ヤマハ発動機がインドで電動アシスト自転車用モーターユニットの製造を行う合弁会社を設立

■インドだけでなく、欧州など電動アシスト自転車の成長に対応

2021年10月29日、ヤマハ発動機は、インド最大の自転車メーカーであるHERO Cycles社(子会社のHERO Motors社)との間で、電動アシスト自転車用モーターユニットの製造を行う合弁会社の設立に向けた契約に署名した、と発表しました。

ヤマハ発動機は、1993年に電動アシスト自転車(PAS)を世界で初めて発売し、日本国内で確固たる地位を築いています。

ヤマハ発動機
ヤマハ発動機の電動ドライブユニット(E-kit)

この合弁新会社には、ヤマハ発動機が10%、HERO Motors社が90%を出資し、11月末にインドに設立される予定となっています。

ヤマハ発動機は、2018年11月にHERO CYCLE、三井物産との間で、インドでの電動アシスト自転車の事業性検討に関する協業を決定したと発表済みです。2018年の発表では、インドでの電動アシスト自転車事業の可能性を検証するとしていました。同社から電動アシスト自転車の動力源であるドライブユニット(E-Kit)をHERO CYCLEに供給し、同社でこのE-Kitを搭載したHERO CYCLE ブランドの電動アシスト自転車を開発、製造という内容でした。

製造された電動アシスト自転車はHERO CYCLEの販路が活用され、デリーなど限定的な都市で2019年春頃からテスト販売をスタート。 なお、2018年11月の発表では、インドの自転車市場は年間1,500万台規模で推移していたそう。

ヤマハ発動機 PAS
日本向けの電動アシスト自転車(PAS)

さらに、二輪車の総需要は今や年間2,000万台規模に達し、世界第1位になっていました。電動アシスト自転車も二輪車同様に拡大の可能性を期待できる市場と分析していて、今回の合弁新会社の設立につながっています。

また、現在最も大きな電動アシスト自転車市場は、以前から自転車が生活に根付いている欧州で、ホイールの中央にモーターユニットを配置する「ハブモーターユニット」が、市場の約半数を占めているそうです。ヤマハ発動機は、今後、グローバルでの電動アシスト自転車市場の伸長とともに、「ハブモーターユニット」の重要性が高まると分析し、今回の合弁会社設立に向けた署名に至ったそうです。

同社は現在、車体の中央(ペダル周辺)にモーターユニットを配置する「センターモーターユニット」の独自製品を展開。今回の合弁会社で製造を行う「ハブモーターユニット」を併せ持つことで、電動アシスト自転車事業の総合力を引き上げ、事業成長に結びつけていきたい、と表明しています。

塚田 勝弘

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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