語呂合わせで「119番」の日/徳川慶喜が大政奉還/マークIIの後継トヨタ・マークXデビュー!【今日は何の日?11月9日】

■今日は「119番の日」、徳川慶喜が二条城にて大政奉還を奏上

ダイヤル式電話機
ダイヤル式電話機

今日は、語呂合わせで「119番の日」です。緊急の消防や救急の依頼をする電話番号は、なぜ119なのでしょうか?これを説明するためには、昭和の時代に使われていたダイヤル式電話まで遡る必要があります。まず緊急電話番号は誰もが覚えやすい3桁とされ、最初は回す距離が短い112が選ばれましたが、慌てて111とするなどかけ間違いが多かったそうです。そこで3桁目は1から最も遠い9として、119になったのです。110番も同じ理由ですが、タッチ式となった今は、もう意味がないように思いますね。

徳川慶喜が大政奉還を奏上した二条城
徳川慶喜が大政奉還を奏上した二条城

また1867年(慶応3年)のこの日、徳川15代将軍の徳川慶喜が朝廷(天皇)に統治権を返上した「大政奉還」が行われました。薩長が武力で幕府を倒そうとしていたので、幕府としては倒される前に政権を返上したのです。よく言えば国内に混乱が起こるのを避けるため、悪く言えば慶喜が生き残りたいために放棄した、と言えそうですが、見方によってよくも悪くもなるのが歴史の面白いところですね。

さて、クルマ界の今日は何があったのでしょう?

●セダン復活を担ったトヨタのマークX登場!

2004(平成16)年のこの日、トヨタの高級セダン「マークX」がデビューしました。1980年代に高級セダンの「ハイソカーブーム」を牽引した「マークII」の後継車です。一世を風靡したマークIIも初代から30年を過ぎ、その勢いに急速なブレーキがかかりました。セダンのユーザーが、SUVやミニバンなどに流れたためです。

2004年発売のマークX、スタイリッシュなFRセダンをアピール
2004年に発売されたマークX。スタイリッシュなFRセダンをアピール
2004年発売のマークXの後ろ外観、やや丸みを帯びたダイナミックなリアスタイル
マークXの後ろ外観。やや丸みを帯びたダイナミックなリアスタイル

マークXは、セダン復活を成し遂げたいという強い想いから新世代のFR高級セダンを目指しました。ネーミングは、将来への期待と可能性を込めて数学で未知数を意味する”X”を採用。また初代マークⅡからカウントすると、10代目(Xはローマ数字で10)に相当したからです。

2004年発売のマークXのシックで上質なインテリア
マークXのシックで上質なインテリア

ターゲットユーザーは、マークⅡよりも一世代若い40歳代半ばから50歳代半ばに引き下げられました。クラウンと同じプラットフォームを使いながら、全長は110mm、全幅と全高は5mm短縮され、最大の特徴はフロントフードを長くしたスポーティなフォルムでした。パワートレインは2.5Lと3.0LのDOHCエンジンで、いずれも長年採用してきた直6からV6へ変更、トランスミッションは6ATおよび5ATを用意しました。これは、2003年発売の12代目「クラウン」と同じ仕様ですが、マークXの方がボディが軽いので当然ながら軽快でスポーティな走りが実現されました。

また、当時最新の安全技術を採用。ステアリングに連動してヘッドライトの光軸を左右に動かす「インテリジェントAFS」や急旋回時の車両の安定性を確保するVSC、発進・加速時にタイヤの空転を抑えるTRCなどです。

ユーザーの若返りを図った新世代セダンのマークX。販売台数は目標に近いレベルを維持しましたが、狙いであったユーザーの若返りについては思惑通りにはいきませんでした。ユーザーのライフスタイルが多様化してセダンに冬の時代が到来。マークXも2009年に2代目へと進化したものの3代目は登場せず、2019年に生産を終えました。

毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかも知れません。

Mr.ソラン

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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