■両側に引き戸とサイドウィンドウが付いた乗用車バージョン
フォルクスワーゲン(VW)は現在、次世代ミニバン「ID.BUZZ」を開発していますが、その最新プロトタイプを捉えるとともに、そのキャビン内を鮮明に撮影しました。
ID.BUZZはカーゴバージョンと乗用車バージョンで提供されるフルエレクトリックバンで、そのルックスは、Tシリーズの前身である「タイプ2」(通称ワーゲンバス)の再来とよばれています。
2017年に初めてコンセプトカーが公開、4年の歳月を経ていよいよ市販型がワールドプレミアされます。
9月には「IAAモビリティ2021」にて「ID.BUZZ」プロトタイプが公開されましたが、後部ウィンドウはパネルで覆われたカーゴバージョンでした。
また、これまで捉えたスパイショットもパネルバンだったため、両側に引き戸とサイドウィンドウが付いた乗用車バージョンは今回が初めてです。
捉えたプロトタイプは、高度な自動運転システムを開発するための一連のカメラとセンサーを搭載しています。ヘッドライトは、テープでカモフラージュされ黒い部分がフェンダーまで伸びていますが、実際はもっとコンパクトになるはずです。またテールライトも同様に、よりワイドなデザインに偽装しています。
キャビン内では、ハンドルの奥に湾曲したデジタルメーターパネルを装備、中央のダッシュボードには大型のフローティングスタイルのタッチスクリーンを配置するなど、IDファミリーがインテリアデザインの多くを共有していることがわかります。
ID.BUZZはID.4と共有する「MEB」プラットフォームを採用。48kWh~111kWhのバッテリーを積み、3つのパワーレンジが選べます。ベースモデルは後輪駆動で、最高出力は200psを発揮。AWDはオプションとなり、最高速度は160km/hに設定されます。
さらに111kWhバッテリーを積むトップモデルは、前後車軸にモーターを搭載、システム合計300psを発揮し、航続は342マイル(550km)を実現。また太陽光を利用して航続距離を最大15km伸ばすソーラーパネルルーフが用意されるといいます。
令和のワーゲンバスとも言えるID.BUZ市販型の発売は、欧州市場が2022年内、米国市場は2023年の発売が予想されています。