450km〜650kmの航続距離を実現するBMWの次世代EV「iX」が発売開始。価格は981万円〜1116万円

■上位モデルの「BMW iX xDrive50」は、約80%の充電状況でも約500kmの走行が可能

BMWは、i3(レンジエクステンダー付含む)、プラグインハイブリッドのスポーツカーであるi8を投入し、欧州メーカーの中でもEVやPHEV、走行テストを重ねてきたFCV(トヨタと共同開発)などの電動化でも先行してきた感があります。

一方でBMWに限りませんが、人材の争奪戦でEVなど電動化を担うエンジニアの引き抜きがあったのでは? という報道も一部で昔からされていました。

BMW iX
「BMW iX xDrive50」のエクステリア

また、EVで先行するテスラだけでなく、フォルクスワーゲングループやメルセデス・ベンツ(ダイムラー)など、他メーカーの電動化も急という印象を受けます。そんな中、BMWが次世代電気自動車を謳うEVの「iX」「iX3」が2021年11月4日に発表・発売され、BMWも電動化攻勢をさらに加速させます。

BMW iX
「BMW iX xDrive40」のリヤビュー

BMW iXは「SAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)」をベースにしながらも、コンセプトやデザイン、パワートレインなども含めてBMWが次世代を見据えて開発したモデル。

ボディサイズは、全長4955×全幅1965×全高1695mm。ホイールベースは3000mm。なお、BMWは「CLAR(Cluster Architecture)」と呼ぶ、ICE(内燃機関)も使うプラットフォームを使いながら高効率な開発を推進しています。

BMW iX
BMW iXの充電イメージ

次世代EVの「iX」は、大型のリチウムイオンバッテリーを搭載し、1充電あたりの航続距離は「BMW iX xDrive40」が450km、「BMW iX xDrive50」は650kmに達し、現在のEVの中でもトップクラスといえる走行距離を実現しているそう。

気になる価格は、前者が981万円、後者が1116万円です。

BMW iX
BMW iXのインパネ

充電は、急速充電器の場合、最大150kWでの充電が可能で、普通充電の設備では最大11kWでの充電が可能。150kWの急速充電を使うと40分以内で約80%までの充電が完了し、約500kmの長距離走行に対応します。

10分間の急速充電でも約100kmの航続距離を確保でき、ロングドライブを含めた良好な使い勝手を実現。また、普通充電では約7時間で、0%から満充電まで充電することが可能で、一晩あれば十分な充電量を確保できます。

BMW iX
BMW iXのフロントシート

駆動方式は、グレード名にある「xDrive」からも分かるように前後にモーターを備えた4WD。

「BMW iX xDrive50」は、前輪を最高出力190kW、最大トルク365Nmを発揮するモーターと、後輪を最高出力230kW、最大トルク400Nmのモーターを装備。システムトータルの最高出力は、385kW、最大トルクは765Nmに達します。

リチウムイオン電池の容量は303Ahで、一充電走行距離は先述したように650km、交流電力量消費率は190Wh/km。「BMW iX xDrive40」は、前輪を最高出力190kW、最大トルク290Nmを発揮するモーターが駆動し、最高出力200kW、最大トルク340Nmのリヤモーターが後輪を駆動。

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BMW iXのリヤシート

システムトータルの最高出力は240kW、最大トルクは630Nm。リチウムイオンバッテリーの容量は、232Ah。一充電走行距離は450km、交流電力量消費率は183Wh/kmとなっています。

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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