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■GTの名称を冠した1000cc大型ツアラー
スズキは、長距離ツーリングなどでの快適性や安定性を追求した1000ccの新型スポーツツアラー「GSX-S1000GT」を世界同時発表しました。機能性や利便性などを追求した数々の装備が光る、ツーリング派に注目の新型モデルが登場です。
スーパースポーツ「GSX-R1000」譲りの999cc・水冷4サイクル直列4気筒エンジンをパワフルながらも扱いやすい特性としたほか、走行風を低減するフロントスクリーン、スマートフォンと連携できる新型メーターなども装備。
●タンデム時の快適性も追求
GSX-S1000GTは、フルカウルのストリートバイク「GSX-S1000F」を全面改良した全く新しいコンセプトのスポーツツアラーです。
従来モデルのGSX-S1000Fは、ストリート仕様ながらアグレッシブな走りを追求したフルカウル仕様でした。
対するGSX-S1000GTは、長距離走行でより疲労度を低減するフロントスクリーンやアップライトなポジション、タンデム(2人乗り)走行時の快適性や荷物の積載性など、よりツーリングでの走りや使い勝手などを向上したモデルです。
エンジンには、スーパースポーツの2005年式GSX-R1000用999cc・水冷4サイクル4気筒を搭載します。
元々はサーキットなどでも十分に活躍できるパワフルな特性を、低速域からでも使いやすいスムーズなトルク特性に変更。
全回転域で高揚感のある加速性能を実現すると共に、軽量で剛性感のあるフレームに搭載することで、日常での扱いやすさとワインディングや高速道路などでの操縦安定性を両立しています。
また、出力特性を3つのモードから選択できる「SDMS(スズキドライブモードセレクター)」、制御量を5段階から選択できる「トラクションコントロールシステム」なども採用。
スロットルの操作不要で設定速度を維持する「クルーズコントロールシステム」も装備することで、高速道路などでの快適性も向上させています。
最高出力は112kw(約152.2ps)/1万1000rpm、最大トルクは106N・m(10.8kgf-m)/9250prmを発揮。欧州仕様では最新の排ガス規制「ユーロ5」にも対応しています。
●スマホと連携して地図表示も可能
車体サイズは、全長2140mm×全幅825mm×全高1215mmで、ホイールベースは1460mm。装備重量は226kgです。
車体関連では、浮動式ハンドルやラバー付きフットレスト、専用グラブバーを採用し、ライダーとタンデムライダーに伝わるバイクからの振動を軽減。
加えて、ハンドルバーの幅を広げ、ハンドル位置をライダー側に近づけることで、よりツーリングに適したアップライトなライディングポジションを実現しています。
また、メーターには、6.5インチ大画面フルカラーTFT液晶メーターをスズキの2輪車で初採用。ディスプレイをデイモード(白)とナイトモード(黒)に切り替えることで、時間や走行状況に関係なく、可視性を最大限に高めることができる機能を搭載しています。
さらに、このメーターは、専用アプリ「SUZUKI mySPIN」をインストールしたスマートフォンと接続することで、地図の表示や音楽の再生、電話の発着信なども可能にします(音楽の再生や電話の発着信には別途ワイヤレスヘッドセットが必要)。なお、アプリはiOSとAndridの両方に対応しています。
ほかにも、この新型モデルは、純正アクセサリーも注目です。フルフェイスヘルメットが入る大容量サイドケースセットやグリップヒーターなど、ツーリング中の快適性、利便性を向上させる用品が用意されています。
発売は10月より世界各国で順次開始。日本への導入時期はまだ明かになっていませんが、価格はイギリス仕様の場合で1万1599ポンド(約176万円)と発表されています。
(文:平塚 直樹)