万年筆の発明/アウトバーン着工/3代目ホンダCIVIC「ワンダーシビック」デビュー!【今日は何の日?9月23日】

■万年筆が発明された万年筆の日

1809年(文化6)年9月23日、英国のF・B・フォルシュが金属製の軸内にインクを貯めて連続的に筆記できる万年筆を発明し、特許を取得しました。それまでの鳥の羽を使ってインク壺に付けながら筆記する「羽ペン」に対して、インクを付けずに筆記できる万年筆は画期的でした。40~50年ほど前は、入学祝や卒業祝いなどに万年筆を贈るのが定番で、学生も社会人も胸ポケットに万年筆を差してました。いっぽう筆者は、もう何年も万年筆を使う人を見たことがありません。もしかしたら万年筆自体を見たこともないという若い人がいるかもしれませんね。

さて、クルマ界の今日は何があったのでしょう?

●ヒトラーも参加してアウトバーンの着工式

アウトバーン
アウトバーン

1933(昭和8)年のこの日、ナチスドイツの党首ヒトラーがアウトバーン建設の鍬入れ式に出席し、本格的な工事が始まりました。モータリゼーションでクルマが増える中、アウトバーンの建設は人流や物流の効率化、さらには軍事的にも必要不可欠でした。加えて1929年に起こった世界大恐慌によって職を失った人々の失業対策としても、建設が進められたのです。着工2年後の1935年、ついにアウトバーンの第1号路線(フランクフルト-ダルムシュタット間約15km)が開通しました。ちなみにアウトバーンは速度無制限と言われますが、実際に速度制限のない区間は全体の約62%、残りは最高速度が130km/h以下に規制されています。無制限区域はたとえ300km/hで走行しても摘発されませんが、近年は気候変動への意識の高まりなどから平均速度が低下しているようです。

●ハイトワゴン風5ドアもラインナップした3代目シビックシリーズ登場!

1983(昭和58)年のこの日、「ワンダーシビック」という愛称で親しまれた3代目ホンダシビックの3ドアハッチバックがデビューしました。4ドアセダンと5ドアのシビックシャトル、バラード4ドアセダンは、1ヶ月遅れて10月20日に発売されています。

1983年発売の3代目シビックハッチバック
1983年に登場した3代目シビックの3ドアハッチバック
1983年発売の3代目、典型的なハッチバックスタイルの後ろ外観
後端を切り落としたようなスタイリングが特徴の後ろ外観

初代シビックは1972年にデビューし、2ドアハッチバックのコンパクトカーとして低燃費と優れた走行性能で大ヒットしました。翌年にはCVCCエンジンを搭載して、当時世界一厳しい排ガス規制(通称マスキー法)に世界で初めて適合して大きな注目を集めました。2代目は初代のキープコンセプトながらボディを拡大して「スーパーシビック」と呼ばれ、引き続き人気を博しました。

1983年発売の3代目シビックセダン、余裕の室内空間を確保した3ボックス
3代目シビックセダン。余裕の室内空間を確保した3ボックス

そして1983年に、ワンダーシビックと呼ばれた3代目がデビュー。ボディタイプごとに異なるプラットフォームを使って、最適設計をしているのが大きな特徴でした。最初にデビューした俊敏な走りが要求される3ドアハッチバックは、先代よりも全高を100mm下げ、全幅を50mmも広げたワイド&ローのスマートなスタイルを採用。1ヶ月後にデビューしたセダンは広い室内空間とトランクルームを確保したモダンな3ボックススタイル。ユーティリティが求められる5ドアシャトルはハイトワゴン風のスタイルと、同じシビックシリーズには見えない個性的なモデルとして仕上げられました。

1983年発売の3代目シビックシャトル、ユーティリティを向上させたハイトワゴンスタイル
シビックシャトル。ユーティリティを向上させたハイトワゴンスタイル

エンジンは、1.3Lと1.5Lの4気筒OHC 12Vのキャブ仕様および1.5Lの電子制御燃料噴射仕様を棲み分けて搭載。また1年後の1984年には、1.6L 直4DOHCエンジンを搭載したホットハッチの「シビックSi」を追加して、大きな注目を集めました。

ベルノ店から販売された1983年発売のバラード4ドアセダン
ベルノ店から販売されたバラード4ドアセダン

シビックの大成功によって米国で名を上げたホンダは、急速に世界的な自動車メーカーへと成長し始めました。その勢いのまま登場したのが3代目シビックでした。開発の効率よりも独創性を重視して、一見すると同じシビックシリーズとは思えないような3つのモデルを登場させたのでした。

毎日が何かの記念日。それではまた明日!

Mr.ソラン

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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