するために行われ、「マジック・カーペット・ライド」と呼ばれるロールス・ロイス特有の乗り味はさらに進化しています。
搭載されているエンジンは、ロールス・ロイスの6.75L V型12気筒ツインターボガソリンで、ゴースト専用にチューニングが施され、最高出力571ps、最大トルク850Nmを発生。トランスミッションは8速ATが組み合わされ、駆動方式は4WDとなります。
今回発表されたブラッグ・バッジ・ゴーストは、ポスト・オピュレンス(脱贅沢)をダークに表現するモデルです。
ブラッグ・バッジはダークな美学、主張するキャラクター、大胆なデザインを求めるユーザーの要望に応えるべく、ロールス・ロイスが2016年に常設型ビスポークモデルとして導入しました。2ドアクーペのレイスと先代ゴーストから始まり、2017年にはオープンモデルのドーン。2019年にはSUVのカリナンに導入されています。
ロールス・ロイス・モーター・カーズ広報のローズマリー・ミッチェルさんに、現在のロールス・ロイスの販売状況を聞いてみました。現在2021年上半期で販売台数が多いのが、最もフレッシュなモデルのゴーストとなっていて、SUVのカリナンは安定した人気とのことです。
ビスポークモデルのブラッグ・バッジは全世界では27%のシェアを占めていますが、日本市場では52%と、半数以上がブラッグ・バッジとなっているのが特徴です。
さらに、ユーザーは自分の好みに合わせたボディカラー、内装色、素材を選ぶオーダーメイドの方式を取っています。したがってプレスリリースにもブラッグ・バッジ・ゴーストの車両本体価格は4349万円から…と記載していて、このプライスが出発点となっていることを示しています
たとえば、2021年4月にファントム・オリベというモデルを発表しました。このクルマのオーナーはクルマ好きと知られている前澤友作氏。ボディカラーは、グリーンとクリーム色の織部焼をモチーフとしています。また内装は、主にエルメスのエニアグリーンレザーで仕上げています。価格は数億円と言われているように、ロールス・ロイスの各モデルは、いわゆる“吊し”のモデルはなく、オーナーの好みに合わせて1台1台仕立てられているそうです。
最も安いゴーストでも約3667万円~というロールス・ロイス。家を購入するのと同じであれば、自分の好みに仕立てたくなると思います。
したがって、街で見かけるロールス・ロイスは、同じモデルでも微妙に異なっているのということになります。
(文:萩原 文博/写真:ロールス・ロイス・モーター・カーズ、萩原 文博)