ヤマハ発動機がカラフルな電動車いす用アートスポークカバー「Voyage」を発売する意味は?

■作家のGAKUさんの作品「Voyage」に憲章のロゴデザインを配置

ヤマハ発動機はオートバイや電動アシスト付自転車だけでなく、古くから電動車いすユニットや電動車いすに参入し、日常使いはもちろん、パラスポーツの場でも選手の活躍を支えています。パラリンピックでも電動に限らず、多様な車いすが注目を集めました。そんな中、ヤマハ発動機は、以前お伝えしたように、車いす用スポークカバーの新製品をリリースするなど、ファッション性の高いアイテムも投入しています。

ヤマハ発動機 アートスポークカバー「Voyage」
ヤマハ発動機が発売するアートスポークカバーの「Voyage」を装着した車いす

同社は、新しい車いす用スポークカバーを2021年9月24日に発売すると発表しました。

今回の車いす用スポークカバーは、神奈川県による「ともに生きる社会かながわ憲章」の趣旨に賛同したことで誕生。同憲章の理念を広めるためのプロジェクトである「#リスペクトでつながろうコラボ」としてリリースされます。

この憲章は、2016年7月26日、障がい者支援施設である神奈川県立「津久井やまゆり園」において、大変痛ましい事件が発生したことがきっかけになっています。神奈川県と県議会は、このような事件が二度と繰り返されないよう、ともに生きる社会の実現をめざし、同年10月14日に「ともに生きる社会かながわ憲章」を定めています。

冒頭でご紹介したように、ヤマハ発動機は、1996年から電動車いすユニットや電動車いす、関連製品の進化と熟成を重ねています。共生社会の実現を目指す同憲章を、車いす用スポークカバーと共に広めることで、ヤマハ発動機が目指す社会に近づくと判断し、今回のコラボが実現したそう。

ヤマハ発動機 アートスポークカバー
アートスポークカバー「Voyage」のデザイン

このスポークカバーには、神奈川県在住の作家GAKUさんの作品「Voyage」に、憲章のロゴデザインが配置されています。なお、ヘラルボニー社と作家のGAKUさんがライセンス契約を結んでいて、今回のスポークカバーも同契約によるものです。

GAKUさんは、2001年生まれで川崎市在住。知的障がいを伴う自閉症があります。言語を介さないコミュニケーションをとる彼の作品は、このアートスポークカバーからもうかがえるように独自の世界観を持ち、直感的であり、また強烈なパワーを発しています。また、ヘラルボニーは、「異彩を、 放て。」をミッションに掲げるアートライフスタイルブランドです。障がいのイメージを変容することを目指し、障がいのある作家が描く作品をプロダクトに落とし込み、社会に提案。売上の一部を、作家に還元しています。

ヤマハ発動機 アートスポークカバー
アートスポークカバー「Voyage」。こちらは、神奈川県庁特別仕様

ヤマハ発動機は、こうしたアート作品をスポークカバーに起用することで、車いすをより身近に感じてもらい、多様な個性を認めあえる社会の実現を目指すとしています。

カラフルな色使いが印象的なアートスポークカバー「Voyage」の価格は、2万9700円。16インチのみ2万6400円となっています。

塚田 勝弘

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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