フィアット、ルノー、まさかのアウディに想いを馳せる【東京でクルマ買っちゃいました日記・第2回 クルマ選び編】

■駐車場を借りてしまい、クルマを買おうと初めて思ったのだが…

●クルマは欲しい、けれど早速立ちはだかった2つのハードル

38年間生きてきて、人生で初めてクルマというものと向き合う日々がスタート
38年間生きてきて、人生で初めてクルマというものと向き合う日々がスタート

前回、勢い余って駐車場を借りてしまった、ライター半澤です。

ボクは初めて自分の中に生まれた「クルマ買おう」という気持ちの萌芽に正直戸惑っていました。クルマを買うという行為には2つのハードルがあったのです。

まずは当たり前だけどお金。

だって、クルマってほらお高いんでしょう。それまで、ボクが自分のお金で購入したもので一番高いものは、23歳、フリーターの頃にローンを組んで購入した13万円のギブソンのギターか、今年調子に乗って買った新型iMacか。

じゃぶじゃぶお金は使うクセにそれは日々の飲み代が主、大きな買い物には不慣れなのです。ゆえにクルマを買うという行いが、どんなことなのか想像すらつかずぼんやり。そもそも中古、新車どちらにするかすらイメージしていませんでした。

そして、2つ目のハードルは自分にとってクルマがあまりに「大人な」存在だということ。

ボクは不惑が間近に迫った38歳、独身。当然、子どももいません。気ままな一人暮らしを20年近く送ってきてしまったために、精神年齢は高校生くらいでストップ。好きな本やマンガを読み、好きな音楽を聴き、好きな映画でも眺めていらればそれで良い…。

そして仕事にかまけてそんなインドアな趣味すらおろそかにという体たらく。クルマなんて、あまりに程遠い存在、クルマはあまりに「大人な」ものなのでした。

四半世紀近くピーターパンシンドロームにかかっているおっさんに、果たしてクルマを買うことはできるのだろうか。そんなことを考えると億劫にすらなってきます。

ただ、第1回で書いたように、目の前には借りてしまった駐車場が。毎月2.4万円の高額サブスクを始めてしまったからには、やはり素敵なクルマを買わねば!

ということでボクは重い腰を上げることにしました。

●輸入車という選択肢があることに気づき、やる気が爆上がり

いや、正確にいうと重い腰を上げるきっかけとなったのは友の助言でした。心折れそうになっていたボクを奮い立たせてくれたのは、第1回にも登場したカメラマンFさん。

彼とまたまた飲んだ折、ボクはクルマを買おうか迷っていることを告げました。するとFさんはこう言うではありませんか。

「そりゃ半澤さん、もう外車いっちゃうしかないのでは」。

ビールをあおっていた手を止め、ボクは宙を見やりました。なるほど、その手があったか。ここまで書き連ねたように、ボクはクルマを買うなんて想像すらできていなかったおっさん。クルマというだけでも背伸びしまくりなのに、輸入車。

え、それは本当考えてなかった!

FさんはJeepに乗るザッツカメラマン。輸入車はやはり「男のロマン」と彼は話しました。そしてこうも語ってくれました。

「意外と輸入車って安いんですよ。BMWとかベンツとかは中古で高いものもありますが、高級車でなければ選択肢になります」。

なるほど、サッと調べてみると数十万円でもおしゃれな輸入車を買えるという事実を知りました。

確かに見た目も素敵だし、人が乗っていないような珍しいクルマも選べる。そもそも高いとか、修理に金がかかるとか、いろいろ大変そうなのはわかっていましたが、せっかく買うのなら…という想いが一気に高まりました。

こうして、まさかの中古輸入車を筆頭候補としての、クルマ探しが始まったのです。

●フィアットにルノー、シトロエンにぞっこん。なんとアウディも候補に

クルマ探しの手段というと、今の時代やはりネット検索。多くのサイトが実に使いやすく、輸入車でも全国各地のクルマが気軽に見られる!

ここまで二の足を踏んでいたボクですが、いざクルマを探してみると、これが楽しくて楽しくて完全に虜に。仕事をしている時間以外は検索に明け暮れ、パソコンでもスマホでも暇さえあればクルマを調べまくりました。

そこで分かったことが「排気量」が大事ということ。これまでクルマの排気量など気にせず生きてきましたが、この数字が小さければ小さいほどクルマも当然コンパクトで、そして燃費も良いものが多いということがわかってきたのです。

Mira Gino
実家から一時上京したミラ・ジーノ

第1回に書いた通り、実家が所有しているクルマはダイハツ「ミラ・ジーノ」。そのことからわかるように、ボクは買うのならばやはり小さくて、かわいい、乗りやすそうなクルマが良いのではと思いました。

また輸入車となるとガソリンはハイオク。クルマに使える予算が潤沢でない身としては、燃費の良いクルマにしたいというのは当然の流れでした。

それで調べてみると「ミラ・ジーノ」そっくりでおなじみ、MINIは排気量1200ccとか1600ccまでいっちゃうんですね。MINIというほど小さくない! これには驚きました。

なので、検索時には「走行距離」「年式」を見て車体が古すぎないかをチェックしつつ、排気量が少なく小さなクルマを探し続けました。

そうすると、輸入車多しといえど候補になるクルマは一気に絞られます。900ccからのモデルがある、フィアット「500(チンクエチェント)」、ルノー「トゥインゴ」。1200ccだけど小さくてかわいくて窓が大きいシトロエン「C3」。

そして、990cc〜と意外と排気量が少ないアウディ「A1」。え、うそでしょ、ボクがアウディオーナーに!? お気づきかもしれませんが、こいつ排気量を追いすぎて金額は一回忘れております。アウディなんてムリ、ムリ。


ということで次回第3回【訪問営業編】。ついにディーラーの営業と対峙してみることに。はてさてどうなることやら。

(半澤 則吉)

この記事の著者

半澤 則吉 近影

半澤 則吉

1983年福島県生まれ。お金、レシピ、収納といった日々の暮らしまつわる事柄を専門とするライター。町中華を巡る町中華探検隊、ドラマライターとしても活動する。会社員時代にスズキスイフト(2代目)に乗っていた以外車との関わりはなく、父がスバルの歴代の名車を乗り継ぎ、母がダイハツミラジーノを愛車としているため、輸入車とは縁のない人生を送ってきた。
が、一念発起しフランス車を購入。車のある人生にわくわく中。
続きを見る
閉じる