先代よりも80mm全長が長くなった新型メルセデス・ベンツCクラスの居住性・積載性は?

■リヤアクスルステアリング装着車は、0.3mマイナスの最小回転半径5.0mを達成

メルセデス・ベンツの主力モデルであるCクラスがフルモデルチェンジを受け、5代目にスイッチしました。

新型のボディサイズ(C200アバンギャルド)は全長4785×全幅1820×全高1435mmで、先代(ローレウスエディション)よりも80mm長くなり、全幅は10mmワイドに、全高は5mm高くなっています。また、ホイールベースは2865mmで、25mmストレッチされています。

メルセデス・ベンツCクラス
新型メルセデス・ベンツCクラス

エクステリアデザインは、ショートオーバーハングに加えて、ホイールベースの延長によりダイナミックな佇まいが印象的。さらに、キリッとしたヘッドライトと、「AMGライン」にはスターパターンのフロントグリルを用意し、ボンネットフードの力強いパワードームにより、スポーティセダンと呼ぶにふさわしい顔つきになっています。

メルセデス・ベンツCクラス
写真は「C200 アバンギャルド(ISG搭載モデル)」で、「AMGライン」などを装着する。オプション込みの価格は774万円

「AMGライン」は、台形型のAシェイプグリルを採用し、ロア部がワイドになる迫力ある造形になります。

メルセデス・ベンツCクラス
「AMGライン」装着車のフロントマスク

一方のリヤまわりは、三角形の横長のテールランプが目を惹きます。ボディ全体のフォルムは、角を丸めた複雑な面と線から構成されていて、ひと目で上質なのが伝わってきます。

ボディサイズの拡大により、前後席の居住性が向上しているのも朗報です。前後席の肩まわり、肘まわりが広くなったほか、後席の足元も拡大。

メルセデス・ベンツCクラス
新型Cクラスのフロントシート。腰まわりのフィット感の高さが印象的

身長171cmの筆者がドライビングポジションを決めた後方(後席)には、膝前にこぶしが縦に2つ半強、頭上には手の平3枚ほどの余裕が残っています。

前席の背もたれ裏は、少しでも膝まわりのスペースを稼ぐべく、大きくえぐられた(凹んだ)ような形状になっていて、足元の広さを実感できます。

メルセデス・ベンツCクラス
新型メルセデス・ベンツCクラスは、先代よりも後席の足元、頭上空間が拡大した

また、前席座面下には、つま先が入る程度ですが、先述したように膝まわりの余裕が拡大したため、先代よりも足元、頭上ともに余裕を感じさせるのは朗報でしょう。

トランク容量は455Lで、荷室奥行き、荷室幅は同クラスでは十分に広いといえるでしょう。後席は先代と同様に、「40:20:40」の分割可倒式が採用されています。荷室のスイッチにより後席背もたれの前倒しが可能。

Sクラス譲りの最新世代のデザインが採用された新型Cクラスは、全長とホイールベースが長くなったものの、最小回転半径は5.3mから5.0m(リヤアクスルステアリング装着車)になるなど(リヤアクスルステアリング非装着車は5.2m)、小回り性能はむしろ向上しています。

メルセデス・ベンツCクラス
新型メルセデス・ベンツCクラスのトランク

駐車場や道路事情などから取り回しが気になる方は、リヤアクスルステアリング装着車がオススメです。

塚田 勝弘

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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