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■誰が雨男? またしても雨でドラマティックな展開に
突然ですが、皆さんは雨女(男)ですか? 胸を張って言います。私は雨女です!
遊びに出かければ雨の予報がなくても小雨が降り、久しぶりに高速に乗ってドライブすれば前が見えないほどのスコールにみまわれ、洗濯物を干して遠出すると雨水が滴り落ちるほどびしょびしょになるのは日常茶飯事。そういえばF1観戦に行っても必ず1日は雨が降っていたような…。
そんなことをついつい思い出してしまった2021年F1第15戦ロシアGP(9月24日〜26日)は、土曜日のフリー走行は雨で中止に。予選は行われたもののウェットコンディションでスタート。決勝ではレース終盤に雨が降り出し、ドラマティックな展開となりました。
それにしても今年のF1、雨が多くないですか!? 一体誰が雨男なのでしょう(個人的予想:ニキータ・マゼピン)。
●ウイリアムズの男気!
ウェットコンディションでスタートし徐々に路面状況が改善していった予選は、いかに早くドライタイヤに交換するかが鍵となりました。
一番最初に動いたのは、絶好調のジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)。Q3残り6分でドライタイヤに交換し、これを見て他のドライバーもぞくぞくとピットイン。全車ドライタイヤになったのですが、率先して交換しにいったウイリアムズが最高にかっこよかった!
最近のウイリアムズ、なんだかキラキラ輝いていますよね。今後の逆転劇が楽しみで仕方ありません!!
いち早いタイヤ交換が功を奏し、3番手を掴みとったラッセルは、予選後のインタビューで「クレイジーだね。チームに本当に感謝しているよ。メルセデスが後ろにいるから大変だろうけれど、ストレートのスピードはあるから、またポディウムに行けたらいいね。明日が楽しみだよ」と自信を見せていました。
そしてラッセルのピットイン直後に動いたカルロス・サインツJr.(フェラーリ)が2番手、ランド・ノリス(マクラーレン)がポールポジションを獲得! いつもの顔ぶれと違う、予選トップ3となりました。タイヤ交換の絶妙なタイミングでここまで順位が大きく変わる。これだから雨のF1って面白いんですよね〜(現地のファン、スタッフ、ドライバーは大変でしょうけれど)。
自身初となるポールポジションを獲得したノリスは、無線で笑いが止まりません(笑)。マシンから降りたらどのような表情を見せてくれるのか楽しみにしていたのですが、予想通り終始ニヤニヤ。
インタビューで今の気持ちを聞かれると「素晴らしい気持ちだよ。言葉がでないね。めちゃくちゃ嬉しいし、チームに感謝している。でも、明日は前向きにはみていないかな。ターン1でトップになっているところを想像していないけど、でも分からないよね」とラッセルと違い、自信がなさそうな姿が印象的でした。
とにかく、嬉しさのあまり「何と言ったらいいか分からないよ」を連発するノリスが可愛くて、可愛くて。髪の毛も寝癖のようにボサボサになっていたし、見ている私までニヤニヤしちゃいました。
●飾らないランド・ノリス
ロシアGPのキーパーソンとなったノリスは、イギリス出身の21歳。いや〜、若い! 私と一回りも違うなんてゾッとします。
2017年にマクラーレンジュニアドライバーになり、翌年にはテスト兼リザーブドライバーへ。そして2019年から正ドライバーとして起用され順風満帆なF1ライフを送っているわけですが、天狗になるわけでもなく誰からも可愛がられている印象です。
モナコGPのサイン会では持って行った手作り応援ボードにニコちゃんマークを書いてくれたり、日本GPで見かけた時はパドック内でチョコレートを配って歩き回っていて「本当にF1ドライバーなの? F1を観に来た学生みたい」と思ってしまったほど(笑)。
でも走り出すと若手ドライバーとは思えないほど冷静で、年々レベルアップしている姿を見て将来トップドライバーになるだろうなと確信しています。
●F1の世界は厳しい
そんなノリスですが、決勝日はいつもの笑顔が消え緊張した表情をしていました。なんだか私まで緊張してきたぞ…。
良い蹴り出しでスタートを切りましたが、ターン2でサインツJr.に抜かれてしまい2番手へ。しかし諦めず追いかけ、13周目のターン13で再びトップに躍り出ました! 凄い、凄いよ、ノリス!!
その後、順調に周回を重ねタイヤ交換もクリア。「このまま勝てるかも!?」と思った46周目(レース残り8周)、運命を変える雨が降り出したのです。スタンドのお客さんが慌ててポンチョを被りだし、カメラ越しには雨粒が。場所によっては、かなり路面が濡れているように見えます。
47周目のターン5でノリスが滑りコースオフすると、2番手のルイス・ハミルトン(メルセデス)が一気に近づいてきたではありませんか! なんとかポジションをキープしましたが、心臓に悪いよ〜。
他のドライバーたちが続々とインターミディエイトタイヤへ交換する中、49周目にハミルトンもピットイン。これはノリスも交換したほうが良いのではと思った矢先、チームから「インターにしよう」と無線が入りました。しかしノリスの答えは「ノー。ノー。黙ってて!」、ドライタイヤで走り続けるという選択にでたのです。
その思いとは裏腹に、まるで氷の上を走っているかのように滑る、滑る。制御不能のマシンをなんとか走らせるも、51周目のターン5で曲がりきれずハミルトンに抜かれてしまいました。その後ピットに入りインターミディエイトタイヤに履き替えるも、8番手で復帰。最後はキミ・ライコネン(アルファロメオ)を抜き、7位でロシアGPを終えました。
頑張った、頑張ったよ(涙)。ノリスの初勝利への想いがヒシヒシと伝わり、見ていて胸が熱くなりました。まだ若いし、この悔しさをバネにこれからも頑張ってほしい! いつかポディウムの真ん中に立てると信じているし、その姿を見届けるまで応援し続けようと心に誓いました。
●チャンピオン争いの2人はやっぱり強かった!
雨に翻弄されたロシアGPを制したのは、ハミルトン! 2007年カナダGPの初優勝から通算100勝と、新記録を樹立しました。ゴール直後には歴代の写真が流れ、懐かしかったですよね。今ではF1界きってのオシャレさんですが、デビュー当時はそんなことなかったなぁなんて思ったり。
予選ではピットインの際、ピットエントリーの壁にフロントノーズをぶつけてしまうというハプニングがあり、最終アタックに出るのが遅くなりタイヤが温まらず4位。決勝ではスタートで加速が悪く6番手まで順位を落としてしまいましたが、あれよあれよと順位を上げ最後はトップのノリスにプレッシャーをかけ続ける姿に強さを感じました。
第10戦イギリスGP以来の優勝となったハミルトンは、決勝後のインタビューで「ここまで本当に時間がかかったよ。100勝目がくるのか分からなかったくらいだね。ランドは素晴らしく速かった。ランドをパスするのは難しかったし、トリッキーだったけどチームが良い仕事をしてくれた」と、ホッとしたような表情をしながら語っていました。
来シーズンもメルセデスと契約を締結したし、まだまだ優勝記録は伸び続けるでしょうね。果たして今後、この記録に追いつくドライバーが現れるのか。それもまた、楽しみです。
そしてパワーユニット交換と前戦でうけた3グリッド降格ペナルティのため、最後尾スタートとなったマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が2位フィニッシュというのも凄かったですよね。
スタートからどんどん順位をあげていき、10周目には12番手へ。26周目にハミルトンと同時にピットインすると、約6秒後方でコースに復帰。最後尾スタートということを忘れてしまうくらい、驚異的な追い上げを見せてくれました。
「雨がなかったらここまで順位をあげられなかった」とコメントしていましたが、それでもあの難しい路面状況の中で最後まで冷静に走り、しっかり2位を摑み取ったフェルスタッペンはかっこいい!
ハミルトンもそうですが、2人とも常に落ち着いていて、さすがチャンピオン争いをしている同士だなと感じました。
最後までドキドキがとまらなかったロシアGP(ノリス、元気になったかなぁ)。本来であれば次戦は日本GPだったはずですが、今年も残念ながら開催されません…。
でもこの時期になるとF1モードになってしまうので、近々ホンダウエルカムプラザ青山に展示されている(10月18日まで)歴代のF1チャンピオンマシンを観に行こうかなと計画中です!
(yuri)