日本初の鉄道が開業/試験管ベビー誕生/世界初の量産ハイブリッド「トヨタ・プリウス」発表!【今日は何の日?10月14日】

■鉄道の日、日本で初めて体外受精児が誕生

1872(明治5)年10月14日は、新橋~横浜間に日本で最初の鉄道が開業したことにちなんで、「鉄道の日」と定められています。時速32km/hで新橋~横浜間29kmを50分で運行しました。車両やレールは英国製、最初は機関士と技師とも英国人だったそうです。また、1921(大正10)年の同日には、鉄道開業50周年を記念して東京丸の内北口に「鉄道博物館」(現さいたま市)が設立されました。

また1983(昭和58)年のこの日、東北大学付属病院で「体外受精」の女の子が誕生しました。体外受精は、両親の精子と卵子を体外(試験管)で受精させ、母親の子宮に戻して発育させる手法です。当時は試験管ベビーと呼ばれ、倫理面で大きな議論が交わされました。現在では、体外受精は不妊治療の主流となっており、年に1万人以上生まれているそうです。

さて、クルマ界の今日は何があったのでしょう?

●世界に先駆けて実用化したHVのトヨタプリウス発表!

1997(平成9)年のこの日、トヨタは世界初となる量産型ハイブリッド車(HV)プリウスを発表、発売は同年12月から始まりました。ハイブリッドシステムそのものは新しい技術ではなく、1930年代からあるものですが、それを量産小型車に採用して、圧倒的な燃費向上を実現した点がプリウスのすばらしさです。

1997年発売の初代プリウス
1997年に発売された初代プリウス
1997年発売の初代プリウス、空気抵抗Cd:0.30はセダントップクラス
初代プリウス。空気抵抗Cd:0.30はセダントップクラス

プリウスは、カローラと同等のサイズの4ドアセダンで、ホイールベースを延ばして余裕の室内スペースを確保し、また流麗なスタイリングでセダンとしてはトップレベルの空気抵抗係数(Cd)0.30を達成しました。

トヨタ・ハイブリッド・システム(THS)は、遊星ギアを利用してエンジンとモーターを連結し、状況に応じて巧みに使い分ける方式。通常は、エンジンとバッテリーの両方の動力を適正に使い分け、バッテリーの容量に余裕があればモーター走行、また減速時にはモーターを発電機として使用してバッテリーに充電する回生ブレーキシステムを採用しています。搭載エンジンは、プリウスのために新開発されたアトキンソンサイクルを採用した1.5L直4 DOHCエンジン、これに組み合わせるモーターは出力30kWで、エンジンとモーターを合わせた総合的なトルクは40.5kgmに達します。

インテリアも先進的で、大型のセンターメーター、中央部にマルチインフォメーションディスプレイを備え、オーディオやエアコンの表示に加えて、エンジンとモーター、バッテリー間のエネルギーフローを表示します。

1997年発売の初代プリウスの運転席周り、大きなモニターが目を引く
初代プリウスの運転席周り。中央に配置された大きなモニターが目を引く

初代プリウスの10-15モード燃費は28.0km/L。当時の一般的な4ドアセダンの平均燃費が18.5km/L程度だったので、ハイブリッドの効果は驚異的でした。一方、車両価格は標準仕様で215万円とやや割高でしたが、当時は地球温暖化がクローズアップされた頃。特に米国ではエコカーのシンボルとしてハリウッドスターなどに愛用されるなどの後押しもあり、2000年5月までの累計販売は3万7000台を記録しました。その後プリウスは、THSの改良とともに進化し続け、最新モデルは2015年に登場した第4世代。燃費はもちろん、すべてにおいて他のハイブリッドが手の届かない完成の域に達しています。

とはいえ最近では、ゼロ炭素社会実現のためにハイブリッド車を含めたエンジン車の廃止が世界中で叫ばれています。技術的に優れたプリウスも将来的にみて安泰かどうか、微妙な状況ですね。

毎日が何かの記念日。それではまた明日!

Mr.ソラン

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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