■VIP向けのリヤシートを備えた「A8 L」もラインナップ
ドイツのアウディAGは、2021年11月上旬に最上級サルーンのアウディA8をフェイスリフトするなど、マイナーチェンジを施しています。
新型A8の全長は5.19m、全幅は1.95m、全高は1.47m。なお、S8は、全長が約10mm長くなっています。A8のボディは「アウディスペースフレーム(ASF)」が採用されていて、ボディの58%はアルミニウムコンポーネントで構成されています。
パッセンジャーコンパートメントは、熱間成型されたスチール製のコンポーネントから構成されていて、さらに超高強度で非常にねじれ剛性の高いカーボンファイバー強化プラスチック製のリヤパネルにより強化されています。
今回のフェイスリフトでは、顔つきを印象づけているシングルフレームグリルがワイドになり、拡大されたクロームアングルが下から上に伸びています。
また、サイドエアインテークが直立したデザインになったことで新鮮味を感じさせます。サイドビューでは、フラットなルーフラインがボディ全体の長さを強調しているのが特徴。ワイドなホイールアーチは、quattroドライブシステムの存在を暗に示しています。
ロッカーパネルも刷新され、その下端にはブレードを用意。リヤまわりは、ワイドなクロームライン、デジタルOLEDテクノロジーを備えるテールライト、こちらもワイドなライトストリップが印象的。
バンパーのディフューザーインサートは、より繊細なアクセントになり、水平バーとともにデザインが見直されています。また、排気フローが最適化された4本出しの丸形テールパイプも目を惹きます。
標準仕様に加えて「クロームエクステリアパッケージ」が設定されたのに加え、さらにA8初となる新しい「S lineエクステリアパッケージ」も用意されています。
ボディカラーは、新色の「メタリックディストリクトグリーン」、「ファーマメントブルー」、「マンハッタングレー」、「ウルトラブルー」を含む11色を用意。また、「デイトナグレー」、「フローレットシルバー」、「ディストリクトグリーン」、「テラグレー」、「グレイシャーホワイト」の5つのマットカラーを新たに選択することも可能で、「アウディエクスクルーシブプログラム」を使えば、好みのカラーを自由に選択することもできます。
アウディといえば、先進のヘッドライトも特徴で、新型A8はデジタルマトリクスLEDヘッドライトを搭載。「DMD(デジタルマイクロミラーデバイス)」テクノロジーが採用されていて、約130万個ものマイクロミラーを備えています。光を小さなピクセルに分散させることにより、ヘッドライトの光軸を非常に高い精度で制御することが可能になったそうです。
最上級サルーンにふさわしいインテリアも見逃せません。
「アンビエントライトパッケージプラス(アウディデザインセレクションとS8に標準装備)」は、インテリアをエレガントに演出し、リヤシートにはマトリクスLEDテクノロジーが採用された、リーディングライトを設置。
後席でのトピックスは、「A8 L」のリラクゼーションシート。数多くの調整オプションに加えて、フロントシート背面にフットレストが装備されます。乗員はフットレストで足を温めたり、強さを調整可能なマッサージ機能を利用することができます。もちろんマッサージ機能やテーブルが備わるほか、4ゾーンデラックスオートマチックエアコンディショナー、新しいリヤシート用ディスプレイも用意。
「アウディエクスクルーシブプログラム」では、バーコンパートメントを含むクーラーも用意され、後席の快適性がさらに高められています。
●プラグインハイブリッドも設定
エンジンラインナップは5種類。「3.0 TDI」と「3.0 TFSI」は3.0L V6エンジン。A8とS8に搭載される4.0LのV8エンジンの「4.0 TFSI」には、「シリンダーオンデマンド (COD) 」テクノロジーが採用されています。
また、「TFSI eプラグインハイブリッド」には、「3.0 TFSI」エンジンとモーターが組み合わされています。
「Audi A8 60 TFSI e quattro」と「A8 L 60 TFSI e quattro」は、プラグインハイブリッドモデル(PHEV)で、リヤに搭載されたリチウムイオンバッテリーの正味エネルギー容量は、14.4kWh(総容量:17.9 kWh)。
340kW(462PS)のシステムパワーと700Nmのシステムトルクを備えた「Audi A8 60 TFSI e quattro(A8およびA8 L)」は、0-100km/h加速を4.9秒でクリアします。
(塚田 勝弘)