本格化する車載ディスプレイのスマホ化。ホンダがGoogleとの提携で「Android 」を搭載

■スマホなしでも「Google マップ」や「Google Play」の使用が可能に

ボルボはAndroidベースの新しいインフォテイメントシステムをミドルサイズSUVのXC60をはじめ、S90、V90、V90クロスカントリーの各モデルに搭載し、日本でも発売しています。GMも2019年にGoogleとの提携を発表しています。

ホンダ アコード
2017年時点の北米向けアコードのインパネ

ホンダも車載インフォテイメントシステムにおいてGoogleと提携に続きます。2021年9月24日、ホンダとGoogleは、Googleの車載向けコネクテッドサービスで協力し、2022年後半に北米で発売されるホンダの新型車に搭載を開始し、その後、順次グローバルに展開すると明らかにしました。

Androidの搭載で、手元にスマホがなくても車内のディスプレイオーディオに搭載された「Google アシスタント」により、道路から目を離さず、ハンドルを持ったままで、音声による操作で簡単に必要な操作を行えます。

ホンダ
ホンダがシリコンバレーにクルマ用アプリ開発スタジオ「Honda Developer Studio」を2014年に設立し、Googleの「Android Auto」による開発をスタート

メッセージの送信や経路案内、メディアや車両機能、対応するスマートホームデバイスの操作ができます。カーナビは、「Google マップ」を統合することで、スマホやタブレットで使い慣れたGoogleマップが車載ディスプレイオーディオでも使用可能になります。

さらに、Googleに話しかけることで、運転をしながら自宅までのナビや到着予定時刻の共有、最寄りのガソリンスタンドやEV充電スタンドの検索、店舗の営業時間の確認などが容易かつ、安全に操作できるようになります。

ボルボC40
「Android Auto」を搭載した「Volvo C40 Recharge」の画面

また「Google Play」にも対応。お気に入りのアプリを楽しんだり、ダウンロードしたりすることができます。スマホを使わずに車内から直接、音楽やポッドキャスト、オーディオブックを聴くことも可能です。豊富な車載用アプリによって、快適なドライブを楽しめます。

なお、ホンダは、2014年からAndroidプラットフォームの「Open Automotive Alliance(OAA)/オープン・オートモーティブ・アライアンス」に陣営に加わっています。その成果として2016年発売のアコードから「Android Auto」の搭載をスタート。スマホ機能をドライバー向けに最適化させることで、安全で快適に利用できるユーザーエクスペリエンスを提供してきました。

ボルボ
すでに日本向けにGoogle「Android Auto」を搭載したボルボ

今回、ホンダはGoogleとの新たな協業を開始することで、操作性をさらに進化させ、ホンダのコネクテッド技術と Googleの先進技術のコラボにより、より使いやすい車載ソリューションを提供するとしています。

各自動車メーカーは、関連するサプライヤーなどと共に長年にわたってカーナビやディスプレイオーディオなどを開発してきました。しかし、スマホ連携が進む中、日常使いで当たり前になっているスマホやタブレットそのものが車載インフォテイメントシステムになる日が始まっています。

塚田 勝弘

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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